ラツィオは生産量の7割を白ワインが占める、イタリア白ワインの名産地。
人気品種「フラスカーティ」をはじめ、世界中のワイン愛好家から支持を集めています。
今回はラツィオ産の白ワインについて、基本的な特徴からおすすめ銘柄までまとめて紹介します。
ラツィオってどこ?
首都ローマがあるイタリア中央部の州
ラツィオ州はワインの名産国・イタリアのなかでも、首都ローマがある中央部の州です。
古代ローマ時代から、ラツィオ産のワインは多くの人々に愛されてきました。
イタリア国内のワイン産地のなかでも有名で、白ワインの生産が盛んに行われています。
ラツィオの白ワインは、親しみやすいシンプルな味わいが特徴で、価格もリーズナブル。
気候に恵まれた火山性の土地で育ったブドウでワインは「ヴォルカニック・ワイン」と呼ばれ、ミネラルを多く含む個性的な味わいが楽しめます。
ワイン生産量の7割以上が白ワイン
ラツィオ州はワインの総生産量のうち、約8割が白ワインといわれるほど白ワインの名産地です。
代表的な銘柄としては「フラスカーティ」や「エスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンテフィアスコーネ」などが挙げられます。
ラツィオを代表する二大銘柄
ローマ周辺では最もポピュラーな「フラスカーティ」
「フラスカーティ」はアウグストゥス帝、ローマ帝国の初代皇帝の時代から多くの人々に愛されてきました。
その歴史は紀元前27年から14年にまで遡り、16世紀のローマ法王であったパオロ三世もこのワインを楽しんでいたと伝えられています。
フラスカーティの原材料は、マルヴァジアとトレッビアーノのブドウ。
その色合いは、まるで太陽の光を浴びた麦わらのような輝きが特徴的です。
家庭の食卓によく出る前菜や魚料理、パスタ、リゾットともよくマッチします。
また、フラスカーティの中でもD.O.C.G.フラスカーティ・スペリオーレは、特別な規定を満たしており、深みのある味わいが楽しめます。
甘みを感じるD.O.C.G.カンネッリーノ・ディ・フラスカーティは、琥珀色の美しい色合いと独特の香りが特徴です。
特徴的な名前が耳にのこる「エスト! エスト!! エスト!!! ディ・モンテフィアスコーネ」
ユニークな名前を持つこのワインは、エスト(Est)というラテン語で「ある」という意味を持っています。
名前の由来は12世紀にさかのぼります。
ワイン愛好者であったドイツ人司教のヨハネス・デフクは、教皇に会うためにヴァティカンへ向かう途中、素晴らしいワインを見つけたらその場所に「Est」と記すよう従者に指示していました。
そして、モンテフィアスコーネの町で、従者はその指示通りに最高のワインを発見し、「エスト! エスト!! エスト!!!」とその宿の入り口に記したのです。
司教はこの町を非常に気に入り、最終的にはここで彼の人生の幕を閉じました。
この伝説のワインこそが「エスト! エスト!! エスト!!! ディ・モンテフィアスコーネ」です。
マルヴァジアやトレッビアーノを原料として、爽やかで果実味が溢れる、軽やかな飲み心地が特徴です。
ラツィオの白ワインの選び方
ぶどうの品種で選ぶ
ラツィオ州のワインでは、特に「マルヴァジア・デル・ラツィオ」と「トレッビアーノ」という二大品種が有名です。
これらのブドウはラツィオ州の気候や土壌に適しており、特有の風味や味わいを持っています。
ラツィオ産ワインが気になるけど、何から選べば良いかわからない方は、まずこの2つから試してみるとよいでしょう。
格付けで選ぶ
イタリア産ワインの品質は、法律によって3段階に分類されています。
最も品質が高いものはDOP(原産地呼称保護ワイン)、次がIGP(地理表示保護ワイン)、もっとも手頃なものがVino(地理的表示なしワイン)です。
これらの格付けはワインの品質や生産地域を示しているので、初めてイタリアワインを手に取る方でも選びやすくなりますよ。
味わいで選ぶ
ワインの味わいに好みがある方は、自分の舌に合った銘柄を探すのもおすすめです。
甘口のワインがお好みなら、「D.O.C.G.カンネッリーノ・ディ・フラスカーティ」がおすすめ。
一方、辛口を求める方には、「エスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンテフィアスコーネ」や「フラスカティ スペリオーレ」がぴったりですよ。
【ソムリエ監修】ラツィオでおすすめの白ワイン銘柄10選
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日常使いにおすすめ!予算2,000円以下のラツィオ白ワインベスト5
商品画像 | |||||
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商品名 | エスト!エスト!!エスト!!! ディ・モンテフィアスコーネ D.O.C."サン・フラヴィアーノ" | マルヴァジーア プンティナータ ローマ 2016 | カストレ ベッローネ ラツィオ 2016 チンチンナート | ファランギーナ ベネヴェンターノ | フラスカーティ・スペリオーレ セッコ2017 |
