ラツィオは生産量の8割が白ワインが占める、白ワインの名産地です。
代表的な「フラスカーティ」、「エスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンテフィアスコーネ」など有名なワインも多いですね。
今回は、ラツィオの白ワインの特徴から、おすすめのワインをご紹介します。
目次
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ラツィオの白ワインの特徴
ラツィオの白ワインは親しみやすいシンプルな味わいが特徴で、お値段もお求め安く気楽さがあります。
気候
ラツィオ州の州都であるローマは、イタリアの州都の中でも最も日照時間と晴れの日の多い街で、非常に気候に恵まれています。
ラツィオ周辺の丘陵地帯や湖は火山性のもので、土壌も火山性土壌が多く見られます。
最近、火山性の土地で育ったブドウから造られるワインは「ヴォルカニック・ワイン」と呼ばれ、ミネラルを多く含む個性を持つワインとして注目されています。
品種
ラツィオの白ワインの代表的な品種はマルヴァシアとトレッビアーノです。
ラツィオでは25の白ワインが「DOC」または「DOCG」として存在していますが、そのうちの23はマルヴァジアとトレッビアーノを含んだブドウで造られており、そのほとんどがその2種類を含んだ複数のブドウのブレンドで造られています。
その代表格である「フラスカティー」は辛口から甘口まで味わいが幅広く、さまざまな料理に合わせられるので、どんなシーンにもしっくりくるワインです。
その他では大変特徴的な銘柄の「エスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンティフィアスコーネ」です。
ラツィオ州におけるワイン造りの歴史は古く、紀元前10世紀頃にはすでにワインが造られていたといわれています。
ラツィオ州は白ブドウの生産が盛んで、その量は生産されるブドウのうち約72%(2016年)を占めるほど。
丘陵地帯の日当たりのよい斜面で、白ワイン品種としてマルヴァジア種やトレッビアーノ種などが栽培されています。
エスト・エスト・エスト・ディ・モンテフィアスコーネ
ヴィテルボ県のモンテフィアスコーネ周辺で生産されるワインで、1966年にDOCに認定されました。このワインは、モンテフィアスコーネにあるDOCエリアで栽培されたブドウを使用すること、アルコール度数は11%以上であることなどさまざまな決まりがあります。
使用するブドウの品種は、トレッビアーノ種65%以上、マルヴァジア・ビアンカ種20%、ロゼット種15%未満です。
フラスカーティ
フラスカーティの生産地は、ローマの南東にあるアルバーニ丘陵。この生産地にはフラスカーティのほか、グロッタフェッラータやモンテ・コンパトリなどが含まれます。
アルバーニ丘陵は、カリウムを豊富に含む火山性土壌、気候は地中海性気候に区分され、温暖で乾燥した気候が秋まで続きます。質のよいワインは、ブドウ栽培に適した土壌と気候によって造られるといっても過言ではないでしょう。
フラスカーティは、1966年にDOCワインとして認定。ローマ周辺では最もポピュラーなワインの1つで、古代ローマ時代から銘酒として愛され続けているワインです。
ラツィオの白ワインの選び方
品種で選ぶ
ラツィオ州で栽培されている白ブドウの代表的な品種「マルヴァジア種」と「トレッビアーノ種」について詳しく紹介します。
マルヴァジア
トレッビアーノとブレンドして使用される品種です。ラツィオの白ワインには欠かせない品種であると言えます。
マルヴァジアは一般的な白の辛口として単一で醸造されることは少なく、ポルトガルのマデイラワイン(甘口)の原料としても有名です。
マルヴァジア種の特徴は、栽培される場所によって味わいが異なります。丘陵地帯で栽培されたものは、桃や杏の香りを放つ黄色がかった麦わら色のワインに。一方、平野部で栽培されたものは、レモンの香りがある緑がかった麦わら色になります。
トレッビアーノ種
トレッビアーノ種は、地中海東部や中東が原産の白ブドウで、イタリアにはローマ帝国時代に伝わりました。
ラツィオ州では、トレッビアーノ・トスカーナ、トレッビアーノ・ジャッロ、トレッビアーノ・ロマニョーロの3種類が栽培されています。
フレッシュさが特徴で早いのみタイプの白ワインに向いた品種です。軽めでシンプルなワインに仕上がります
格付けで選ぶ
イタリアのワインのボトルネックを見ると、白い紙が巻かれていることがあります。ここにはイタリアの政府がその品質を保証した「DOC」や「DOCG」の文字が記されており、イタリアワインを選ぶ際の指標になります。
エスト・エスト・エスト・ディ・モンテフィアスコーネ (DOC)
