【ソムリエ解説】日本ワインの特徴は?歴史から、産地、品種、を解説!

2019/04/19
ワインの基礎知識

最近日本で造られたワインも世界で注目を浴びています。日本ワインの味わいの特徴としては、日本の伝統的な料理と同じく「繊細さ」です。

実は日本には全部で200以上のワイナリーが存在しているんです。今まで世界的に評価の低かった日本ワインですが、近年ワイナリーの努力により世界から評価を受けるようになりました。

輸入ワインだけでなく、日本ワインの魅力も知ることで、ワインの楽しみの幅が広がるでしょう。

記事の執筆者

市川 かおり

日本ソムリエ協会認定 ソムリエ

都内のホテル、イタリアンレストランのサービスを経てソムリエ資格を取得。その後ワイン会社の営業として様々なワインと関わってきました。 今は子育てしながら自宅でピアノ教室を開いています。

日本ワインと国産ワイン

日本ワインと国産ワインは違う!?

日本ワインは日本で収穫されたぶどうだけを使って日本で造られたワインを指します。

日本ワインと国産ワインは別物です。

同じ日本で造られていますが、国産ワインは輸入したぶどうや濃縮果汁を使って日本で造られたものになります。

 

日本のワインの現状

 

日本の醸造用ブドウの生産量は年々増加傾向にあります。

「国産100%」が条件の日本ワインは従来からのブドウ農家の高齢化が進んでおり、増産に応えるのは難しい現状がありましたが、酒造大手は山梨県や北海道などで自社栽培に取り組み、増産に動き出しているようです。土地を整備してブドウ農園を開園するなどして、日本ワイン増産体制を整えています。

 

10年ほど前までは、日本ワインは世界のワインと比べて物足りないといわれることが多くありました。
製造の歴史が浅いことと、原料となる日本のぶどう品種の扱い方が難しかったためです。

ですが日本人の「もの造り」に対する熱意はさすがと言えます。

ぶどう品質の改良と醸造技術の向上により世界最大級のワインコンクールでアジア初のプラチナ賞を受賞するなど、着実に日本ワインの評価は上がっています。

このように日本においてもワインの生産量や技術が上がったことで、ワインのイベントも増えてきました。特に東京は人口が一番多いためワインの消費量も全国で一番です。定員が数百人規模となる大規模なワインイベントも多数開催されています。

 

日本ワインコンクールって?

日本で栽培されたぶどうを100%使用して生産されたワインを対象としたワインコンクールです。2003年に初開催されています。

日本ワイナリー協会などが主催し外務省や国税庁などが後援しています。

ワインメーカーにとってこのコンクールでの受賞が大きな目標となったり、国の公式行事などで各国の要人等に振舞われており、海外における日本ワインの認知度向上につながっています。

 

日本ワイン祭りって?

各都道府県の日本ワインをワインに合ったフードと共に楽しむことができるイベントです。

今年は東京の日比谷公園で開催でした。

日本ワインをグラスで気軽に楽しめるイベントとなっており、設立して間もない初参加のワイナリーもあるので出会ったことのない日本ワインも楽しめるようになっています。

日本ワインを楽しく学べるセミナーをはじめ、プレミアムなワインを飲み比べられるイベント等、様々な催しもあるようです。

 

日本のワインの歴史

日本のワイン造りは近代化を進める明治の殖産興業の一環として始まりました。

海外からワイン用のぶどうの苗を輸入するも上手くいかず、日本の風土に合わないと諦めてしまいました。そこで日本で1000年の歴史を誇る甲州種を原料とし、日本の風土に合った品種の開発にとりかかりました。そこで開発されたのが「マスカット・ベーリーA」です。

これを機に、日本ワインの動きは好転します。戦時中でもワイン造りは行われたと言われています。

そして大阪での日本万国博覧会を機に、日本人の食生活は欧米化が進み、ワインの消費量も増えました。

更にバブル期のボジョレー・ヌーボーの大流行を経て、現在の日本ではワインはごく身近なお酒となっています。

 

日本のワインの産地

日本ワインの産地はぶどうの収穫量が多い都道府県に集中しています。寒くなると凍るのを避ける為に水分を下げて糖度を上げますので、昼夜の寒暖の差が激しいとぶどう栽培に最適なのです。

生産者だけでなく、県も一体となってワイン造りを推し進めようという熱意が感じられます。

 

山梨

山梨はぶどう造りに適した盆地気候です。原種といわれる甲州種ぶどうから造られる甲州ワインが有名です。

ボルドー大学醸造学部を卒業した日本人が帰国後山梨で、大学で学んだ知識を存分に活かし試行錯誤を繰り返しながら国際的な評価を得るまでに甲州ワインのレベルを引き上げたという実績があります。

