飲みやすく、オシャレなボトルデザインで女性や若者にも人気の「上善如水」。
今回は、そんな上善如水について、その意味や歴史といった基礎知識から、種類、美味しい飲み方までご紹介します。
目次
上善如水とは
上善如水(じょうぜんみずのごとし)は日本酒のブランド名です。
新潟県の越後湯沢にある白瀧酒造から1990年に発売されました。
日本国内はもちろん、現在では中華圏や韓国などのアジアを中心に世界30カ国で愛されています。
若者向けの日本酒として開発
当時、国内ではスキーブームが起こり、多くの若者が新潟県を訪れていました。しかし、日本酒を飲む若者はあまりいませんでした。
そこで、白瀧酒造は若者だけにターゲットを絞り、「酒臭さ」のない、フルーティで軽快な飲み口の日本酒の開発に着手したのです。
ラベルのデザインにもこだわり、スタイリッシュなボトルに仕上げました。
そして、スーパーや量販店経由で販売を始め、若者や日本酒入門者たちに受け入れられるようになっていくのです。
意味と名前の由来
上善如水は古代中国の哲学者・老子の言葉です。
「上善は水のごとし、水はよく万物を利して争わず、衆人の恵む所に拠る」
人間の理想的な生き方は、水のようにさまざまな形に変化する柔軟性を持ち、他と争わず、自然に流れるように生きること、という意味です。
「最上の生き方は水のようである」という志のもと、「上善如水」は造り続けられています。
上善如水をつくる白瀧酒造
白瀧酒造の歴史
白瀧酒造は、1885年に湊屋藤助氏により創業されました。
ちょうど越後と江戸を結ぶ三国街道の要所であった新潟県の湯沢で、旅人や行商人にお酒を提供したのが始まりです。
国内には1000近くの酒蔵があると言われていますが、その一割にあたる100近くの酒蔵が新潟県に集まっています。
日本酒の有名銘柄である「久保田」、「越乃景虎」、「越乃寒梅」も新潟県の酒蔵で造られています。
酒造りに恵まれた自然環境のもと、160年にもわたり、良質な日本酒が造り続けられているのです。
酒造りの特徴
上質な水
川端康成の「雪国」の舞台である越後湯沢は、世界有数の豪雪地帯である新潟県魚沼地方に位置します。
たくさん積もった雪は、春に雪解け水となり、地面に染み込み、およそ50年の年月をかけて清らかに澄んで冷たい地下水となります。
白瀧酒造の自社敷地にある3本の井戸から汲み上げる水は、酒造りに適した軟水で、「上善如水」のすべてのラインナップに使用され、その酒質を決定づけていいます。
まさに「水のように澄んだ酒」を目指す白瀧酒造に必要不可欠な要素になります。
春夏秋冬に合わせた酒造り
また、酒造りは春夏秋冬の1年のサイクルの中、それぞれの季節に合わせた工程を経て、自然環境の力を利用して循環しています。
現在では蔵人が専業技術者として働いていますが、酒蔵のサイクルは昔と変わらぬ営みを続けています。
上善如水の評価
「上善如水」のすべてのラインナップに共通しているのが、その雪解け水のようにスッキリとした口当たりです。
純米酒ならではの米の味と吟醸酒ならではのキレの良さを併せ持ち、クセがなく、どんな料理や季節にも合い、日本酒ビギナーも楽しめる味わいが高い評価を得ています。
それを証明するように、各ラインナップが多くの受賞歴を誇っているのも大きな特徴です。
人気の理由
上善如水の人気の理由には大きく分けて、3つあります。
飲みやすさ
まず人気の最大の理由は、何と言ってもその「飲みやすさ」にあります。
その名の通り、水のようにスイスイと飲める、スッキリとした味わいが日本国内のみならず、海外からも支持を受けています。
アルコール度数も通常の日本酒は15%以上あるのに対し、「上善如水」は14度~15度と、比較的低めに造られているのも大きな特徴です。
日本酒が本来持つ、独特のアルコール感が苦手な方にも楽しんでもらえるのが最大の魅力です。
スタイリッシュなラベル
上善如水は、日本酒にはあまり見られないカラフルなボトルや、シンプルな文字のラベルなど、日本酒初心者の方や若者でも手に取りやすいデザインになっています。
ピンクやブルーのボトルやラベルにペンギンをあしらったユニークなボトルは、自分で飲むだけでなく、手土産やちょっとした贈り物にも重宝できると思います。
海外の方の目を惹くデザインとなっています。
さまざまな飲み方が楽しめる
「上善如水」はスッキリとクセのない味わいなので、カクテルのベースとしても活用することができます。
リキュールを使った本格的なカクテルから、ジュースで割るお手軽なカクテルまで、幅広い味わいを楽しめる仕上がりになっています。
上善如水の種類
上善如水のラインナップは全部で6種類です。
ラインナップ | 特徴 |
上善如水 純米吟醸 | 上善如水のスタンダードライナップ |