「エスト!」はラテン語で「ある!」という意味で、イタリアに旅に出た司教が、従者に先に行って美味しいワインのある所には「エスト!」と記しておくようにと命じ、従者はモンティフィアスコーネ村でとても美味しいワインに出会いそれを3回も書き残したということです。
穏やかな酸と丸みのある味わいで心地よい飲み心地です。
フラスカーティ(DOC)
地元ローマでは肉料理とも合わせるという白ワイン。親しみやすく、丸みのある味わいが特徴。
ご自宅使いなら、鶏の手羽先やにんにくが控えめな餃子と合わせてもよいですし、レストランなどでオーダーするなら魚介のカルパッチョやグリル、生ハムとあわせると良いでしょう。
フラスカティスペリオーレ(DOCG)
ローマ近郊の「カステッリ・ロマーニのワイン」と呼ばれるワイン。
フラスカティの中でも、一番厳しい生産基準をクリアしたもので辛口の白ワインとなっています。自分への特別なご褒美として飲んで頂きたいワインです。
カンネッリーノディフラスカティ(DOCG)
遅摘みの糖度の上がったブドウから造られる甘口のワイン。デザート感覚でスルスルと飲めるので、お食事のあとにフルーツなどとのマリアージュがおすすめの味わいです。
ラツィオのおすすめ白ワイン10選
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日常使いにおすすめ!予算2,000円ベスト5
比較的手頃な価格のワインがそっているラツィオ州の白ワイン。普段使いのものをお探しであれば、2,000円の予算でも十分おいしい白ワインを探すことができます。
5位
フラスカーティ・スペリオーレ セッコ2017
味わい 辛口
果実 マルヴァジア70%、トッレビアーノ20%、ソーヴィニヨン10%
フラスカーティは、ローマで古くから飲まれているポピュラーな白ワイン。花のような香りとフルティーな辛口の味わいは、白身魚のソテーやリゾットとの相性バッチリです。
4位
ファランギーナ ベネヴェンターノ
果実 ファランギーナ100%
このワインを手がけているポッジョ・レ・ヴォルピは、フラスカーティをはじめサリーチェ・サレンティーノなどの人気のあるワインを多く生産しているワイナリー。
マンゴーなどトロピカルフルーツの果実味と、フレッシュな酸味のバランスがよい白ワインです。爽やかで甘すぎない味わいが、魚介料理とよくあいます。
3位
カストレ ベッローネ ラツィオ 2016 チンチンナート
果実 % ベッローネ100%
チンチンナートは、土着品種の栽培に特化し、地域に根ざしたワイン造りを行なっている協同組合です。このワインは、チンチンナートがあるコリ地区周辺で栽培されている土着品種ベッローナで造られています。
黄桃のような果実味と、アーモンドやナッツのような香ばしい香りがあり、ミネラル感が長く残るワインです。魚介類のグリルやカルボナーラとの相性がよく、日常使いのワインとしておすすめです。
2位
マルヴァジーア プンティナータ ローマ 2016
果実 マルヴァジーア100%
ローマ周辺の標高200〜400mの丘陵地にある畑で栽培されたブドウを使用しています。カリウムが豊富に含まれる火山性土壌が、ワインの味わいに影響を与え、さらに澱と一緒に長期間寝かせることによって香り高い白ワインに仕上がっています。
1位
エスト!エスト!!エスト!!! ディ・モンテフィアスコーネ D.O.C."サン・フラヴィアーノ"
味わい 辛口
果実 トレッビアーノ・トスカーノ、マルヴァジーア・ビアンカ
1956年に設立されたカンティーナ・ディ・モンテフィアスコーネ協同組合が生産しているDOCワイン。ボルセーナ湖の南岸のモンテフィアスコーネで栽培されたブドウを生産者が持ち寄り、その中の質のよいブドウだけを使用して造られました。
白い花の香りと洋ナシを思わせる果実味、火山性土壌由来のミネラルと爽やかな酸味を味わうことができます。口当たりはフレッシュで軽く、バジルの香りが口に広がる辛口ワイン。魚のフリットによくあいますよ。
2,000円以下のラツィオ白ワイン比較表
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商品名 | エスト!エスト!!エスト!!! ディ・モンテフィアスコーネ D.O.C."サン・フラヴィアーノ" | マルヴァジーア プンティナータ ローマ 2016 | カストレ ベッローネ ラツィオ 2016 チンチンナート | ファランギーナ ベネヴェンターノ | フラスカーティ・スペリオーレ セッコ2017 |
詳細 | アルコール度数 12.5 % 味わい 辛口 果実 トレッビアーノ・トスカーノ、マルヴァジーア・ビアンカ | 味わい 中口〜 辛口 果実 マルヴァジーア100% | 味わい 辛口 果実 % ベッローネ100% | 味わい 辛口 果実 ファランギーナ100% | アルコール度数 13.0 % 味わい 辛口 果実 マルヴァジア70%、トッレビアーノ20%、ソーヴィニヨン10% |
