【ソムリエ解説】アルザスのワインについて学ぼう!産地、銘柄、おすすめのワインまで

2019/01/01
ワインの基礎知識

ソース

フランスのアルザス地方は、フランスの中でも独特なスタイルのワインを造る地域です。ドイツの国境に近いという土地柄からドイツ文化の影響を強く受け、生産されるワインにもその影響が反映されています。

アルザスで造られるワインの90%以上は白ワインです。辛口ワインが大半を占めますが、甘口やスパークリングワイン、赤ワインも少ないながら良質なものが生産されています。

一般的なフランスワインのイメージとはひと味違う、アルザスワイン。その歴史や特徴、どのような品種が栽培されているかなど、詳しく解説していきます。

試してみたいけどどれを選んでいいのかわからないという人に、これだけは押さえておきたい有名なアルザスワインもご紹介しましょう!

記事の監修者

杉浦 直樹

J.S.A認定ソムリエ

歌舞伎役者として人間国宝 中村雀右衛門に師事。15年ほど主に歌舞伎座に舞台出演。 その後銀座のクラブマネージャーを経て、J.S.A認定ソムリエ資格を取得。 現在は支配人兼ソムリエとして、ブルゴーニュとシャンパーニュの古酒を専門としたフレンチレストランを経営する。

アルザスのワインの歴史

ライン川流域にあるアルザスは、フランスの中でも特に古くから繁栄していました。ワイン商人が活躍し、ワイン造りも活気に満ちていたのです。

その後30年戦争や2つの大戦を経て一時衰退していたワイン造りは盛り返し、今日に至っています。

アルザス地方のAOCの制定は他の地方に比べてやや遅く、1962年にAOCアルザスが認定され、そのあとにAOCアルザス・グラン・クリュ、AOCクレマン・ダルザスと続けて格付け認定されています。

アルザスのワインの特徴

アルザスはフランスの北東部、ライン川を挟んでドイツと国境近くに位置します。そのためさまざまな文化の影響を受け、ワインについてもブドウ品種やボトルの形状など、ドイツと共通するものが少なくありません。

アルザスはヴォージュ山脈に沿って170kmに及ぶワイン街道があり、ブドウ栽培に適した気候の中で優れたワインが造り出されています。

造られているワインの9割が白ワインで、リースリング、ゲヴュルツトラミネール 、ミュスカなどが主な原料です。

多くのワインは単一品種で造られ、ボトルには品種名が記載されているという特徴があります。ボトルは細長いフルートタイプで特徴的なデザイン。こちらもドイツの影響を受けています。

アルザスのワインは繊細で爽やかな酸、透明感のある味わいが特徴。若飲みタイプから長期熟成された深い味わいのワインまで、バリエーション豊富です。

アルザスのワイン品種

アルザスワインに使われるブドウ品種は、ドイツと共通するものが多くあります。

赤ワインの品種

ソース

全体で1割と少ない赤ワインに使われるのは、ピノ・ノワールです。

ブルゴーニュ地方の代表的な赤ワイン用品種で、明るい透明感のあるルビー色、イチゴのような香りのワインができあがります。

エレガントな酸とタンニン控えめで、果実味豊かな繊細な味わい。その多くがライトボディのワインになりますが、最近では樽で長期熟成させた、しっかりした骨格の濃厚なワインも増えてきています。

