【ソムリエ解説】オーストラリアのワインの特徴は?産地、品種、有名銘柄を解説!

2019/04/19
ワインの基礎知識

オーストラリアはワイン生産量も輸出量も上位に入るワイン大国です。

世界で初めてボトルのラベルにぶどうの品種を表示することを義務付けました。

このように消費者重視の姿勢も世界中でオージーワインが支持される要因の1つでしょう。

日本のスーパーなどでも見かけるの多いオーストラリアのワインの特徴やおすすめをご紹介します。

記事の監修者

佐々木 健太

J.S.A. ソムリエ・エクセレンス

ソムリエ/年間受講者数日本一を誇るカリスマワインスクール講師  21歳でソムリエ資格を取得。南フランスにある一つ星レストラン「Keisuke Matsushima」にて研鑽を積み、帰国後は南青山「L’AS」を経て、株式会社WINE TRAILを創業。ワインのサブスク「HOME WiNE」を手掛ける。YouTubeチャンネル「ソムリエ佐々木」を運営。第9回全日本最優秀ソムリエコンクールファイナリスト。https://homewine.jp/

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オーストラリアのワインの特徴

オーストラリアワインの歴史は200年とまだ浅いですが、その分、近代的なぶどう栽培や醸造技術を取り入れるのが早く、良質のワインを生産しています。

オーストラリア特有のショーシステムがあり、各地で開催されるワインコンペティションでメダルを獲得すると、生産者はそのボトルに受賞したメダルのシールを貼って販売します。

ほとんどのワイン産地では、地元のワインや、食事、文化を楽しめるフェスティバルが毎年開かれます。

オーストラリアワインと言えば日本ではコスパ抜群のお手頃価格ワインとして有名です。

 

オーストラリアのワインの産地

南半球にあるオーストラリアの季節は、日本とちょうど反対です。

熱帯から温帯にかけて広がり、地域によって気候風土に特徴があります。

その中でもオーストラリア屈指ワインを生産している有名な産地をご紹介します。

 

最大のワインの生産地域 南オーストラリア州

オーストラリア最大のワインの生産地域です。全産出量の約50%を占めています。オーストラリアに存在する主要なぶどう栽培・ワイン醸造研究機関は南オーストラリア州に集中しています。

 

アデレード周辺には、200を超えるワイナリーがセラードア(ワインの直売所)を行っており気軽に様々なワイナリーのワインを試飲することができます。

 

オーガニックワインが多い ニュー・サウス・ウェールズ州

オーストラリアワイン発祥の地として知られ、最も歴史ある産地です。南オーストラリアに比べると生産量は少なくなりますが、州内に位置するハンター・バレーは白ワインの名産地となっています。

家族経営のワイナリーが多く、オーガニックやビオディナミに力を入れる生産者が多いのもこの地域の特徴です。

 

高品質の赤ワイン産地 西オーストラリア州

ワイン醸造の歴史はまだ40年と若い産地ですが、今では150以上のワイナリーがあり、高い評価を得ています。

小規模のワイナリーが多いですが高品質の赤ワイン産地として世界から評価を受けています。

 

洗練されたスパークリングの産地 ビクトリア州

冷涼地での栽培に適した品種を使った個性豊かなワイン産地が多数揃っているビクトリア州。オーストラリアでは珍しく州全域でブドウ栽培が可能な産地です。

小規模ワイナリーが多く、量よりも質を追求しているワイナリーがほとんどです。

洗練されたスパークリングの産地としても有名です。

 

オーストラリアの代表産地と特徴

オーストラリア全土には60ヶ所以上の認定ワイン産地があり、数々の受賞歴を誇る世界的に有名なワインを生産しています。

また、豊かな土壌に恵まれ、環境に合った100以上の品種のぶどうを育てることができます。

そのため、多種多様な食文化にあったバラエティ豊かなワインを造ることが可能となりました。

オーストラリアのワイン造りの盛んな州の中でも有名な産地を何個かご紹介します。

 

シラーズの首都 バロッサ・バレー

もし、オーストリアを代表するワイン産地を一つ挙げよと言われたら、迷わずバロッサ・バレーと答えましょう。南オーストラリア州の州都アデレード近郊に位置しており、銘醸地としてその名を轟かせています。