詳細 | アルコール度数 12.5 % 味わい 辛口 果実 トレッビアーノ・トスカーノ、マルヴァジーア・ビアンカ | 味わい 中口〜 辛口 果実 マルヴァジーア100% | 味わい 辛口 果実 % ベッローネ100% | 味わい 辛口 果実 ファランギーナ100% | アルコール度数 13.0 % 味わい 辛口 果実 マルヴァジア70%、トッレビアーノ20%、ソーヴィニヨン10% |
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比較的手頃な価格のワインがそっているラツィオ州の白ワイン。普段使いのものをお探しであれば、2,000円の予算でも十分おいしい白ワインを探すことができます。
1位:エスト!エスト!!エスト!!! ディ・モンテフィアスコーネ D.O.C.”サン・フラヴィアーノ”
エスト!エスト!!エスト!!! ディ・モンテフィアスコーネ D.O.C."サン・フラヴィアーノ"
味わい 辛口
果実 トレッビアーノ・トスカーノ、マルヴァジーア・ビアンカ
1956年に設立されたカンティーナ・ディ・モンテフィアスコーネ協同組合が誇る逸品です。
ボルセーナ湖の美しい南岸、モンテフィアスコーネ地域で大切に育てられたブドウの中から、最も品質の高いものだけを選び出して製造されています。
白い花の繊細な香りと、洋ナシのような果実味が特徴的。
さらに、火山性の土壌からくるミネラル感と、爽快な酸味が絶妙に組み合わさっています。
口の中でフレッシュで軽やかな感触を楽しみながら、バジルの香りが広がる辛口の味わいを堪能できます。
さまざまなフードによく合う味で、とくに魚のフリットとのペアリングは絶品ですよ。
香り | フェンネル、ピーチ |
酸味 | ★★★★★ |
ボディ | ★★☆☆☆ |
2位:マルヴァジーア プンティナータ ローマ 2016
マルヴァジーア プンティナータ ローマ 2016
果実 マルヴァジーア100%
ローマの周辺、標高200〜400mの丘陵地で大切に育てられたブドウから造られたワインです。
火山性でカリウムが豊富に含まれた土壌で育ったブドウが、独特の味わいを生み出しています。
澱とともに長い期間熟成させることで、その香りは一層高まり、深みのある白ワインに仕上がります。
香り | レモン、石灰 |
酸味 | ★★★★★ |
ボディ | ★★☆☆☆ |
3位:カストレ ベッローネ ラツィオ 2016 チンチンナート
カストレ ベッローネ ラツィオ 2016 チンチンナート
果実 % ベッローネ100%
チンチンナートとは地元の土着品種を大切にし、その土地の特色を活かしたワイン造りを追求する協同組合です。
「カストレ ベッローネ ラツィオ 2016」は、コリ地区の特有の土着品種、ベッローナを使用して製造されたワイン。
黄桃を思わせる果実味と、アーモンドやナッツの香ばしい香りが絶妙に組み合わさった味わいが特徴的です。
魚介のグリルやカルボナーラとのペアリングが抜群で、日常の食卓にもぴったりのワインです。
香り | リンゴ、ハーブ |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★☆☆☆ |
4位:ファランギーナ ベネヴェンターノ
ファランギーナ ベネヴェンターノ
果実 ファランギーナ100%
ポッジョ・レ・ヴォルピはフラスカーティやサリーチェ・サレンティーノといった人気ワインを数多く手掛ける名門ワイナリーです。
その中でもこの「ファランギーナ ベネヴェンターノ」は、マンゴーやその他のトロピカルフルーツの風味が感じられる一本。
フレッシュな酸味とのバランスが絶妙で、爽やかながらも甘さ控えめの味わいが特徴です。
魚介料理と相性が良いので、食事の際にぜひ楽しんでいただきたい一本です。
香り | パイナップル、アカシアの花 |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
5位:フラスカーティ・スペリオーレ セッコ2017
フラスカーティ・スペリオーレ セッコ2017
味わい 辛口
果実 マルヴァジア70%、トッレビアーノ20%、ソーヴィニヨン10%
フラスカーティは、ローマの歴史に深く根ざした、愛され続ける白ワインです。
花々の香りが広がり、フルーティーでありながらも辛口の味わいが特徴。
白身魚のソテーやリゾットと合わせて楽しむ飲み方が人気ですよ。
香り | 洋梨、スイカズラ |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★☆☆☆ |
特別な日にぴったり!2,000〜5,000円のラツィオ白ワインベスト5
商品画像 | |||||