白ワインの品種

ソース

アルザスワインの大半を占める白ワインは、主に次の4つの品種で造られています。

  • リースリング
  • ケヴュルツトラミネール
  • ミュスカ
  • ピノ・グリ

リースリングはドイツ原産の高級品種で、現在アルザスで一番多く栽培されている品種です。上品な香りと力強い味わいのワインに仕上がります。

ケヴュルツトラミネールは、エキゾチックな香りが個性的な品種です。スパイシーでコショウのニュアンスが、独特の複雑さを醸し出します。

ミュスカはマスカットのことで、香り高く、果実味豊かな辛口ワインになります。

ピノ・グリはピノ・ノワールから派生した品種で、コクがありバランスの良いワインに仕上がります。

これら4つの品種は、それぞれ単一品種で造られることがほとんど。少ないながらブレンドされている個性的なワインもあり、また違った味わいが楽しめます。

アルザスのワインの産地

ソース

アルザスワインの主な産地は、ライン川とヴォージュ山脈に挟まれた地域です。ヴォージュ山脈沿いに、ワイン街道と呼ばれる170kmに及ぶ産地があります。

この地域はヴォージュ山脈によって西から吹く冷たい風が遮られ、温暖で降雨量が少ない気候です。

気候が安定しているので、悪天候に悩まされずにブドウを育てることができます。さらに、標高が高いことから寒暖の差が激しく、糖度の高い優れたブドウが育ちます。

さらに、ブドウ畑は花崗岩質や粘土質、石灰質など、多様な土壌が形成されているという特徴も。これらアルザス特有のテロワールが、凝縮感のある個性的なワインを造りだしているのです。

有名なアルザスのワインって?

アルザスワインとして、これだけは押さえておきたいという代表的なワインをご紹介しましょう。

トリンバック リースリング・レゼルヴ

トリンバック リースリング・レゼルヴ


トリンバックは1626年に創業し、4世紀13代に渡ってワイン造りに携わってきた名門ワイナリーです。フランスのミシュラン3つ星レストランのすべてで採用されている、唯一のアルザスワイン。その品質は国内外で高い評価を受けています。

レゼルヴ・シリーズの中でもとくに評価の高い、リースリングを使用した辛口の白ワインです。リボヴィレ地区で栽培された上質な完熟ブドウのみを厳選して造られます。

輝きのある淡い黄色で、みずみずしい白桃やアカシアの花、レモンの皮を思わせるフレッシュな香りが漂います。

グレープフルーツや白桃のフレッシュな味わいに、しっかりとした酸とミネラル。ほのかな苦味のある長い余韻が続きます。

繊細で深い味わいで、トリンバックが世界最高峰のリースリングの造り手であることを実感できるでしょう。

上品で緻密に造り込まれているため、さまざまな料理に合わせて楽しむことができます。ザワークラウト、魚のフライ、焼き魚、刺身などに合わせてどうぞ。プレゼントにも最適です。

 

ローラン・シュミット ゲヴュルツトラミネール グラン・クリュ アンジェルベルグ

ローラン・シュミット ゲヴュルツトラミネール グラン・クリュ アンジェルベルグ


ローラン・シュミットは、ストラスブールの西、ベルグビエテン村に17世紀から続くワイナリーです。

手ごろな価格ながら、幅広い世代のトップ・ソムリエに絶賛されるほど優れたワインを造ることで有名。アルザス・ハイコスパワインの代表格としての名声を築いています。

グラン・クリュの畑で収穫されたゲヴェルツトラミネールを100%使用。土壌由来のスモークしたような香りと品種特有のライチや桃、アカシアの花の香りが魅力です。美しい酸とコクのあるミネラルがバランスよく、繊細な味わいが楽しめます。

週末のゆっくりした時間に、じっくりと味わいたい極上の1本。特別な日やお祝いの席に添えれば、贅沢な時間を演出してくれるでしょう。

 

キュヴェ レオン・ベイエ


アルザスの教皇と呼ばれるワイナリー、レオン・ベイエの造る辛口ワインです。

リースリングとミュスカをメインに、ピノ・ブラン、シルヴァネールをブレンド。ミネラル感溢れ、りんごやレモン、スパイスを感じさせる香り。ジューシーでミントのような味わいです。レモネードのような柑橘系の、生き生きとしたフレッシュさとキレが特徴。

