【ソムリエ執筆】シャトー・ラトゥールを解説!値段、当たり年、セカンドワインまでご紹介

2019/05/06
フランス

ボルドー5大シャトーの中でも、特に評価の高いシャトー・ラトゥール。
今回は、シャトー・ラトゥールの歴史や特徴から、価格、当たり年、セカンド・サードワインまでご紹介します。

記事の監修者

篠崎 裕江

日本ソムリエ協会認定 ソムリエ

好きなワインは枯れかけてきたブルゴーニュの赤と、Blanc de Blancs のシャンパーニュ! 大学時代、ワインの魅力にはまり勉強を始める。都内のホテルに就職し資格取得後はソムリエとして活躍。 その後ワイン商社勤務を経て現在はアメリカ在住。 スーパーで、日本では手に入らないようなデイリーワインを物色するのが楽しい今日この頃…

シャトー・ラトゥールとは

ボルドー5大シャトーの1つ

シャトー・ラトゥール(Château Latour)は、フランス最高峰である5大シャトーの1つです。

5大シャトーの中でも非常にパワフルで濃厚、しっかりとしたタンニンを持ちあわせた圧巻とも言える、他の追随を許さないほど高貴で長期熟成のポテンシャルを誇るワインです。

 

ラトゥールの意味

ラトゥールとはフランス語で“塔”という意味、エチケットにも塔のイラストが描かれておりこの塔が正にラトゥールのシンボルとなっています。

シャトー・ラトゥールの歴史

ボルドーの老舗シャトー

ラトゥールのワインは、16世紀には当時のフランスを代表する哲学者モンテーニュのエッセイに登場。

17世紀には後に名門シャトーを多く所有するセギュール家がオーナーとなりました。17世紀には、一部の畑でぶどう栽培を始めており、本格的に醸造行うようになったのは18世紀に入ってからでした。

1787年には、第3代アメリカ大統領トーマス・ジェファーソンから絶賛されたことも受け、当時他のボルドーワインよりも20倍高い価格が付けられたほどでした。このような実績もあり、1855年メドックの格付けにおいて、わずか4つしかない第1級シャトーの一つに選出されました。

これによりラトゥールの評価はさらに高まり、その素晴らしい品質は飲む人を魅了する高級ワインとして世界中で愛される続けています。

 

最近の取り組み

2011年、シャトー・ラトゥールは今後プリムール販売から脱退することを発表し、ワイン業界に衝撃が走りました。

まだ樽の段階でワインを適正に評価することは難しいとして、リリースはきちんと飲み頃になるまで待ってからとの意向が明らかにされています。

5大シャトーでもここまでこだわっているにはラトゥールのみ、2011年以降のヴィンテージはまだリリースされていません。

シャトー・ラトゥールの特徴とこだわり

「ランクロ」と呼ばれる特別なブドウ畑

ポイヤック地区最南端、サンジュリアンの境界線付近にシャトー・ラトゥールのブドウ畑を囲む石垣が見えてきます。レオヴィル・ラス・カーズの畑と目と鼻の先です。

サンジュリアンとの境界線に向かって傾斜したシャトーを取り囲む47haの区画はランクロと呼ばれています。

ここはジロンド川まで300メートルほどで川からの恩恵を受け易く、畑の温度が過度に変化するのを防いでいます。

ランクロには必要最低限の時だけ植え替えはされない古樹が植えられており、その独特なテロワールは、ワインに上品さや奥行き、そして素晴らしい凝縮感をもたらします。ランクロに最も適するカベルネソーヴィニョンは、世界一の品質を誇り、ずば抜けて素晴らしい味わいに仕上がります。

 

リュットレゾネや有機栽培を導入

2009年よりシャトー・ラトゥールでは環境保全への取り組みを始めました。

畑では、現在リュットレゾネ(減農薬)と有機栽培の導入が進められています。2018年には第一級シャトーで初めてエコセールのビオロジック認証を獲得しています。

そしてランクロの一部では月の歴に基づいたビオディナミ農法をトライアル的に導入しており、今後はビオディナミ農法にシフトしていくようです。

また、土壌への徹底したこだわりや環境への配慮などから畑の耕作には馬を使用しています。

 

