世界で最も偉大な白ワイン言えば、シャルドネの最高峰モンラッシェ(Montrachet)です。
今日は誰もが憧れるモンラッシェについて、基礎知識やその魅力に迫るとともに、グランクリュ畑のオススメワインをご紹介します。
モンラッシェとは
畑の名前であり、白ワインの名前
世界的に有名なシャルドネの銘醸地といえばブルゴーニュ地方のコート・ド・ボーヌ地区です。
コート・ド・ボーヌ地区で白ワインの聖地とも呼ばれているのが、ピュリニー・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村。
この村にまたがる形で5つの偉大なグランクリュ畑(ブドウ畑の格付けで特級の意)が広がっています。
モンラッシェはその畑のひとつであり、ワイン名でもあります。
ブルゴーニュ地方では畑名をそのままワイン名としてエチケットに記載できます。
モンラッシェの価格
モンラッシェは1本数万円から数十万円を超える価格で取引される最高級の白ワインとして不動の人気を誇っています。
日本の一般市場に出回っている物は高い物では100万円~120万円ほどです。
モンラッシェの特徴と味わい
飲み手虜にする強靭なミネラル感
モンラッシェの畑は斜面が全て南又は南東向きに位置しており、ブドウは長い時間太陽を浴びて育ちます。
土壌は大変複雑で泥灰土や化石、堆積物などが混ざり合った石灰質土壌で、ブドウはしっかりと根を張りミネラルを吸収する事ができます。つまり、ワインに豊富なミネラル感をもたらしているのです。
更に、エレガントな飲み口に奥行きある味わいとシャープな酸とのバランスが絶妙で、飲み手を虜にしてしまう輝かしいワインです。
モンラッシェが高額な理由
シャルドネの最高峰!素晴らしい品質と希少性
モンラッシェの畑は全体でも8ヘクタール未満、当然生産量も限られます。
世界的知名度は大変高く、コレクターを始めセレブや世界の富裕層たちが競い合って買い求めています。
シャルドネの最高峰であり、素晴らしい品質とその希少性から、重要と供給の関係から価格も高騰してしまうのです。
モンラッシェの畑と村
グランクリュ畑のモンラッシェは、ピュリニー・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村にまたがっています。
2つの村にはモンラッシェ以外にあと4つのグランクリュ畑があります。
・モンラッシェ 2村にまたがる
・バタール・モンラッシェ 2村にまたがる
・シュヴァリエ・モンラッシェ ピュリニー村のみ
・ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェ ピュリニー村のみ
・クリオ・バタール・モンラッシェ シャサーニュ村のみ
両村の特色や他のグランクリュ畑の概要も見ていきましょう。
ピュリニー・モンラッシェ村
土壌は場所によって異なるものの、主に石灰質です。
気品に溢れる華やかなアロマに伸びやかなミネラル感と引き締まった酸が大きな特徴のワインに仕上がります。上品で滑らかな味わいはピュリニー村ならではのと言われています。
全体的にシャサーニュ村のワインと比較した場合、ピュリニー村の方が価格帯は若干上です。
シャサーニュ・モンラッシェ村
土壌の基盤は全て約1億7500万年前のジュラ紀に形成されたもので、採石地としても有名です。畑の下にまで石が転がっており、砂利や粘土質土壌が重なっています。
造られるワインは、ピュリニー村と比較した場合、ふくよかで柔らかい印象になるのが特徴です。洋梨やナッツ系のアロマに、熟成に伴い超辛口でありながらハチミツのような香りを感じる事ができます。ピュリニー村よりもより酸味が幾分穏やかな印象です。
バタール・モンラッシェ (グランクリュ)
畑はちょうどモンラッシェの下部に位置し、モンラッシェと同じくピュリニー・モンラッシェ村とシャサーヌ・モンラッシェ村のにまたがっています。