軽めの味わいですが、輪郭はしっかりとして存在感もタップリ。しっかりした辛口で、気分をリフレッシュさせてくれます。来客にもてなせば、とても喜ばれるでしょう。

アルザスのワインおすすめ

ここまでアルザス産のワインに関して、解説しましたが、気になるのはどのアルザス産ワインがオススメなのかでないでしょうか。

アルザス産のワインをAmazonや楽天で調べると10万件以上ヒットします。

これではどれを選べばよいか迷ってしまう方がほとんどかと思います。

そこで今回、おすすめのアルザス産ワインをまとめたのでぜひ、参考にしてみてください。

好みの一品が必ず見つかると思います。

白ワインがお好みの方をコチラを

>ソムリエ厳選!フランスの白ワインおすすめ15選!

まとめ

アルザスのワインについて、ご紹介しました。

ドイツと国境を接することから、フランスワインとは異なる独特の個性を持つアルザスワイン。そのほとんどが白ワインで、アルザスの独特なテロワールに育まれた個性的な味わいを楽しむことができます。

手ごろな価格が多いので、ぜひいろいろなアルザスワインを試してみてください!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

関連記事

【ソムリエ解説】オーストラリアのワインについて学ぼう!特徴、有名なワイン、おすすめのワインまで

ソース オーストラリアはワイン生産量も輸出量も上位に入るワイン大国です。世界で初めてボトルのラベルにぶどうの品種を

【ソムリエ解説】イタリアのワインについて学ぼう!産地、銘柄、おすすめのワインまで

ソース 長靴の形をしたワイン大国、イタリア。南北に長く、3方を海に囲まれた恵まれた環境から、「エノトリアテルス」(ワ

【ソムリエ解説】ボルドーのワインの魅力!おすすめのワインも紹介

ソース ボルドーワインが長きに渡りフランスワイン界をリードし、世界中のマーケットを魅了し続ける理由はどこにあるので

【ソムリエ監修】ヴェネトのワインの魅力を解説!おすすめのワインまで紹介

ソース ヴェネトは水の都ヴェネツィアを州都とする観光名所。ワインの生産量もイタリアでトップクラスを誇る生産地です。

【ソムリエ監修】オーストリアのワインの魅力を解説!特徴からおすすめのワインまで紹介

ソース オーストリアのワイン生産量は世界全体の1%ほどと少ないですが、品質の高いワインが多く造られています。 と

【ソムリエ監修】マコンのワインの魅力を解説!おすすめのワインも紹介!

ソース マコンはフランス・ブルゴーニュ地方のマコネ地区にあるワイン産地で、シャルドネを中心にした辛口の白ワインで有

【ソムリエ監修】チリのワインの魅力を解説!特徴からおすすめのワインまで紹介

ソース は日本の地球の反対側にある南米大陸にある「チリ」は世界的に有名なワイン生産国として知られています。 チリワイ

【ソムリエ監修】モーゼルのワインの魅力を解説!おすすめワインまで紹介

モーゼルはドイツのワイン生産地の中で5番目の規模を持っており、かつもっとも古い産地であると言われています。 モーゼル川

【ソムリエ解説】スペインのワインについて学ぼう!産地、銘柄、おすすめのワインまで

スペインやフランスに並ぶ、世界有数のワイン大国、スペイン。ブドウの栽培面積については常に世界1~2を争い、生産量は世

【ソムリエ監修】ドイツのワインの魅力を解説!おすすめワインまで紹介

ソース 日本では甘口の白ワインのイメージが強いドイツ。現在は辛口の白ワインを中心に、さまざまなタイプのワインが生み

 

TOP


特集記事

【ワインエキスパート執筆】オレンジワインとは?特徴とおすすめ10選まで紹介

【ソムリエセレクト】おすすめのワイングラス15選!種類とブランドも紹介

【濃厚な甘口ワイン】アイスワインをソムリエが解説!美味しい飲み方、おすすめワインを紹介

【ソムリエ厳選】相性抜群! チーズに合うおすすめワイン14選

貴腐ワインって?美味しい飲み方、おすすめの貴腐ワインをソムリエが紹介