【ソムリエ執筆】五大シャトーとは?値段、当たり年、セカンドワインまでご紹介!

2019/07/07
ワイン

世界のワインを牽引していると言っても過言ではない五大シャトー!

今日はその魅力に迫るとともに、グレードヴィンテージやセカンドワインもご紹介いたします。

記事の監修者

篠崎 裕江

日本ソムリエ協会認定 ソムリエ

好きなワインは枯れかけてきたブルゴーニュの赤と、Blanc de Blancs のシャンパーニュ! 大学時代、ワインの魅力にはまり勉強を始める。都内のホテルに就職し資格取得後はソムリエとして活躍。 その後ワイン商社勤務を経て現在はアメリカ在住。 スーパーで、日本では手に入らないようなデイリーワインを物色するのが楽しい今日この頃…

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※販売数には限りがございますので、売り切れの際は何卒ご容赦ください。

 

五大シャトーとは

フランスを代表する世界最高峰のワイン銘醸地と言えばブルゴーニュとボルドーが挙げられます。

その中でも特に有名なものといえば、やはりボルドー地方「メドックの格付け」です。

当初は4シャトー!?

これは1855年にパリ万国博覧会に併せてナポレオン3世が選定したもので、メドック地区のシャトーが5級から1級まで格付けされています。

第1級に格付けされたシャトーは、1855年の段階では下記の4シャトーでした。

・シャトー・ラフィット・ロートシルト
・シャトー・ラトゥール
・シャトー・マルゴー
・シャトー・オー・ブリオン

 

シャトー・ムートン・ロートシルト加わる

その後1973年第2級から1級に昇格したのが下記の1シャトーです。

・シャトー・ムートン・ロートシルト

1級に格付けされた偉大な5つのシャトーが、「五大シャトー」と呼ばれています。

五大シャトーは格付け制定時から今日に至るまで、世界的にトップクラスの高い評価を受け続けています。

 

それぞれのシャトーとワインについてご紹介します。

シャトー・ラフィット・ロートシルト

シャトー・ラフィット・ロートシルトは、「格付け第1級シャトーの中で1位の座」に君臨する気品に溢れる力強いワインです。

要するにメドックの中で頂点に立った最も有名なシャトーなのです。先日国賓として、トランプ大統領夫妻を迎えて開かれた宮中晩餐会「歓迎の宴」にて、ラフィットの1996年が供されました。

 

シャトー・ラフィット・ロートシルトの特徴

ラフィットはあえて樽での熟成期間を減らし、ワインにフレッシュでフルーティな味わいを残しています。

繊細さと力強さを兼ね備え、芳醇な香りとシルクに包まれるような滑らかな飲み心地には度肝を抜かれます。

 

シャトー・ラフィット・ロートシルトの価格

750mlでは、相場は、80,000円~110,000円です。

 

シャトー・ラフィット・ロートシルトの当たり年

おすすめの当たり年は、2014年、2012年、2011年、2000年、1999年です。

>>シャトー・ラフィット・ロートシルトを詳しく解説

 

シャトー・ラトゥール

エチケットに描かれた塔がシンボル、5大シャトーの中でも非常にパワフルで濃厚、しっかりとしたタンニンを持ちあわせた男性的なワインです。

長期熟成のポテンシャルは他シャトーの追随を許さないほどです。

 

シャトー・ラトゥールの特徴

ラトゥールは非常に素晴らしいテロワールに恵まれていながら、常に高い品質にこだわりを持っています。

五大シャトーで唯一、プリムール販売取り止めて飲み頃になってからリリースするなど、徹底した品種主義を貫いているシャトーです。

 

シャトー・ラトゥールの価格

ネットでのボリュームゾーンは90,000円~110,000円です。

 

シャトー・ラトゥールの当たり年

シャトー・ラトゥールのおすすめのグッドヴィンテージは、2009年、1996年、1982年です。

>>シャトー・ラトゥールを詳しく解説

 

シャトー・マルゴー

シャトー・マルゴーは 5大シャトーの中で、最も女性的なワインです。マルゴーはアメリカ出身の世界的文豪ヘミングウェイが愛して止まなかったワインとしても、大変有名です。

 

