【ソムリエ監修】モーゼルのワインの魅力を解説!おすすめワインまで紹介

2018/11/09
ワインの基礎知識

モーゼルはドイツのワイン生産地の中で5番目の規模を持っており、かつもっとも古い産地であると言われています。

モーゼル川などの自然の恩恵を受けつつ、およそ8,800ヘクタールもの栽培総面積の中には名の知れたワイン村も多くあり、ワインの名産地と言っていいでしょう。

特に白ワインが有名で、リースリング種から造られる白の質は世界的にも認められている逸品です。

今回はそんなモーゼルのワインについて、その特徴や使用されている品種について紹介します。

記事の監修者

杉浦 直樹

J.S.A認定ソムリエ

歌舞伎役者として人間国宝 中村雀右衛門に師事。15年ほど主に歌舞伎座に舞台出演。 その後銀座のクラブマネージャーを経て、J.S.A認定ソムリエ資格を取得。 現在は支配人兼ソムリエとして、ブルゴーニュとシャンパーニュの古酒を専門としたフレンチレストランを経営する。

モーゼルのワインの特徴

モーゼルのワインは冴えわたった酸味を持っており、チャーミングではつらつとした「山の娘」とも称されることで有名です。

ただし南北に長い地域であるモーゼルのワインすべてが同じ特徴を持っているわけではありません。

特にモーゼル川の上流部と下流部は土壌や地形の違いからまた違った味わいを持っています。

また、モーゼルには6つのベライヒがあり、上流部からモーゼルトーア、オーバーモーゼル、ザール、ルーヴェルタール、ベルンカステル、ブルク・コッヘムといいます。

ちなみにベライヒとは、ドイツのワイン産地の中で指定されている13の地域(アンバウゲビート)をさらに細かく区分けした地域のことです。

モーゼルのベライヒの中でもっとも有名なのはザールでしょう。

主にリースリングから造られるザールワインは果実のアロマがとてもすばらしく、糖と酸のバランスは絶妙なものがあります。

世界的に見ても大変高品質なワインを造ることができる土地で、気候などの理想的な条件が揃えば「白ワインの女王」とすら称されるほどの出来栄えとなります。

また歴史があるという点ではベルンカステルも外せません。

モーゼルの中部にあるベルンカステル市を中心にしたこのベライヒでは、味わいと香りの両方に豊かな風味を持つワインが造られています。

昔から名の知れた生産者や畑の多くがこの地区に集まっており、スレート粘板岩が風化した土壌も手伝って良質なワインが造られるのです。

モーゼルのワイン品種

ドイツではもともと白ワイン用品種の栽培が盛んでした。モーゼルもそれは例外ではありません。

モーゼルのワインで特に有名なのはリースリング種を使用した白ワインで、生産も白が主流の時代が長く続いていました。

モーゼルでも赤ワインが造られ始めたのは、実はかなり最近なのです。

赤ワイン用品種であるドルフェンダーやシュペートブルグンダーがモーゼル川・ザール川・ルーヴァー川の流域で栽培されるようになったのは80年代後半のことになります。

ここではモーゼルで栽培されている主な品種について紹介します。

白ワインの品種

リースリング

リースリングはモーゼルでもっとも多く栽培されている品種で、白ワインの主要品種でもあります。

その根は地中深くまで伸びることで土中のミネラルやフィネスを吸収し、それらの風味をワインに反映させます。

特にモーゼルのザール川やルーヴァー川流域はストレート土壌で、石灰質が混在していません。

そういった土壌で育ったリースリングは他では見られないようなミネラリティを獲得するのです。

リースリングそのものの味わいは、しっかりとした酸味と透き通った果実味で、はちみつや白桃のアロマを感じることもできます。

リヴァーナー

リヴァーナーは、モーゼルにおいてリースリングに次いで重要な位置にある品種です。

リースリングとシャスラ・ド・クルティリエールの交配によって生まれた品種で、ミュラー・トゥルガウという別名でも知られています。

トロピカル系の爽やかなアロマを楽しめるフレッシュなワインで、抑えられた酸味と果実の自然な甘さのなかにスパイシーさを秘めています。

軽快な口当たりを持っていることから初心者にもおすすめできる飲みやすいワインです。