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商品名 | フォンタナ カンディダ ローマ ビアンコ 2016 | ルスクム[2016]モナステーロ・ディ・ヴィトルキアーノ | カザーレ・デル・ジリオ ラツィオ プティ・マンサン | ドンナルーチェ 2017 ポッジョ レ ヴォルピ | レ・コステ ビアンケット |
詳細 | アルコール度数13 % 味わい 辛口 果実 マルヴァジーア65%、ボンビーノ25%、グレコ10% | アルコール度数 13.0% 味わい 辛口 果実% トッレビアーノ45%、マルヴァジーア35%、ヴェルディッキオ20% | アルコール度数 13 % 味わい 辛口 原産国名 イタリア メーカー名 メモス | アルコール度数 13 % 味わい 辛口 果実 マルヴァジア(60%)、グレコ(30%)、シャルドネ(10%) | 果実 プロカニコ、マルヴァジーア、ロシェット、ヴェルデッロ、 ペティーノ、ロマネスコ |
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フォンタナ カンディダ ローマ ビアンコ 2016
味わい 辛口
果実 マルヴァジーア65%、ボンビーノ25%、グレコ10%
1位:フォンタナ カンディダ ローマ ビアンコ 2016
アジア最大級のワイン評価会「ジャパン・ワイン・チャレンジ」で、2016年に金賞を獲得した逸品です。
口に含むと花やフルーツの香りが広がり、ミネラル感がしっかりと感じられる一方で、ブドウ固有の甘さが後味に残ります。
フェットチーネ・アルフレードやペコリーノチーズを使ったローマの伝統料理とのペアリングは絶品です。
香り | 白桃、白花 |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★★☆☆ |
2位:ルスクム[2016]モナステーロ・ディ・ヴィトルキアーノ
ルスクム[2016]モナステーロ・ディ・ヴィトルキアーノ
味わい 辛口
果実%
トッレビアーノ45%、マルヴァジーア35%、ヴェルディッキオ20%
ヴィトルキアーノの歴史的な修道院で造られ、ラツィオ州の真髄を感じさせるワインです。
古代からの有機農法を守り、農薬を一切使用せずにブドウを栽培するという、真摯な姿勢が特徴的。
果皮から来る力強さとタンニンが際立つドライな味わいが人気です。
時間とともにさらに味が深みを増すので、じっくりと時間をかけて楽しむのがおすすめですよ。
香り | グレープフルーツ、洋梨 |
酸味 | ★★★★★ |
ボディ | ★★☆☆☆ |
3位:カザーレ・デル・ジリオ ラツィオ プティ・マンサン
カザーレ・デル・ジリオ ラツィオ プティ・マンサン
味わい 辛口
原産国名 イタリア
メーカー名 メモス
完熟したプティ・マンサンのブドウだけを使用して、丹念に造られたワインです。
オリとともに次の春まで熟成させることで、フルーティな香りと火打ち石のような独特のミネラル感が絶妙に結びつきます。
特にアクアパッツァとのペアリングは格別で、ワインの魅力を最大限に引き出してくれますよ。
香り | 白桃、りんご蜜 |
酸味 | ★★★★★ |
ボディ | ★★★☆☆ |
4位:ドンナルーチェ 2017 ポッジョ レ ヴォルピ
ドンナルーチェ 2017 ポッジョ レ ヴォルピ
味わい 辛口
果実 マルヴァジア(60%)、グレコ(30%)、シャルドネ(10%)
1970年代に設立されたポッジョ・レ・ヴォルピが生み出すこのワインは、ラツィオ州を中心にプーリア州やカンパーニャ州でも名を馳せています。
人気の理由は、コスパの良さと一貫した品質の高さ。
熟れたブドウの香りとアーモンドやバニラの微細な風味が特徴的で、クリームを使用した濃厚な料理とよくマッチします。
香り | 洋梨、アーモンド |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★☆☆☆ |
5位:レ・コステ ビアンケット
レ・コステ ビアンケット
農薬や堆肥を使わない純粋な農法により、最高のブドウを収穫することに情熱を注いだワインです。
果実の豊かな味わいとしっかりした酸味が絶妙に調和した、バランスの取れた味わいが特徴的です。
香り | 洋梨、りんご |
酸味 | ★★★★☆ |
ボディ | ★★☆☆☆ |
ラツィオの白ワインを一度試してみよう!
今回はイタリアワインの名産地、ラツィオ州の白ワインについてまとめました。
ラツィオ州の地中海気候と火山性土壌で育ったブドウから造られた白ワインは、すっきりとした味わいと手頃な価格が特徴的。
まずは代表的な「フラスカーティ」や「エスト・エスト・エスト・ディ・モンテフィアスコーネ」から楽しんでみてくださいね。
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