リグーリアと聞いても地理的にピンとこない人も多いのではないでしょうか。
海に囲まれたリグーリア州は白ワインが有名ですが、個性豊かな赤ワインも生産されています。
今回はあまり知られていないリグーリア州の赤ワインについて、ソムリエが解説していきます。
リグーリア州とは
地域的にも特徴のある生産地から生まれるリグーリアのワイン。
まずは、生産地であるリグーリアについてその全体像を解説していきます。
リグーリアの概要
リグーリア州はイタリアの北西部に位置するリグーリア海に面し、東西に弓なりの形をしています。
イタリア屈指の観光地としても有名で、イタリアで最も高級なリゾート地として知られる「ポルトフィーノ(Portofino)」や、険しい海岸に色彩豊かな家が立ち並ぶ世界遺産としても有名な「チンクエ・テッレ(Cinque Terre)」もリグーリアにあります。
リゾート地でワイン生産と思われるかもしれませんが、リグーリアの気候はワイン生産に適した地中海洋性気候。
一年を通して温暖であり、降雨量も多くはなく、気候的にみればブドウの生産には適しているといえます。
また、リグーリアは漁業、観光業、ブドウとオリーブの混合農業が盛んで、オリーブオイルの産地としても有名です。
海と山に囲まれた地域であるためか、リグーリアの料理は日本人の口にも合うとされています。
特に有名なのがバジルをふんだんに使った「ジェノベーゼ」で、パスタソースなどに使われます。
険しい地形でのブドウ栽培
リグーリア州は面積の約65%が山岳地帯であることが地理的な特徴です。
ブドウ畑などは崖を切り崩した段々畑などで栽培されることが多く、最大45度にもなる傾斜での栽培には危険が伴う事もあります。
土壌的には石灰質のミネラルが多い箇所から、粘土質のものが混ざったものまでさまざまです。
決して肥沃な土壌ではないため、大規模なブドウ栽培には向いているとは言えません。
しかし、その土地にあったブドウを試行錯誤しながら栽培したり、収穫量などを少なくしたり、手間暇をかけて栽培するので高い品質のブドウが生産されています。
リグーリアのワインの生産量
地形の条件などにより、リグーリアのワインの生産量は20州ある中で、ヴァッレ・ダオスタに次ぐ、2番目に少ない地域です。
しかし、最近は輸出量が伸びており、2017年は13.4百万ユーロの売上で、増加率が53.8%と急激な伸びを見せています。
また、ブドウ栽培の難しさからワインの生産者が減っていたのですが、2016年〜2017年はワイン事業者は8.3%も増加。
リグーリアのワイン生産が活発化していることが伺えます。
>>【ソムリエ監修】イタリアワインの特徴は?品種から有名銘柄まで完全解説
リグーリアのワインの歴史
リグーリアでブドウの栽培が始まったのは古代ギリシャ時代と言われています。
古代ローマ帝国の支配によってブドウ栽培の技術はさらに進化し、良質なワインが生産されるようになりました。
また、ジェノバを中心に交易も盛んになり、ワインの生産もますます活発化していきました。
しかし、古代ローマ帝国の崩壊とともにブドウ栽培も影を潜めてしまいます。
ワインの生産が復活してくるのはルネッサンス以降になってからです。
現在世界文化遺産にもなっているチンクエ・テッレやリヴィエラ・ディ・ポネンテなどのワインが15世紀から有名になりました。
その後時代の流れとともに、オリーブや柑橘系の農業が盛んになったり、ヨーロッパ襲ったフィロキセラの被害などで、ブドウの栽培は再度影を潜めてしまいます。
しかし20世紀後半に入り、リグーリアの独特な地形と環境で作られるワインが再評価され、ブドウ栽培も復活しつつあります。
世界遺産のワイン
歴史の中で紹介したチンクエ・テッレは、その歴史とカラフルな建物、崖にあるワイン畑などの全体的な景観が評価され、1997年に世界文化遺産に登録されました。
断崖絶壁と山々に囲まれたこの地は、住むための平地が少なく土地も痩せていたために、人々は自然と共生する道を模索し続けました。