熟成の上善如水 純米吟醸 | 1年ほど熟成されたタイプ |
上善如水 純米大吟醸 | 上善如水の最高級品 |
なまの上善如水 純米吟醸 | 上善如水の生酒 |
ロック酒の上善如水 純米 | ロックで飲む用に造られた日本酒 |
上善如水 スパークリング | 上善如水の発泡性清酒 |
上善如水のラインナップ
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
---|---|---|---|---|---|---|
商品名 | 上善如水 スパークリング | ロック酒の上善如水 純米 | なまの上善如水 純米吟醸 | 上善如水 純米大吟醸 | 熟成の上善如水 純米吟醸 | 上善如水 純米吟醸 |
詳細 | 度数:12 % 味わい:甘口 精米歩合:60% 日本酒度−40 | 度数:10 % 味わい:甘口 精米歩合:60% 日本酒度−70 | 度数:15 % 味わい:辛口 精米歩合:60% 日本酒度+5 | 度数:15 % 味わい:中辛口 精米歩合:45% 日本酒度+2 | 度数:15 % 味わい:辛口 精米歩合:55% 日本酒度+3 | 度数:14.5 % 味わい:辛口 精米歩合:60% 日本酒度+5 |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
ここからは、それぞれのラインナップについて、味、値段、飲み方を解説していきます。
上善如水 純米吟醸
上善如水 純米吟醸
味わい:辛口
精米歩合:60%
日本酒度+5
「上善如水」のスタンダードがこのタイプです。
白瀧酒造の代表銘柄として、1990年の発売以来長く愛されている1本になります。
味わい
キレのある軽快な味わいと果実のような華やかな香り、そしてほんのりとした純米のまろやかな旨味の余韻が融和されています。
初めて日本酒を飲む方でも楽しんでもらえる、澄み切った水の如き日本酒です。
受賞歴
・地酒大show2009夏「夏にふさわしい爽やかフェイス」部門 ゴールド賞
・All About 2010年5月20日掲載 「軽快なめらかな日本酒」第一位
・地酒大show2012秋「外国人にお勧めしたい地酒」部門 ブロンズ賞
値段
サイズ | 税別価格 |
1800ml | 2,600円 |
720ml | 1,305円 |
300ml | 583円 |
180ml | 286円 |
美味しい飲み方
冷やして飲むことが推奨されていますが、室温で飲んでも美味しくいただけます。
相性の良い料理は、鯛の酒蒸し、生牡蠣のレモン添え、春雨サラダ、そして、うすしお味のポテトチップスなどです。
まさに、ビールの代わりに楽しむことができる日本酒に仕上がっています。
熟成の上善如水 純米吟醸
熟成の上善如水 純米吟醸
味わい:辛口
精米歩合:55%
日本酒度+3
約3度に保たれた低温貯蔵タンクの中でじっくりと、およそ1年間ほど低温熟成されたタイプです。
熟成させることを考慮して、酒米は通常のものより比較的精米歩合が高いものが使用されています
味わい
控えめな香りとなめらかな旨味、そして爽やかな酸味がうまく調和されています。
熟成味のあるまろやかな味わいで、熟れた桃のような香りが楽しめると同時に、適度な酸味が味を引き締め、くどさを感じさせないのが特徴です。
受賞歴
・地酒大show2009冬 「カニに合う日本酒 日本酒大show」 シルバー賞
・地酒大show2012秋 「チーズと料理とあわせたい! 地酒大show」ブロンズ賞
値段
サイズ | 税別価格 |
1800ml | 2,972円 |
720ml | 1,429円 |
300ml | 648円 |
180ml | 324円 |
美味しい飲み方
冷やして飲むことが推奨されていますが、室温や温燗で楽しむこともできます。
食中酒として飲む場合は、カニ料理、鮎の塩焼き、野菜の天ぷら、青菜の炒め物、そしてチーズなどと相性が抜群です。
上善如水 純米大吟醸
上善如水 純米大吟醸
味わい:中辛口
精米歩合:45%
日本酒度+2
甘味のある華やかな香り、酸味のキレ、水の柔らかさがひとつにまとまった、ふくよかな味わいが特徴です。
あらゆる面で「上善如水」の最高級品として洗練を極めた逸品に仕上がっています。
味わい
国産の酒米を45%まで磨きあげた贅沢でコクのある味わいとです。
瑠璃色の透明ビンとシンプルで高級感がある化粧箱が付いているため、贈答用としても喜ばれると思います。
値段
サイズ | 税別価格 |
1800ml | 5,000円 |
720ml | 2,500円 |
300ml | 858円 |
180ml | 477円 |
受賞歴
・地酒大show2012春 「カマンベールチーズと合う日本酒大show」プラチナ賞