甲州ワインにはライムやレモンのような爽やかな香りと酸味がありすっきりとした果実味に甲州らしさを感じます。甲州ワインは寿司や天ぷらなどの和食だけでなく、モダンフレンチやイタリアンにもマッチする、懐の深さがあります。

 

山形

日本初のワイン製造が行われた明治初期から山形県でもワイン醸造が始まり、以来山形のワイナリーでは地場産ぶどうにこだわった個性あるワインが生まれています。

山形県内産のブドウ100%で造られ、品質基準審査に合格した優良ワインを「山形県産認証ワイン」として認証しています。

 

長野

降水量が比較的少なく、昼夜の寒暖差が大きい長野県は自然条件がぶどう栽培に適していることもあり、国産の品種から欧州系品種まで良質なぶどうが多数収穫されています。そのため、いろいろなタイプのワインが楽しめます。

特にメルローが有名です。長野ワインに使われているメルローは塩尻市で栽培されたものが多いです。塩尻市は日本で初めてメルローの栽培研究を行った土地で、国際的にも評価の高い高品質なぶどうを生産しています。

フランス産とは一味違う味わいはとても面白いです。

 

北海道

北海道はワイン用ぶどうの生産量が日本一で、ヨーロッパ系品種を中心に栽培されています。花を咲かせる時期に梅雨がないことや収穫時期に台風がないこともワイン用ぶどうの栽培に適した条件を備えています。

十勝ワインが国内では最初の自治体経営によるワイン醸造を手がけ始めました。
近年醸造技術の進化とともに個性溢れる豊かな味わいが質を高め、新しいワイナリーも増えてきたようです。

 

日本のワイン品種

日本固有品種

日本固有品種である甲州とマスカット・ベーリーAが国際ブドウ・ワイン機構(OIV)にワイン用ぶどうとして登録されました。これにより、EUへ輸出するワインのラベルにこれらの品種名を記載することができるようになりました。

甲州

日本の代表品種と言えば、やはり世界に誇る固有品種「甲州」です。耐病性が強く、栽培条件は日本の気候に合っていると言われています。

果皮は赤皮を帯びていますが、白ワイン用の品種として使われます。程良い甘みと酸味の中にわずかに渋みがある味わいが特徴です。

最上級の甲州ワインは非常にバランスが良く、海外からの評価も高いです。柑橘系の控えめな香りがし、味わいは酸味、果実味ともに繊細な日本らしい品種となっています。

また、甲州を使用したワインは樽で熟成する製法やシュール・リー製法など、様々なスタイルで造ることができ、味わいを多様に変化することが出来ます。

 

マスカット・ベーリーA

日本の赤ワイン用の品種の中に仕込まれている量も多く、東北地方から九州地方まで広範囲にわたって栽培されています。

マスカット・ベリーAで造られたワインは、とにかく渋味が少なくて優しい赤ワインが多いです。酸味は控えめでフルーティー、ワインが飲み慣れていない方でも飲みやすい味わいです。

樽で熟成したものには、凝縮感や複雑みを感じることができます。

 

ブラック・クイーン

日本で開発された日本固有の赤ワイン用ぶどう品種です。

濃い黒紫色の果皮を持ち、非常に色が濃く豊かな酸味となめらかなタンニンが特徴のボリュームある辛口の赤ワインを造ることが出来ます。

収穫期を遅らせて、特徴である高い酸を軽減させ、品種由来の果実味の豊かさを引き出すこともあります。

香りはやや薄めの品種ですが樽熟成によってスパイシーな熟成香が調和され、個性豊かなワインとなります。

 

主要品種

日本ワインの主要品種は日本固有の「甲州」「マスカット・ベーリーA」「ブラック・クイーン」と共に幅広い種類の外来のぶどう品種が栽培されています。

シャルドネ

シャルドネは白ワイン品種の女王と呼ばれるぶどう品種です。土壌・気候の適応性が高く、世界各地で生産されています。

品種そのものによる個性は少なく、ワインの作り手やその土地の風土を色濃く反映します。

 

メルロー

カベルネ・ソーヴィニヨンと並ぶ、黒ぶどうの代表的な品種です。

色は濃い赤紫色、香りはいろいろなフルーツの香りがすることから、フルーツケーキによく例えられます。味わいは酸味が弱く、ふくよかな果実味が特徴です。

柔らかいタンニンが親しみやすく、まだぶどうが若い内から飲みやすい仕上がりのワインになります。

日本ワインまとめ

日本でのワインづくりの歴史は浅いですが近年飛躍的に美味しくなりました。海外の日本食ブームに乗って、日本ワインはこれから海外での評価も高くなると期待しています。

まずは近場のワイナリーを探して訪ねてみたいと思います。

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