土壌は赤土や粘土質が多いため、豊満なボディの白ワインに仕上がります。
味わいはクリーミーさがあり濃厚で、酸は比較的穏やかです。
シュヴァリエ・モンラッシェ (グランクリュ)
畑はモンラッシェに隣接する形で斜面の上部にあります。
土壌はモンラッシェに比べて石灰石をより多く含むため、ワインにシャープで引き締まったミネラル感をもたらします。これがシュヴァリエ・モンラッシェ最大の特徴です。
ボリューム感があり長期熟成のポテンシャルを秘めた素晴らしいワインに仕上がります。
ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェ (グランクリュ)
畑はバタール・モンラッシェに隣接する斜面の下側にあります。
土壌はモンラッシェとほとんど変わりませんが、ビアンヴニュの方が若干表土層が薄いので、軽やかで酸も穏やか、豊潤でエレガントな印象のワインに仕上がります。
クリオ・バタール・モンラッシェ (グランクリュ)
クリオ・バタール・モンラッシェ の畑は非常に狭く、AOC全体でわずか1.57haのみです。
場所はバタール・モンラッシェに隣接しています。
土壌は小石混じりで、造られるワインは清らかで繊細なスタイル仕上がります。
おすすめのモンラッシェ・グランクリュ10選
「ワインを何から飲めばいいのかわからない」
「ワインが美味しいのかわからない」
そんなあなたにおすすめです。
※ 販売数には限りがございますので、売り切れの際は何卒ご容赦ください。
10位 バタール・モンラッシェ・グラン・クリュ(ハーフボトル)
ハーフボトル バタール・モンラッシェ・グラン・クリュ
品種:シャルドネ
ルイ・ラトゥールは200年以上も家族経営を続けており、ブルゴーニュを代表する白ワインの造り手です。
杏子やスモークのアロマに厚みのある力強いボディ、ハチミツやバター、アーモンドなどゴージャスな風味にミネラル感が前面に出ています。
ハーフボトルなので飲みきりサイズですし熟成が早く進むこともあり、グランクリュを始めて試したい方にオススメです。
9位 バタール・モンラッシェ・グラン・クリュ パスカル・マルシャン
バタール・モンラッシェ・グラン・クリュ パスカル・マルシャン
産地:フランス、ブルゴーニュ
品種:シャルドネ
ボーヌに本拠を構える自然派の造り手で、完全なビオディナミ農法を行なっています。
オレンジピールやレモンのアロマにバタークロワッサンのニュアンスも感じ、口当たりは非常に柔らかくエレガントです。
力強い酸とミネラル感で骨格のしっかりしたリッチな仕上がりです。
8位 クリオ・バタール・モンラッシェ・グラン・クリュ
クリオ・バタール・モンラッシェ・グラン・クリュ
品種:シャルドネ
ドメーヌ・フォンテーヌ・ガニャールはシャサーニュ・モンラッシェ村で最も優秀な造り手の一人です。
伝統的な醸造でクラシックなスタイルでありながらフレッシュさも愉しめるバランスの良いワイン造り出しています。
果実の凝縮感が素晴らしい、ブドウそのものの旨味ミネラル感が前面に出た清らかなワインに仕上がっています。
7位 ビアンヴニュ バタール モンラッシェ
ビアンヴニュ バタール モンラッシェ
品種:シャルドネ
フェヴレが2008年に購入したビアンヴニュ0.51haの区画から造られる大変入手困難なワインです。
グレープフルーツや白桃、洋梨などの妖艶なアロマにヘーゼルナッツのニュアンスも感じられます。
濃厚な果実味がリッチでミネラル感に溢れる艶やかな仕上がりです。
6位 モンラッシェ グラン クリュ バロン テナール
モンラッシェ グラン クリュ バロン テナール
産地:フランス、ブルゴーニュ
品種:シャルドネ
バロン・テナールはロバート・パーカー氏が絶賛する造り手です。
所有するモンラッシェ2区画の内1区画はなんとDRC所有畑のお隣!