美味しい飲み方
繊細な純米大吟醸は、冷やして飲むことが推奨されています。
ノドグロのお刺身、アボカドと海老のサラダ、ブリのカルパッチョ、牛スネと里芋の煮込み、そしてカマンベールチーズなどとの相性が良いとされています。
おつまみがなくても、そのまま楽しんでいただける味わいに仕上がっています。
なまの上善如水 純米吟醸
なまの上善如水 純米吟醸
味わい:辛口
精米歩合:60%
日本酒度+5
製造工程で「火あて」と呼ばれる加熱殺菌処理をせずにボトルに詰めた「生酒」と呼ばれるタイプです。
加熱殺菌をしていないため、通常の日本酒と比べると味わいが変質しやすいため、冷蔵で保存することをおすすめします。
味わい
加熱殺菌を行なう前の日本酒が本来持っている、もぎたての果実のようなフレッシュでしっかりした旨味を持ちあわせています。
受賞歴
・第1回 酒友グランプリ 2017夏 伝統部門「まぐろ漬け」準グランプリ受賞
・ワイングラスでおいしい日本酒アワード2011 食中酒部門クラス1 金賞
・All About 2007年6月29日掲載 「夏向き日本酒」第一位獲得
値段
サイズ | 税別価格 |
720ml | 1,320円 |
300ml | 680円 |
美味しい飲み方
冷やして飲むことが推奨されています。生酒は温燗にすると、せっかくの生の味わいを損ねてしまうからです。
食中酒として楽しむことができ、まぐろの漬け、鶏肉の竜田揚げ、いかと長芋のわさびマヨネーズ和えなどと相性が良いです。
ボトルネックには、いかと長芋のわさびマヨネーズ和えのレシピが掛けられているので、ぜひ挑戦してみてください。
ロック酒の上善如水 純米
ロック酒の上善如水 純米
味わい:甘口
精米歩合:60%
日本酒度−70
「オン・ザ・ロックでゴクゴク飲んで、夏の暑さを吹き飛ばそう」というコンセプトのもとに造られた日本酒です。
クールな感じを演出するために、ラベルにはペンギンのイラストがあしらわれています。
普段あまり日本酒を飲まない方にもおすすめの一品です。
味わい
果物を思わせるスッキリとした甘みと爽快な酸味が特徴の純米酒です。
非常に甘口のお酒であるにもかかわらず、強みの酸味で甘味を引き締めて、絶妙なバランスに仕上げています。
国産の米と米こうじだけで造られた純米酒なのに、とてもフレッシュでフルーティ。
割り負けしないように、甘味と酸味がぎゅっと濃縮された、シロップのようなジューシーな味わいが最大の特徴です。
受賞歴
・「FOODEX美食女子グランプリ 2018」ドリンク部門 グランプリ受賞
値段
720ml で税抜1,200円です。
美味しい飲み方
グラスにたっぷりと氷を入れて、ロックで飲むために造られた新感覚の日本酒です。
お酒だけで楽しめますが、生ハムやドライフルーツなどをおつまみに合わせることもできます。
ちなみに白瀧酒造の杜氏は、シャーベットアイスと合わせることを推奨しています。
上善如水 スパークリング
上善如水 スパークリング
味わい:甘口
精米歩合:60%
日本酒度−40
2015年に発売された、発泡性清酒です。
味わい
はじける泡がスッキリとしたのどごしを演出し、グラスからは花のような甘くスパイシーな香りが広がり、少しほろ苦い仕上がりになっています。
日本酒の枠を超えたスパークリングは、酒米からできているとは思えないほど、ジューシーな味わいと炭酸が絶妙に調和したお酒です。
受賞歴
・「第2回 酒友グランプリ2018冬」 革新部門 準グランプリ受賞
・「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2018」金賞
・「FOODEX美食女子グランプリ2017」ドリンク部門 金賞
・「ワイングラスでおいしい日本酒アワード 2017」金賞
値段
360mlで税抜700円です。
美味しい飲み方
グラスはシャンパングラスがおすすめです。パーティやアウトドアなどで、最初の一杯として楽しめる仕上がりになっています。
相性の良い料理も幅広く、お好み焼き、豚の生姜焼き、ビーフステーキや食後にケーキやチョコレートと合わせることもできます。
日本酒の微発泡のタイプは時々見かけますが、ここまで泡にこだわった日本酒はめずらしいので、ぜひ一度試してみてください。
さいごに
「上善如水」の銘柄は広く知られていますが、ここまでラインナップがそろっていることはあまり知られていないのではないでしょうか。
単品で楽しむこともできますが、さまざまなタイプの「上善如水」を揃えて、食前から食後まで味わってみると、より一層「上善如水」の良さを理解できると思います!
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