温暖で乾燥した気候に恵まれ、ジェイコブズ・クリークやペンフォールズなど大手を含む150を超えるワイナリーが集結しています。

オーストラリアで最も栽培量が多い黒ブドウ品種「シラーズ」の代表産地でもあることから、ソムリエ達の中では「シラーズの首都」と呼ばれています。

その一方でリースリングも有名で、本家ドイツに劣らない高品質な白ワインを生産しています。

 

オーストラリアもとい世界屈指のカベルネ・ソーヴィニヨンの産地 クナワラ

南オーストラリア州にあるクナワラですが、海が比較的近く、気候はボルドーと酷似しているとも言われています。ボルドーとの違いは雨量が少ないということです。

特にカベルネ・ソーヴィニヨンが有名な産地であり、ぶどうの果実を完全に熟させることができるクナワラのカベルネ・ソーヴィニヨンはオーストラリア最高とも評されています。

 

高品質ワインに特化  マーガレット・リバー

マーガレット・リバーは西オーストラリアの南西地域に位置します。

このエリアで作られるワイン生産量はオーストラリア全体のわずか約5%にすぎないにもかかわらず、オーストラリア有数のクオリティの高いワインが作られています。

マーガレットリバーのワインは、他の産地よりもヨーロッパに近いスタイルで造られます。

カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、さらにはソーヴィニヨン・ブランとセミヨンのブレンドワインが有名です。またオーストラリアには珍しく、シュナン・ブランも栽培しています。

 

上質なシャルドネ ヤラ・バレー

ビクトリア州にあるヤラ・バレーは50以上のワイナリーが点在し、オーストラリアを代表する産地のひとつです。

メルボルンから1時間ほどで、フランスの名門モエ・エ・シャンドンが設立したワイナリーもあり、観光客にとても人気です。

上質なブルゴーニュを彷彿とさせるシャルドネを使った白ワインや、スパークリングワインの産地として知られています。

 

 辛口のセミヨンで世界を驚かした ハンター・バレー

オーストラリアワイン最古の地、ニューサウスウェールズ州にある有名な産地がハンター・バレーです。

何といっても大注目なのが白ブドウ品種「セミヨン」です。

ブドウの収穫期に厚い雲に覆われるハンター・ヴァレーでは、雨を避けるようにして早い時期にセミヨンを収穫します。

その結果、10~11%と極めて低いアルコール度数と、生き生きとした酸味を有する稀有なキャラクターの白ワインとなります。

ライムのような柑橘系の香りが特徴ですが、10年以上の熟成のポテンシャルを有しており、そのようなワインは蜂蜜のような甘美な味わいのワインとなります。

オーストラリアのぶどう品種

オーストラリアで作られるぶどう品種は、世界的にもよく見られる品種ばかりです。

今でこそ有名なワインの産地であるオーストラリアですが、かつてこの国にはぶどう自体が存在しませんでした。イギリス人の入植者が初めてぶどうを持ち込んだと言われています。

オーストラリアは南半球にあるので、北半球よりも半年早い3月~4月ごろがぶどうの収穫時期です。

 

代表的なぶどう品種

上品な味わいのシラーズ

オーストラリアで最も代表的なぶどうの品種はシラーズです。オーストラリアでシラーズと呼ばれる品種はフランスではシラーと呼ばれます。

栽培する土地が違えば味わいも変わり、オーストラリアのシラーズは熟した果実味が前面に出るスタイルになります。骨格はしっかりしながら、滑らかなタンニンを持つ上品な味わいです。

また、オーストラリアではシラーズからやや甘口の赤い色調のスパークリングワインを生産しています。

ユニークなワインでありながらも泡はとても細やかで、熟成感のあるタンニンと伸びやかな酸を併せ持つクオリティーの高いワインとなっています。

 