その結果、彼らは急斜面の岩盤を砕いてその上に住居を密集させ、岩盤が砕かれて出た砂を土壌にブドウを植えるようになったのです。
非常に厳しい地形と環境の中で生産されるワインは、他の産地には無い個性的な仕上がりとなりました。
良質なワインを生産してきたチンクエ・テッレは、1973年にイタリアの格付け制度であるD.O.C.を獲得。
名実ともに良質なワインの生産地として広く知られるようになりました。
さらに世界文化遺産というプレミアまでつき、リグーリアの中でも1位・2位を争う有名なワインの銘醸地になっています。
リグーリアの赤ワインの特徴
リグーリア州の赤ワインにはどのような特徴があるのでしょうか。
こちらでその特徴を3つに分けてご紹介します。
凝縮感のあるエレガントな味わい
リグーリアの赤ワインはブドウの凝縮感が感じられる上品な味わいが大きな魅力です。
そんなワインを生み出しているのは、リグーリアの海と山に囲まれた独特の地形と気候が要因となっています。
海沿いの地域は温暖な地中海性気候、内陸部は昼夜の寒暖差の激しい大陸性気候となっているのが特徴です。
特に赤ワインは内陸寄りの産地で生産されているため、ブドウは豊富な太陽の光を受けながら、厳しい昼と夜の寒暖差の中で育つことに。
その結果、ワインは濃厚で深い味わいを持ちながらも重過ぎず、エレガントな口当たりに仕上がります。
柔らかく繊細な渋味とクリーンな酸味もあり、ワインに洗練された印象を与えています。
さらに、リグーリアの赤ワインは海風の影響を受けることで、独特のミネラル感やわずかな塩味が加わることも印象的。
パワフルな味わいではなく、上品さを感じる風味と味わいがリグーリアの赤ワインの特徴と言えるでしょう。
土着品種「ロッセローゼ」
リグーリアの赤ワインを語るうえで外せないのがロッセローゼというブドウ品種。
ロッセローゼはリグーリア州特有のブドウ品種で、カジュアルな早飲みタイプから熟成向けのワインまで造られています。
果実味が豊かでありながらも、非常に繊細でエレガントな口当たりがロッセローゼの魅力。
新鮮な赤い果実やベリーのアロマが際立ち、時には花やハーブの香り、スパイシーなニュアンスも感じられます。
味わいは酸味と渋味のバランスが良く、飲みやすいのが特徴です。
また、リグーリア州の温暖な気候と海からの影響により、ミネラル感やわずかな塩味が加わり、独特なフレッシュ感を生み出しています。
リグーリア州の赤ワインの中でも独自性と個性を強く反映しており、ロッセローゼはリグーリア州を代表するブドウ品種と言えるでしょう。
地元消費が多く希少価値が高い
リグーリア州のワインは生産量が比較的少ないため、地元での消費が大部分を占めています。
イタリア全体のワイン生産量に対し、リグーリア州で生産されるワインはそのうちのわずか0.2%のみ。
その理由は、州全体の65%が山岳地帯となっているリグーリア州の地形が関係しています。
急斜面や狭い土地では大規模なブドウ栽培が難しく、リグーリア州のワイン生産者は限られた量のワインを手作りで丁寧に造っています。
また、リグーリア州は風光明媚な港町であることから観光客も多く、ワインは観光客向けに地元で消費される割合が多いです。
このため国際市場に出回るワインの量は限られており、日本ではなかなか見る機会がありません。
さらに、リグーリア州で生産されるワインは白ワインが主体で、赤ワインは35%程度しか生産されていません。
リグーリア州の赤ワインは地元で愛される一方で、国際的には珍重される希少な銘柄だと言えるでしょう。
リグーリアの赤ワインの選び方
こちらでリグーリア州の赤ワインの選び方をご紹介します。
少しでもリグーリアの赤ワインの味わいの違いを楽しんで貰うために、いくつかの選び方を紹介していきます。
ボディで選ぶ
ライトボディ
ライトボディのワインは軽やかでフレッシュな口当たりが特徴です。