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特別な日に2,000〜5,000円ベスト5
5位
レ・コステ ビアンケット
このワインの造り手ジャン・マルコは、農薬や堆肥などを一切使わない農法にこだわりを持ち、良質なブドウを収穫するために妥協せず努力を惜しみません。ブドウの持つ果実味としっかりとした酸味のバランスがよい白ワインです。
4位
ドンナルーチェ 2017 ポッジョ レ ヴォルピ
味わい 辛口
果実 マルヴァジア(60%)、グレコ(30%)、シャルドネ(10%)
このワインを手がけるのは、1970年代に創設されたポッジョ・レ・ヴォルピ。このワイナリーは、ラツィオ州をはじめプーリア州やカンパーニャ州でもワインを生産し、コスパと品質のよさで高い人気を誇っています。
熟したブドウの香りと、アーモンドやバニラの風味を感じられる白ワインです。クリームを使用したコクのある料理との相性が抜群です。
3位
カザーレ・デル・ジリオ ラツィオ プティ・マンサン
味わい 辛口
原産国名 イタリア
メーカー名 メモス
完熟したプティ・マンサンを100%使用して造られた白ワインです。オリと一緒に次の春まで熟成させた味わいは、フルーティさと火打ち石を思わせるミネラル感を感じることができます。アクアパッツァと相性抜群です。
2位
ルスクム[2016]モナステーロ・ディ・ヴィトルキアーノ
味わい 辛口
果実%
トッレビアーノ45%、マルヴァジーア35%、ヴェルディッキオ20%
ラツィオ州のヴィトルキアーノにある修道院内で生産されている白ワイン。ブドウ栽培は、昔ながらの有機農法で、農薬は使用しないというこだわり。果皮由来の独特の強さとタンニンを感じられるドライな味わいが特徴的です。
時間の経過ともに変化する味わいを感じることができるため、時間をかけてゆっくりと飲むことをおすすめします。
1位
フラスカーティの生産者として有名なフォンタナ・カンディダ社は、年間800万本のワインを生産する大規模ワイナリーです。大規模なワイナリーですが、厳選したブドウのみ使用し丁寧に醸造することによってブドウの持つ味わいを表現することにこだわっています。
このワインは、2016年のジャパンワインチャレンジで金賞を受賞しました。
フォンタナ カンディダ ローマ ビアンコ 2016
味わい 辛口
果実 マルヴァジーア65%、ボンビーノ25%、グレコ10%
花やフルーツのような香りとしっかりと感じられるミネラル感、ブドウの持つ自然な甘さが余韻に残ります。フェットチーネ・アルフレードやペコリーノチーズを使用したローマ伝統料理との相性抜群です。
2,000円~5,000円のラツィオ白ワイン比較表
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
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商品名 | フォンタナ カンディダ ローマ ビアンコ 2016 | ルスクム[2016]モナステーロ・ディ・ヴィトルキアーノ | カザーレ・デル・ジリオ ラツィオ プティ・マンサン | ドンナルーチェ 2017 ポッジョ レ ヴォルピ | レ・コステ ビアンケット |
詳細 | アルコール度数13 % 味わい 辛口 果実 マルヴァジーア65%、ボンビーノ25%、グレコ10% | アルコール度数 13.0% 味わい 辛口 果実% トッレビアーノ45%、マルヴァジーア35%、ヴェルディッキオ20% | アルコール度数 13 % 味わい 辛口 原産国名 イタリア メーカー名 メモス | アルコール度数 13 % 味わい 辛口 果実 マルヴァジア(60%)、グレコ(30%)、シャルドネ(10%) | 果実 プロカニコ、マルヴァジーア、ロシェット、ヴェルデッロ、 ペティーノ、ロマネスコ |
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ラツィオの白ワインまとめ
ラツィオ州は、ローマを中心に古代ローマ時代から政治や経済の中心として栄えてきた歴史ある州です。ローマでは紀元前10世紀頃にはすでにワイン造りが行われており、イタリア国民にとってワインは身近な存在であるといえるでしょう。
ワイン生産量はそれほど多くはありませんが、地中海性気候と火山生土壌で育った白ブドウから造られるワインは、すっきりとした辛口で軽くて飲みやすいものが多く、価格も手頃なものがそろっています。
ラツィオ州の代表的な白ワインである「フラスカーティ」や「エスト・エスト・エスト・ディ・モンテフィアスコーネ」も比較的安価です。予算に応じてさまざまな白ワインを選んでみてはいかがでしょうか。
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