日本酒の種類が多すぎて選べない!おすすめ銘柄をソムリエが解説!

2021/07/31
日本酒

「日本酒の種類っていろいろあって違いがわからない」
「自分はどの日本酒を選べばいいんだろう……」

そんな悩みを持つ方に向け、今回は日本酒のソムリエ資格であるSAKEDIPLOMAを持つ著者が、種類や好みのタイプ別に選び方を解説。タイプ別のおすすめ銘柄まで紹介していきます。

まずは日本酒の製造方法にまつわる用語を解説!

日本酒は製造方法によって種類が異なります。

なぜなら製造方法によって使用する原材料や、技術、工程が異なるため。

そこで、まずは事前知識として製造方法にまつわる用語をいくつか確認しておきましょう。

【用語1】精米歩合(せいまいぶあい)

精米歩合とは、日本酒の原材料である米の外側をどれだけ削ったかを表した数字です。

例えば、米の外側を40%削った日本酒は「精米歩合60%」と表記されます。

削る目的は、米の表面についている脂質やタンパク質など雑味の原因となる成分を取り除くため。

精米歩合が低い米を使った日本酒ほど、クセの少ないすっきりとした味わいとなります。

【用語2】醸造アルコール

醸造アルコールとは、日本酒の香りを整えるために加えられる純度の高いアルコールです。

日本酒に少量の醸造アルコールを加えることで、味わいをすっきりと引き締め、香り成分を感じやすくさせる効果があります。

「醸造アルコールが使われた日本酒は水増しされた酒だ」と勘違いされることもありますが、日本酒造りにおける立派な技術なのです。

【用語3】火入れ

火入れとは、日本酒を加熱殺菌する工程のこと。

日本酒造りには酵母や乳酸菌など、さまざまな微生物が活用されています。

そこで、完成した日本酒に60~65度程度の加熱殺菌をすることで微生物の活動を止め、日本酒の変化を防ぐのです。

日本酒は一般的に、貯蔵前と出荷前の2つのタイミングで火入れが行われます。

【用語4】酒母(しゅぼ)

酒母とは、「日本酒の素」となるものです。

日本酒造りはまずこの酒母を育てることから始まります。

そして、ベースとなる酒母がどう変化を遂げるかによって、日本酒の個性も変わるのです。

そんな酒母は

・速醸系

・生酛山廃系

の2つに分類されます。

速醸系は日本酒全体の90%で使われている酒母です。

一方で生酛山廃系は手間がかかるため生産量は少ないですが、速醸系にはない個性的で力強い風味や味わいを醸し出します。

日本酒にはどんな種類があるの?

日本酒の最も主流な分類方法である「特定名称酒」別に、種類を見ていきましょう。

そもそも特定名称酒とは、原材料や製法によって以下のように8種類に分類された日本酒の区分のこと。

特定名称原材料精米歩合その他要件
本醸造酒米・米麹・水・醸造アルコール70%以下
特別本醸造酒米・米麹・水・醸造アルコール60%以下特別な製法をしている
吟醸酒米・米麹・水・醸造アルコール60%以下吟醸造り
大吟醸酒米・米麹・水・醸造アルコール50%以下吟醸造り
純米酒米・米麹・水規定なし
純米吟醸酒米・米麹・水60%以下吟醸造り
純米大吟醸酒米・米麹・水50%以下吟醸造り
特別純米酒米・米麹・水60%以下特別な製法をしている