ブドウの持つフレッシュな酸味が際立ち、渋味は軽やかで比較的控えめ。
香りは赤系・黒系のフルーティーなアロマが楽しめることが多く、飲みやすさが魅力です。
ワイン初心者や軽い食事を好む方、さっぱりとしたカジュアルなワインを楽しみたい方におすすめです。
ミディアムボディ
ミディアムボディのワインは、ライトボディとフルボディの中間に位置します。
バランスが取れた酸味と渋味、程よい果実味が特徴で、複雑さと柔らかさを兼ね備えた味わいが魅力です。
多様な食事とのペアリングを楽しみたい方や、より複雑な味わいを求める方におすすめです。
どれを選べばいいか迷った際にはミディアムボディを選ぶと良いでしょう。
フルボディ
フルボディのワインは、濃厚で力強い味わいが特徴です。
赤ワインならではのしっかりとした渋味が感じられ、長い余韻を持ちます。
果実の風味に加え、熟成によるスパイスや大地を思わせるアロマ、樽熟成のニュアンスが感じられることもあります。
力強い味わいを好む方や、肉料理など濃厚な食事と合わせて楽しみたい方におすすめです。
品種で選ぶ
ロッセーゼ(Rossese)
ロッセーゼはワイン名でありながら、ブドウの品種名でもあります。
リグーリアの土着品種のひとつで、ドルチェアックアが原産地とされています。
ベリー系のアロマと上質なタンニン、口当たりがまろやかなワインができるのが特徴。
味わいは非常に繊細で、早飲みのタイプが多くあります。
しっかりと成熟したロッセローゼは、長期熟成することで素晴らしいワインに仕上がります。
サンジョヴェーゼ(Sangiovese)
サンジョベーゼはイタリアでポピュラーな赤ワインの原料となるブドウ品種です。
トスカーナ州で主に栽培されていますが、リグーリア州でも栽培されています。
サンジョヴェーゼを主体の赤ワインが主ですが、単一での赤ワインは珍しく他の品種とブレンドして使用されることが一般的です
タンニンは穏やかで優しい口当たりですが、酸味との調和で引き締まったエレガントな味わいの赤いワインが生産されています。
>>【ソムリエ監修】サンジョヴェーゼの特徴は?品種概要からおすすめの15銘柄を紹介!
地区で選ぶ
赤ワインの生産量は多くないリグーリアですが、東西に長い地形によって、バリエーション豊かな土壌があります。
そのため地区によって生産されるブドウも違ってくるため、特徴のある赤ワインが生産されています。
ロッセーゼ・ディ・ドルチェアクア(Rossese di Dolceacqua)
1972年にリグーリアの中で一番初めにD.O.C.を獲得した銘醸地。
リグーリア州の最も西側にある地域に当たり、白ワインが主流のリグーリアの中で数少ない赤ワインの生産地として知られています。
小さいながらもブドウの栽培には適した環境にあり、数多くの畑が南向きの斜面に作られていて、良質なブドウを作るのに必要な日照時間も長く取れるのが大きなメリットになっています。
また、昼と夜の寒暖差も大きいため、しっかりとした果実味を持つブドウが栽培されています。
イタリアの土着品種ロッセーゼを主体に生産する赤ワインが有名で、芳醇な果実味と、滑らかな口当たり、上品な酸味のバランスがとてもよいのが特徴です。
しかしその生産量は少なく、年間27万本の生産しかされていないためほとんどが観光地でもある現地で消費されています。
なかなかお目にかかれないロッセーゼの赤ワインですが、もし飲む機会があるのであればそのバランスの良い味わいから肉料理とマリアージュさせると絶妙です。
また、酸味の効いた魚料理などとも相性が良く、カルパッチョなどとよく合います。
コッリ・ディ・ルーニ(Colli di Luni)
ジェノバの東側、チンクエ・テッレに隣接する大規模なワインの生産地です。
D.O.C.認定もされている銘醸地で、なんと州をまたいでトスカーナ州のマッサ・カッラーラまでがその地域に該当しています。