最新の醸造設備

世界に名を馳せる偉大な老舗シャトーでありながら、その地位にあぐらをかくような事はなく、2000年には大々的な改修工事が行われ最先端の醸造施設を備えています。温度調整式のステンレスタンクはコンピューターで一貫管理されています。

収穫したブドウをさらに選り分ける選果作業においては、昔から変わらず手作業で行われています。

またシャトー・ラトゥールではグラヴィティ・フローも導入しています。

グラヴィティ・フローとは、ブドウや果汁に負担がかかって傷みやすいポンプを使用せず、重力を利用して流れるようにブドウやワインを移動させる方法です。それにより繊細なブドウの個性や味わいを損なう事なく、非常に雅やかなワインに仕上がります。

 

フリーランジュースへのこだわり

醸造段階で重要視されているのが、フリーランジュースです。これはプレスせずブドウの重さだけで自然に流れ出した果汁のことです。

圧力をかけていない分苦味や渋みが少なく非常に繊細です。

シャトー・ラトゥールではフリーランジュースにこだわり、プレスされた果汁とは別に発酵させ最後に慎重にブレンドしています。

 

50年もの長期熟成が可能

シャトー・ラトゥールは、驚くほど濃厚な果実の凝縮感と豊富なタンニンから、パワフルで男性的と称されるワインです。

逆にリリースから20~30年は熟成させないと、本来のラトゥールの味わいを愉しめないとも言われています。

グレートヴィンテージであれば、50年もの長期熟成可能だとして人気が衰える事のない素晴らしいワインです。

シャトー・ラトゥールの評価

世界的評論家からの評価

シャトー・ラトゥールは、あの辛口で知られるロバートパーカー氏から「世界で最も凝縮感のある豊かでタニックなフルボディ」と高評価を受けたことでも知られています。

ル・メイユール・ヴァン・ド・フランス(旧クラスマン)では最高評価の3つ星、ヒュージョンソン氏からは、「メドックが自ら最も偉大な形で表明したもの。ほとんど不滅の感すらある。」と大絶賛を受けています。

 

人気の理由

シャトー・ラトゥールが非常に高い評価を受けている理由は、ヴィンテージによる差が少ない事が挙げられます。

例えば、ほかの1級シャトーが難しいとされた不作年であっても、ラトゥールは醸造においての努力でカバーし、結果予想に反して優れたワインに仕上がっていることが多いのです。

期待を裏切らない品質の安定が高評価に繋がり、高級ワインの中でもずば抜けて世界から人気を集めている素晴らしいシャトーとして君臨しています。

シャトー・ラトゥールの味わい

フルボディの最高峰

シャトー・ラトゥールは世界でも有数の、豊かな凝縮感とタンニンの強い偉大なフルボディのワインです。

充分に熟成させることで、何とも言えない妖艶で複雑なニュアンスを醸し出し、口の中で凝縮した果実味が爆発します。熟成により角が取れ決して重くない上品な味わいは、表現する言葉が見つからないほど素晴らしいものがあります。

 

シャトー・ラトゥールのブドウ品種

シャトー・ラトゥールのセパージュ比率は、ヴィンテージによって若干異なります。

基本はカベルネソーヴィニヨン75%、メルロー20%、残りがプチヴェルドとカベルネフランです。

 

シャトー・ラトゥールの値段

通販サイトでの値段の相場

シャトー・ラトゥールの値段は、ヴィンテージ、保存状態などにより、大きく異なります。

ネットでのボリュームゾーンは90,000円~110,000円です。

 

最安と最高値

最安値は、68,000円ほどで購入できます。

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最高値は、ヴィンテージ1982のもので、なんと400,000円以上もします!