それぞれ、以降で詳しく解説していきます。

【種類1】本醸造酒

すっきりとキレのいい味わいの日本酒です。

香りは穏やかですが、クリアな味わいがあり、食事との合わせやすさは抜群。

冷やしても温めても美味しい万能タイプです。

【種類2】特別本醸造酒

本醸造酒からさらなる磨きをかけた日本酒です。

のど越しの良さと、醸造アルコールによって引き立つ香りを楽しめます。

シンプルな味わいの中にも、上質さを求める方におすすめです。

【種類3】吟醸酒

フルーティーな香りが特徴の日本酒です。

原材料と製法にこだわった「吟醸造り」により、「吟醸香」と呼ばれるメロンやバナナを思わせるフルーティーな香りが感じられます。

【種類4】大吟醸酒

華やかな香りとクリアな味わいのある日本酒です。

「精米歩合50%以下」かつ「吟醸造りが必要」となるため、高級感の漂う上品な香りと口当たりの良さが特徴。

ちょっと贅沢したいときや、大切な方へのプレゼントとしておすすめです。

おすすめの大吟醸酒はこちらから<<

【種類4】純米酒

米だけで造られた日本酒です。

醸造アルコールを使っていないため、米の旨味を堪能できる仕上がり。

日本酒の味わいをじっくりと楽しみたい方に、ぴったりです。

【種類5】純米吟醸酒

純米酒と吟醸酒をかけ合わせた日本酒です。

純米酒のコクと、吟醸酒の華やかさで、米の旨味とフルーティーな香りが特徴。

そのバランス良さから、特定名称酒の中でも特に人気があります。

おすすめの純米大吟醸酒はこちらから<<

【種類6】純米大吟醸酒

リッチでふくよかな、最高ランクの日本酒です。

しっかりとした米の旨味がありながらも、大吟醸レベルのフルーティーな香りを楽しむことができます。

品質の良い日本酒を飲みたいときは、純米大吟醸を選べば間違いありません。

【種類7】特別純米酒

こだわりの製法を用いた個性派の純米酒です。

酒蔵独自の製造方法を採用することで「特別」という名を冠しています。

製法による日本酒の違い

日本酒の分類は特定名称酒だけではありません。

製法による種類の違いも紹介していきます。

【製法1】生酒

生酒はフレッシュな風味を楽しめる日本酒です。

加熱殺菌処理を行わないため、できたての活き活きした味わいが特徴。

火入れの回数により、以下のように名称が変わります。

 

生酒の種類
生酒・・・一度も火入れを行わない
生詰め酒・・・貯蔵前に火入れをする、出荷時の火入れはしない

生貯蔵酒・・・火入れをせずに貯蔵、出荷時に火入れをする

フレッシュ感を味わいたい方は一度も火入れをしていない生酒がおすすめ。

生詰め酒は、フレッシュな中にもやや熟成感があります。

生貯蔵酒は生酒に近い新鮮な味わいがありながら、火入れにより酒質が安定していることが特徴です。

【製法2】無濾過生原酒

無濾過生原酒は、パワフルかつみずみずしい味わいの日本酒です。

一般的な日本酒は完成したのちに不純物を取り除くために濾過されます。

さらに、酒質の変化を防ぐ目的で火入れを実施。

味わいやアルコール度数のバランスを整えるために「割り水」が加えられます。

この濾過・火入れ・割り水の工程を行わない日本酒が、無濾過生原酒。

そのため、荒々しくもフレッシュで力強い風味が残っています。

【製法3】生酛(きもと)・山廃(やまはい)

生酛・山廃の日本酒は、コクのある骨太な味わいが特徴です。

伝統製法でもある生酛と山廃の酒母を使った日本酒は、通常と比べ、酸味や苦みによる深い味わい。

この複雑な味わいや風味は、乳酸菌発酵によって生み出されています。

生酛と山廃の日本酒は燗酒(かんざけ)にする、つまりは温めると旨味が増すのも特徴です。

なお、山廃と生酛は製法上の違いはあります。

とはいえ、完成する日本酒に大きな違いはないとされています。

【製法4】熟成酒

熟成酒は長期熟成によって旨味や深みを増した日本酒。

熟成することによって色は琥珀色へと変化し、味わいは濃厚かつまろやかに変化していきます。

熟成期間が3年以上の日本酒は「古酒」とも呼ばれ、熟した果実やナッツ、蜂蜜を思わせる独特な香りも特徴。

少し変わった日本酒を飲みたい方は、熟成酒にチャレンジしてみてはいかがでしょう。

【製法5】にごり酒

にごり酒は濃厚な味わいで、白く濁った日本酒です。

発酵が終わった日本酒を搾って液体を抽出する際に、あらごしで搾ることで出来上がります。

濁りは日本酒造りで残った米や米麹、酵母を含んだ「滓(おり)」です。

この滓には日本酒の風味がたっぷり含まれており、つぶつぶの食感を楽しむことができます。

【製法6】スパークリング日本酒

スパークリング日本酒は、爽やかな炭酸が特徴。

シュワシュワとした炭酸があることにより、のど越しはより軽快になります。

立ち上がる炭酸によって、日本酒の麹の香りやフルーティーな香りを楽しめるところもポイント。

カジュアルに日本酒を楽しみたい時におすすめです。

おすすめのスパークリング日本酒はこちらから<<

あなたは何派?好みのタイプ別で日本酒の種類を分類!

日本酒の好みを大きく分けると

  • すっきり爽やか
  • フルーティーで飲みやすい
  • 旨味たっぷり

の3つ。

これまで紹介した種類を、それぞれの好みに分類すると、以下のようになります。

タイプすっきり爽やかフルーティーで飲みやすい旨味たっぷり
種類本醸造酒

特別本醸造酒

吟醸酒

生酒

スパークリング日本酒

吟醸酒

純米大吟醸酒

生酒

無濾過生原酒

純米酒

特別純米酒

生酛・山廃

熟成酒

にごり酒

タイプ別のおすすめ日本酒9選

最後に、日本酒のソムリエ資格を有し、酒屋の立場でこれまで様々な日本酒を飲んできた著者が、好みのタイプ別におすすめの銘柄を紹介していきます。

すっきり爽やかタイプのおすすめ日本酒3選

 