コッリ・ディ・ルーニはもちろん白ワインが有名ですが、トスカーナにも近い事から、赤ワインも多く生産されています。
サンジョヴェーゼを主体に、カナイオーロ、チリエジョーロの品種をブレンドした赤ワインが多く、ベリー系のアロマにフレッシュな酸味とタンニンのバランスがよく、まろやかさを感じます。
しかし中には、しっかりとしたボディの重厚感があるものもあり、トスカーナワインとはひと味違う味わいが楽しめます。
赤ワインの生産地として有名な地域を紹介しましたが、チンクエ・テッレや他のワイン生産地でも、少ないながら赤ワインが生産されています。
価格で選ぶ
リグーリアの赤ワインは輸出量が少なく日本ではあまり手に入らない貴重なワインなので、種類もそれほどありません。
通常デイリーワインとして選ぶ事の多い1,000円から2,000円の価格帯のワインも少なく、平均的に見ると高めです。
しかし、味わいに関して言えば価格以上の満足感があるので、3,000円以下の赤ワインであっても、デイリーワインとしてはもちろん来客用で出しても全く問題が無い品質です。
5,000円以上の赤ワインは特別な日におすすめです。
あまり手に入らないワインなので、特別な日にはもってこいでしょう。
リグーリアのおすすめ人気赤ワイン5選
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5位
ムレッティ ロッソ NV カンティーナ チンクエ テッレ
果実 :サンジョヴェーゼ、チリエジョーロ、ロッセーゼ、ドルチェット
2016年11月6日に日本で放送された『THE世界遺産』で取り上げられたワイナリー「カンティーナ・チンクエ・テッレ」で作られた赤ワイン。
生き生きとしたフレッシュな味わいとアロマの調和がGood。
軽やかな果実の風味とさっぱりとした酸味が感じられ、渋みの抑えられた口当たりは非常に軽やかです。
とても飲みやすいのでデイリーワインとしておすすめ。
ボディ | ブドウ品種 | 地区 |
ライトボディ | サンジョヴェーゼ/チリエジョーロ/ロッセーゼ/ドルチェット | チンクエ・テッレ |
4位
コッリ ディ ルーニ ロッソ 2013 ルナエ ボソーニ
ボディー:ミディアムボディ
メーカー名 ルナエ ボソーニ
果実 :サンジョヴェーゼ(70%)、カナイオーロ(15%)、チリエジョロ(15%)
サンジョベーゼを主体としてミディアムボディの1本。
果実の風味が豊かでスパイシーな味わいに、チェリーやレッドベリーなどの芳醇なブーケが長く楽しめます。
味わいのボリュームは中程度でバランスが良く、様々な料理と合わせやすい1本です。
辛口でスパイシーな味わいなので、パスタや肉料理などとマリアージュさせるといいでしょう。
ボディ | ブドウ品種 | 地区 |
ミディアムボディ | サンジョヴェーゼ/カナイオーロ/チリエジョロ | コッリ・ディ・ルーニ |
3位
チルクス リグーリア デイ レヴァンテ 2016 ルナエ
果実 :マッサレータ50%、アルバロッサ25%、アリカンテ25%
土着品種をブレンドしたまさに地酒と呼ぶにふさわしい1本。
生き生きとした果実味とシャープな酸味、香りは豊かでいちごのようなニュアンスを持っています。
香辛料を思わせるような独特の風味があり、これが果実味豊かな香りに良いアクセントを加えています。
辛口で口当たりもよく余韻も長く楽しめるので、濃い味付けの魚料理などと相性がいいでしょう。
ボディ | ブドウ品種 | 地区 |
ミディアムボディ | マッサレータ/アルバロッサ/アリカンテ | IGT |
2位
リヴィエラ・リグーレ・ディ・ポネンテ・ロッセーゼ・DOC
果実 :ロッセーゼ100
ロッセローゼを使用した深い味わいの赤ワイン。
力強いタンニンとシャープな酸味、エッジの効いたスパイスと若干の香ばしさを感じられるストラクチャーがしっかりとしています。
骨格はしっかりとしいてフルボディな味わいがありますが、ほのかなミネラル感があるため全体としては上品な印象です。