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シャトー・ラトゥールのおすすめ当たり年

シャトー・ラトゥールのおすすめのグッドヴィンテージは、2009年、1996年、1982年です。

 

3位 2009年

ヴィンテージ2009

130,000円 (税込)

詳細情報
ブレンド:カベルネ・ソーヴィニヨン91.3%、メルロー8.7%

パーカーポイント100点満点、ワインスペクテーター誌99点、ル・メイユール・ヴァン・ド・フランスで20点満点獲得、世界中の各ワイン誌から大絶賛のグレートヴィンテージです。果実の凝縮感が前面に出た仕上がりで、2025年から2038年頃が飲み頃ではないかと予想されています。

価格はどんどん上がっていきますので、早めに購入してご自宅のセラーで熟成されてみてはいかがでしょうか。

 

2位 1996年


1996年は9月下旬と10月上旬の申し分のない天候のおかげで、遅摘みされたカベルネ・ソーヴィニョンにとっては夢のようなヴィンテージとなっています。

 ロバートパーカー氏は

「滅多に出会うことのできないほど甘い、純粋なアロマはカシスに溶け込んだ微妙なミネラルを連想させる。この年のラトゥールは1966年の再来ともいえる(もっとも、この年のほうが葡萄の完熟感がある)。」と述べています。

1995年より古典的でより濃厚、重圧感のある仕上がりで2050年頃までかそれ以上熟成に耐える素晴らしい仕上がりです。

 

1位 1982年


1982年もパーカーポイント100点の最高の評価です。

8月は比較的涼しかったものの7月と9月は畑が焼け付くような猛暑で、この暑さに耐えたブドウは見事なまでに完熟して糖度は極限まで上がりました。

ポイヤック村では春先の雨量も少なく気候的に見てもパーフェクトな年で、ラトゥールの中でも取り分け素晴らしいヴィンテージです。

5大シャトーの中でも特に長期熟成型なので今飲んでも十分愉しめますが、更に熟成させてもまだこれから素晴らしい変化が大いに期待出来ます。

1982年は超グレートヴィンテージ中のグレートヴィンテージで希少価値も上がり、現在とても手に入りにくいものとなっています。

 

セカンドワインのレ・フォール・ド・ラトゥール

レ・フォール・ド・ラトゥールは、シャトー・ラトゥールのセカンドワイン(セカンドラベル)です。ファーストヴィンテージは1966年です。

セカンドと言えどもシャトー・ラトゥールと全く同じ方法で造られています。

 

レ・フォール・ド・ラトゥールの特徴

セパージュの比率はヴィンテージによって変わりますが、シャトー・ラトゥールのブレンド比率と比較して、メルローが高め(25~30%)になっています。

レ・フォール・ドゥ・ラトゥールは、3分の1は樹齢の若い樹から、3分の2がランクロ以外の畑から収穫されたブドウから造られます。

市場への流通量、品質、価格と総合してもレ・フォール・ドゥ・ラトゥールはセカンドワインの域を超えた神がかった存在であることは間違いありません。

レ・フォール・ド・ラトゥールの価格

レ・フォール・ド・ラトゥール


価格帯は、30,000円~50,000円です。

サードワインのポイヤック・ド・ラトゥール

ポイヤック・ド・ラトゥールは、1973年に初めてリリースされて以来、1990年代に入るまで、なんと1974年・1987年にしか生産されませんでした。

そのため「ボルドーの幻」と皮肉混じりに呼ばれたこともある位超希少なワインです。

比較的近年になっても、樹齢の若い樹やランクロ外のブドウを用いたワインのため、生産量はラトゥールの10分の1という驚きの少なさです。

 

ポイヤック・ド・ラトゥールの特徴

レ・フォール・ド・ラトゥールと同じ畑の全く同じブドウを使用して、

ごく僅か規定に満たなかったキュヴェが外されてポイヤック・ド・ラトゥールに使用されています。大変希少性の高い特別なサードワインです。

味わいは、 サードラベルとは思えない並はずれた奥行きと凝縮感があり余韻の長い仕上がりです。

ポイヤック・ド・ラトゥールの価格

ポイヤック・ド・ラトゥール


価格帯は、12,000円~25,000円です。

シャトー・ラトゥールまとめ

著名なワイン評論家も賛辞を贈るシャトー・ラトゥール。

ぜひ、特別な日に開けてみてください。購入の際は、おすすめ当たり年をご参考にしてただけると幸いです。

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