非常にまろやかな口当たりで果実の凝縮感に溢れる奥深い味わいは感動を覚えるほどです。
長い余韻が心地よく続く、高貴でパワフルな仕上がりです。
5位 シュヴァリエ・モンラッシェ・ グラン・クリュ
ドメーヌ・ラモネ/ヴィヴァンニュ・バタール・モンラッシェ・グラン・クリュ
品種:シャルドネ
ドメーヌラモネは、ブドウ栽培は環境に配慮したリュットレゾネ(必要最低限の農薬しか使用しない栽培方法)です。
軽やかで優しい口当たりで穏やかな酸が特徴的な、妖艶で上品さが前面に出た仕上がりです。
4位 シュヴァリエ・モンラッシェ・ グラン・クリュ
シュヴァリエ・モンラッシェ・ グラン・クリュ
品種:シャルドネ
ドメーヌ・ミシェル・ニーロン は、パーカーポイント五ツ星の生産者です。
ミシュランの三ツ星レストランでは必ずオンリストされていると言われています。
年間生産量は4,000本と非常に少なく、ワインマニア垂涎の的です。
洋梨や白桃の華やかなアロマがグラスから溢れ出し、樽由来の香ばしいニュアンスが続きます。
ヘーゼルナッツの風味にミネラル感が加わり芳醇で洗練された味わいです。
3位 コント・ラフォン モンラッシェ
コント・ラフォン モンラッシェ
品種:シャルドネ
コントラフォンブルゴーニュの白ワインにおける大御所とも言われ、世界の生産者ベスト10にも選ばれた造り手です.
1998年に有機農法の認証団体より認定を受けており、現在はビオディナミを実践しています。
洋梨やゴージャスな花束を思わせるアロマにミントのニュアンスが続き、複雑さを演出しています。
滑らかな口当たりに引き締まった酸が特徴的。
エレガンスさやバランスを重視するラフォンのスタイルがそのまま反映された、気品溢れる仕上がりです。
2位 シュヴァリエ モンラッシェ グラン クリュ ドメーヌ ルフレーヴ
シュヴァリエ モンラッシェ グラン クリュ ドメーヌ ルフレーヴ
産地:フランス、ブルゴーニュ
品種:シャルドネ
ドメーヌルフレーヴは、ピュリニーモンラッシェ村でずば抜けて秀逸なワインを造るとして非常に人気の高いドメーヌです。
1990年よりビオディナミを採用、よりバランスの良い複雑みを増した仕上がりになりました。
黄色い花束のような華やかアロマに火打ち石ようなミネラル感が続きます
。凝縮した果実感に引き締まった酸、スパイシーな長い余韻愉しめる極上の1本です。
1位 モンラッシェ グランクリュ DRC
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ DRC モンラッシェ
品種:シャルドネ
DRCが造る唯一の白ワインです。
DRC所有の畑はなんと0.67haのみの極小で生産量は年間約2700本のみ、これはロマネコンティの半分以下です。
希少価値はロマネコンティの倍以上、幻のシャルドネは世界で最も優れた高価な白ワインとして称賛され続けています。
ほかの造り手のモンラッシェと比較しても、果実の凝縮感やブドウそのものの優しい甘さが突出しており、果てしなく豊かで高貴な味わいに度肝を抜かれます。
ロバート・パーカー氏に「気絶するほど素晴らしい辛口ワイン」と言わしめた、神がかった1本です。
モンラッシェまとめ
世界最高峰の白ワインモンラッシェ、人生においての節目や大きなお祝いの時には是非飲んでみたい憧れのワインですね。
今回はグランクリュをご紹介しましたが、もっとリーズナブルに愉しみたい場合は、プルミエクリュや村名ワインがオススメです。勿論モンラッシェ同等の味わいとまではいきませんが、村や造り手の特徴を加味して選んでみるのも良いと思います。
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