ちなみに、同じ品種が北海道でも栽培されており、研究が進められています。

エルブリング

エルブリングは、オーバーモーゼルに見られる土着品種で、およそ2000年前からこの土地で栽培されていたと考えられています。

エルブリングのワインはとても強い酸を秘め、果実味を存分に楽しむことができます。フルーティなアロマを持っており、引き締まった味わいです。

ただし、エルブリングのワインは日本ではかなり希少で、あまり市場に出回らないのが残念なところです。

赤ワインの品種

先述のとおり、モーゼルの赤ワイン生産が始まったのは、ワインの長い歴史から見ればかなり最近のことです。

そのため、生産量が需要に追いついておらず、日本に輸入されている数はまだ少ないのが現状といえるでしょう。

その中でも比較的手に入りやすいのはドルフェンダー種のワインです。

ドルフェンダー

ドルフェンダーは、90年代以降ドイツで栽培が盛んになった品種です。1990年から8年間で270%もの増加を記録しており、ドイツの赤ワイン用品種として強く注目されています。

その理由となるのが、この品種から生まれるワインのとても濃い赤紫色です。ドイツの赤ワインは色が薄いとまま指摘されますが、この品種から造られるワインはその心配はないと言えるでしょう。

果実味が前面に出た柔和でコクのある味わいを楽しむことができます。

ドルフェンダーのワインは日本にも多く輸入されており、今後の発展や増加に期待が高まっている品種です。

シュペートブルグンダー

シュペートブルグンダーは、ピノ・ノワールのことです。同じ品種をドイツではこう呼ぶのです。

ドイツでもっとも多く栽培されている黒ブドウ品種でもあり、中にはバリックで仕上げられた上質なワインも存在します。ちなみにバリックとはボルドー地方などでワイン熟成に使用する木樽のことです。

土壌など環境的要因の影響を受けやすい品種で、モーゼルのものはベリー系の甘いアロマがほんのり漂うライトな飲み心地です。

フリューブルグンダー

フリューブルグンダーは、シュペートブルグンダーの突然変異種です。

色彩はやや淡い方ですが味わいは軽快で、「村の娘」と称されるモーゼルのワインらしい愛らしさを持っています。

ただし希少価値が高いためか日本では手に入りにくく、また高価な傾向にあるのが難点と言えるでしょう。

モーゼルのおすすめワイン

白ワインはコレ!

ファルケンベルク <マドンナ> モーゼル

1,345円 (税込)

詳細情報
アルコール度数 9 %
味わい  甘口
原産国名 ドイツ
メーカー名 サントリー
果実 %     リースリング

舌に乗せると果実味が広がり、フルーティな味わいを楽しめるワインです。

モーゼルのワインらしい程よい酸味を持っており、全体的にすっきりとした風味に仕上がっています。

>>モーゼルのおすすめ白ワインをもっと見る

赤ワインはコレ!

モーゼルランド アクツェンテ ドルンフェルダー

1,500円 (税込)

詳細情報
原産国名 ドイツ
メーカー名 モーゼルランド アクツェンテ ドルンフェルダー
果実 %     ドルンフェルダー 100%

バランスのとれた酸味と熟れた果実の甘味を楽しめるワインです。

柔和な口当たりで飲みやすく、初心者にもおすすめです。

モーゼルのワインまとめ

モーゼルはドイツの中でも有数のワイン生産地です。

この土地で産まれるワインは村娘のように親しみやすい味わいを持つ傾向にあり、初心者にとってもハードルが低いといえるでしょう。また価格帯が幅広く、リーズナブルな価格が多いのも魅力的です。

モーゼル川やザール川、ルーヴァー川といった自然の恩恵を受けた豊かな大地によって育つ品種は、その個性を存分に発揮してくれます。中にはリースリングのように、モーゼルの地だからこその味わいを持つに至った品種もあるほどです。

モーゼルでは赤白ともにドイツで栽培されているメジャーな品種の多くを押さえているので、この土地のワインに親しむことがドイツワインの味を知る一歩になるかもしれません。

     

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