久保田 百寿

久保田 百寿

詳細情報
種類:特別本醸造
製造元:朝日醸造
アルコール度数:15%

淡麗ですっきりした味わいの特別本醸造酒。

飲み飽きしない辛口な味わいがあります。

どんな温度帯でも美味しくいただけますが、より爽やかさを感じたいなら冷酒がおすすめ。

新潟を代表する人気ブランドです。

 

会津ほまれ 吟醸 山田錦仕込み

会津ほまれ 吟醸 山田錦仕込み

詳細情報
種類:吟醸
製造元:ほまれ酒造
アルコール度数:15%

おだやかで優しい味わいの吟醸酒。

柑橘系やハーブなど、爽やかな吟醸香(ぎんじょうか)が感じられます。

甘味や酸味のバランスが良く、非常に飲みやすい仕上がり。

10度前後で飲むことで、爽やかな香りと味わいの両方を楽しめます。

 

八海山 あわ スパークリング

八海山 あわ スパークリング

詳細情報
種類:スパークリング日本酒
製造元:八海醸造
アルコール度数:13%

繊細な泡立ちが楽しめるスパークリング日本酒です。

シャンパンと同じ瓶内二次発酵製法が採られており、口の中でぷちぷちとはじける炭酸を感じることができます。

程よい甘さがありますが、八海山らしい淡麗なキレ味も。

乾杯酒にはもちろん、食事との合わせやすさも魅力です。

フルーティーで飲みやすいタイプのおすすめ日本酒3選

 

黒龍 大吟醸

黒龍 大吟醸

詳細情報
種類:大吟醸
製造元:黒龍酒造
アルコール度数:16%

透明感のある上品な大吟醸酒。

洋ナシや蜂蜜のような華やかな香りが感じられます。

味わいはクリアで程よい甘味があり、のど越しは絹のようになめらか。

キリっと冷やしてお楽しみください。

 

作 雅乃智

作 雅乃智

詳細情報
種類:純米吟醸
製造元:清水清三郎商店
アルコール度数:15%

甘味と香りを豊かに感じる純米吟醸酒です。

香りの強い純米吟醸酒と、芳醇な味わいの純米吟醸酒をブレンドして製造。

白い花やバニラを思わせる華やかな香りが特徴です。

ワイングラスで飲むことで香りをより楽しむことができます。

 

舞美人 山廃純米 sanQ 無濾過生原酒

舞美人 山廃純米 sanQ 無濾過生原酒

詳細情報
種類:山廃純米 無濾過生原酒
製造元:美川酒造場
アルコール度数:14~16%

グレープフルーツのようなみずみずしい味わいの日本酒です。

通常の日本酒の3~4倍はあるはっきりとした酸味が特徴。

フレッシュではつらつとした酸味を、ほどよい甘味や旨味が支えています。

蔵元に住み着く天然酵母を使用した自然派です。

旨味たっぷりタイプのおすすめ日本酒3選

 

浦霞 特別純米 生一本

浦霞 特別純米 生一本

詳細情報
種類:特別純米酒
製造元:佐浦
アルコール度数:15~16%

しっかりとした米の旨味を堪能できる特別純米酒です。

原料米に宮崎県産のササニシキを100%使用。

ふくよかな味わいがあり、食事の美味しさを引き立てる旨味があります。

常温から熱燗(50〜50度)までがおすすめの温度帯です。

 

玉川 雄町 山廃純米 無濾過生原酒

玉川 雄町 山廃純米 無濾過生原酒

詳細情報
種類:山廃純米 無濾過生原酒
製造元:木下酒造
アルコール度数:19~20%

力強いコクを感じる無濾過生原酒です。

舌の上にジワリと感じる旨味・酸味が特徴。

アルコール度数が20%近くあるので、飲みごたえも抜群です。

熱燗で飲むとさらに旨味の奥行きが広がります。

 

達磨正宗 五年古酒

達磨正宗 五年古酒

詳細情報
種類:熟成酒
製造元:白木恒助商店
アルコール度数:17~18%

芳醇で旨味のある熟成古酒です。

シェリー酒や紹興酒を思わせる、香ばしさとコクのある甘さが感じられます。

肉料理や中華料理など脂の乗ったお食事とも相性抜群。

温度やグラスを変えることで、様々な味わいを楽しめます。

さいごに

すっきりとした味わいがお好みなら本醸造や吟醸酒を、冷酒でいただく。

フルーティーで飲みやすさを好むなら、吟醸酒や生酒をワイングラスで。

そして、コクのある味わいがお好きな方は、純米酒や生酛・山廃を温めて飲むのがおすすめです。

ぜひ、日本酒の奥深い世界を楽しんでみてくださいね。

記事の執筆者

熊倉 周人

JSA認定 SAKE DIPLOMA

【JSA認定 SAKE DIPLOMA】業務用酒販店勤務。酒屋の立場で様々なお酒を飲んだり、メーカーやインポーターと会話をし最新情報を収集しています。醸造酒全般に詳しくその中でもクラフトビールを愛でている。

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