濃い味のこってりとした料理と非常によく合います。
ボディ | ブドウ品種 | 地区 |
フルボディ | ロッセローゼ | ロッセーゼ・ディ・ドルチェアクア |
1位
ビオ・ヴィオ リヴィエラ・リグーレ・ディ・ポネンテ ロッセーゼ ウ・バスティオ 2015
ボディー:ミディアムライト
メーカー名 ビオ・ヴィオ
果実 :ロッセーゼ
ブドウの凝縮感が素晴らしいロッセローゼ。
淡いルビーの色にあった、チェリーや薔薇のような華やかなアロマが一口目から感じられます。
穏やかなタンニンとまろやかな口当たり、そして余韻に残るかすかな苦味が無駄のないエレガントな味わいを形づくっています。
急な来客でお出しするワインとしても十分な美味しいワインです。
ボディ | ブドウ品種 | 地区 |
ミディアムライトボディ | ロッセローゼ | リヴィエラ・リグーレ・ディ・ポネンテ |
リグーリアの赤ワインに合わせる料理
最後にリグーリアの赤ワインと相性の良い料理をご紹介します。
希少価値の高いリグーリアの赤ワインを楽しむためにも、ぜひご参考ください。
イワシの香草焼き
イワシの香草焼きは新鮮なイワシをハーブと一緒に焼き上げた料理です。
脂身のあるイワシの味わいと、清涼感あるハーブの香りの組み合わせは、思わずワインが欲しくなるような味わい。
ワイン選びではフレッシュなフルーツの風味や、ミネラル感を持つライトボディの赤ワインがおすすめです。
早飲みタイプのロッセローゼなど軽やかでフルーティーなアロマのワインが、イワシの繊細な味わいと香草の香りを引き立てます。
トマトの煮込み
カポナータやミートソース、カチャトーラなど、トマトの煮込みはイタリアではポピュラーな料理。
肉や魚、野菜などをトマトで煮込んだ様々な料理があるので、どのような食材を煮込むかによって相性の良いワインは異なります。
鶏肉や豚肉などを使ったボリューミーなトマト煮込みには、果実味が豊かなミディアムボディや渋味のしっかりしたフルボディの赤ワインがおすすめ。
海鮮や野菜をメインにしたトマト煮込みには、フレッシュなライトボディの赤ワインが適しています。
ジビエ料理
山岳地帯の多いリグーリア州はジビエ料理も盛んです。
独特の肉の風味や肉の旨味のしっかりしたジビエ料理には、味わいが濃厚で複雑な風味を持つフルボディの赤ワインがおすすめです。
濃厚な渋味と深い果実味のあるワインは、ジビエの強い味わいとよく合いお互いの特徴を引き立て合います。
熟成された赤ワインに感じるハーブやスパイス、獣を思わせる風味はまさにジビエ料理にはぴったりでしょう。
チーマ
チーマとは、仔牛のむね肉に野菜やチーズ、卵などを混ぜ合わせて茹で上げたリグーリア州の郷土料理。
豊富な素材がシンプルな肉の味わいを引き立ててくれる、素朴ながら味わい深い一品です。
チーマにはライト〜ミディアムボディの赤ワイン、特にロッセローゼが適しています。
郷土料理と地元のワインを合わせる、間違いない組み合わせのペアリングをぜひ試してみてはいかがでしょうか。
リグーリアの赤ワインは飲める機会の少ないレアなワイン!
イタリアの中でも、独特の地域特性からワインの生産量が少ないリグーリア。
生産量が少ないながらも土着品種を使った個性的なワインが再評価され、リグーリアはワイン産地としてここ近年活気づいてきています。
特に赤ワインは白ワインの半分程度の生産量しか無いため、飲める機会があれば絶対に見逃したくないところ。
まだまだ日本で購入できるリグーリアの赤ワインは少ないですが、日本でもたくさんの質のいいリグーリアのワインが楽しめる事を期待したいですね。
イタリアの他の赤ワインも気になる方はぜひ以下の記事もご覧ください
>>【ソムリエ厳選】イタリアのおすすめ赤ワイン20選!特徴、種類、選び方のコツまで解説
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