果実味と清涼感が特徴のカベルネ・ソーヴィニョン

現在のオーストラリアでは、この品種は赤ワイン用ブドウ品種としてシラーズに次ぐ生産量を誇っています。

クワナラで造られたワインがオーストラリアのカベルネ・ソーヴィニヨンとしては初めて国際的に評価されました。

しっかりとした果実味とミントを感じる清涼感のある香りが特徴です。この品種は晩熟タイプで温暖な気候を好むため、暑く乾燥したオーストラリアでは良質なものを収穫することができます。

 

トロピカルで濃厚なシャルドネ

オーストラリアのシャルドネはトロピカルで濃厚なタイプが多いのが特徴です。フレッシュさを味わうというよりも樽の香りを付けたりとしっかりとした造りになります。

環境適応能力が非常に強いぶどう品種で、オーストラリア大陸にまたがって冷涼な地域から内陸の温暖地域まで多くの地域で栽培されています。

 

重量感のあるワインに セミヨン

樹勢が強く生産性の高い品種で、気候にかかわらず安定した収量が期待できます。

オーストラリアのハンター・ヴァレーのセミヨンは「ハンター・セミヨン」と呼ばれる独特のスタイルで、セミヨン100%の素晴らしい辛口ワインを生み出しています。

セミヨンは一見地味ですが、熟成によって花開くポテンシャルのあるぶどうです。

 

オーストラリアの有名なワイン銘柄

オーストラリアワインの有名なワインメーカーはたくさんありますが、その中でも日本でよく見かけるブランドをご紹介します。

お手頃価格のものが多いので機会があれば是非お手に取ってみてください。

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ペンフォールズ

ペンフォールズ マックス・シラーズ

詳細情報
オーストラリア、フルボディ、サッポロビール

医師ペンフォールズ氏が医療用ワインを醸造したことが始まりとされているワインメーカーです。

アメリカンオークとフレンチオークの旧樽で12ヶ月間熟成しています。ベリー系果実の香り、チョコレートと焙煎したコーヒーの香りが口いっぱいに広がり、どっしりとした土のようなタンニンと微かなオークの香りが感じられます。

買ってすぐ飲んでも美味しい、南オーストラリアの現代的なワインです。

>>ペンフォールズの詳細はこちらの記事から

 

ジェイコブス・クリーク

ジェイコブス・クリーク シャルドネ

詳細情報
オーストラリア、辛口/フルボディ、ペルノリカール

ジェイコブス・クリークでは上質なぶどうをキメ細かに栽培・管理するために自社栽培チームに加え、優れた技術力を持つ120以上のブドウ栽培農家と契約しています。

このシャルドネはレモンなどの柑橘系と熟した桃やメロンなどトロピカルフルーツの香りがします。また、ほのかなオーク樽のフレーバーが感じられます。

 

イエローテイル

イエローテイル カベルネ・ソーヴィニヨン

詳細情報
オーストラリア、ミディアムボディ、サッポロビール

このラベルのカンガルー(ワラビー)は見かけたことがあるのではないでしょうか。売上No.1のオーストラリアワインです。

豊かな味わいと香りを最大化させるため、果実が熟した状態になるのを待ってから収穫するスタイルです。

ブラックベリー、チョコレートのアロマとほのかなミントの香りが感じられる赤ワインです。力強い酸味と柔らかな果実の旨み、そしてまろやかで落ち着きのあるタンニンが楽しめます。

 

シャンドン

シャンドン ブリュット


世界で一番多く販売されているフランスのシャンパーニュ地方の「モエ・エ・シャンドン」のメーカーがオーストラリアのヤラヴァレーで造ったのがこの「シャンドン」です。

製法は本家のフランスと同じ伝統的な製法でぶどう品種もオーストラリア産の同じ品種を造りました。シャルドネ種とピノ・ノワール種を使って造り上げた正統派スパークリングワインです。

レモンやジャスミンの香りがし、桃とナッツの風味がフレッシュです。

オーストラリアのワイン まとめ

今回はオーストラリアワインの特徴とおすすめをご紹介しました。

親しみやすく奥の深いオーストラリアワインはバラエティに富んでいますので手に取りやすいワインだです。

オーストラリアは広いので土地によって土壌が変わり、同じ品種であってもワインの味わいも違います。各地域のワインを旅する気分で選んでみてはいかがでしょう。

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