シャトー・マルゴーの特徴

芳醇で複雑な香りにしっかりとしたボディ、ふくよかで妖艶な味わいは、ボルドーの宝石やワインの女王とも表現されるほど魅力に溢れています。

長期熟成により複雑さや奥行きが更に増して、より魅惑的なワインへと変化していきます。

畑での作業は伝統にこだわり手作業、肥料は有機のみを使用、五大シャトーである事に甘んじる事なく、常に高いレベルを求めて躍進しているシャトーです。

 

シャトー・マルゴーの価格

ネットでのボリュームゾーンは100,000円前後です。

 

シャトー・マルゴーの当たり年

おすすめの当たり年は、2009年、2010年、2015年です。

>>シャトー・マルゴーを詳しく解説

 

シャトー・ムートン・ロートシルト

1973年の格付けで一級へと昇格したシャトー・ムートン・ロートシルトは、毎年異なる著名画家が描くエチケットが、ワインコレクターに人気です。

 

シャトー・ムートン・ロートシルトの特徴

その華やかでリッチな味わいから心を奪われると賞賛されるほどです。

豊かなボディとしっかりしたタンニン、ダウンに包まれるように柔らかな口当たりとのバランスは最も理想的な赤ワインと賞賛されています。

ブドウ栽培にはリュットレゾネ(減農法)、樽での熟成期間は20カ月にも及びます。

 

シャトー・ムートン・ロートシルトの価格

80,000円~100,000円が現在出回っているボリュームゾーンです。

 

シャトー・ムートン・ロートシルトの当たり年

おすすめのヴィンテージは、近年ものでは2000年、2014年、2013年、古いものでは1982年です。

>>シャトー・ムートン・ロートシルトを詳しく解説

 

シャトー・オー・ブリオン

シャトー・オー・ブリオンは1855年格付発表時、例外的にメドック以外のグラーブ地区から第1級に選出されたワインです。

シャトーの規模もそれ程大きくはありませんが、伝統守りながらも積極的に技術の革新に取り組んでいます。

 

 

シャトー・オー・ブリオンの特徴

他の4シャトーよりもメルローの比率が高く、最もエレガントで滑らかだと称賛されています。

また五大シャトーの中では一番リーズナブルな価格で取り引きされているワインです。

 

シャトー・オー・ブリオンの価格

日本で一般に出回っているシャトー・オー・ブリオンの相場は7万円台~10万円台ほどです。

 

シャトー・オー・ブリオンの当たり年

おすすめは1989年、2000年、2014年です。

>>シャトー・オー・ブリオンを詳しく解説

 

五大シャトーのセカンドワイン

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セカンドワインとは

セカンドワイン(またはセカンドラベル)とは、ボルドーの有名シャトーでファーストワインとしてはほんの僅かだけ基準に満たなかったワインに、別の名前をつけてリリースしたワインを指します。

例えば、まだ樹齢の若い樹からのブドウ、僅かに品質に達していないと判断されてはじかれたブドウや樽のワインが、セカンドワインとして価格帯を下げて売り出されます。

醸造の手法やシャトーこだわりなどはそのまま表現されたワインが、リーズナブルに入手出来るということです。

 

カリュアド・ド・ラフィット

カリュアド・ド・ラフィット

詳細情報
味わい:フルボディ
産地:フランス、ボルドー
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン48%、メルロ47%、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド

シャトー・ラフィット・ロートシルトのセカンドワインです。

カリュアド・ド・ラフィットは1845年にラフィットが購入した畑の総称「カリュアドの丘」に由来しています。

イチゴや黒すぐりなどの芳醇な果実のアロマに、ヴァニラの上品な香りからシガーやスミレのニュアンスが加わり複雑さを増します。

繊細な酸にしっかりとしたタンニンとのバランスも良好、ジューシーな果実感のあるセカンドワインです。

 

レ・フォール・ドゥ・ラトゥール

レ・フォール・ドゥ・ラトゥール

詳細情報
味わい:フルボディ
産地:フランス、ボルドー

シャトー・ラトゥールのセカンドワインです。

レ・フォール・ドゥ・ラトゥールは、3分の1は樹齢の若い樹から、3分の2がランクロ以外の畑から収穫されたブドウによって造られます。

醸造方法は全く同じ、セパージュの比率はファーストよりもメルローが多目です。

ジューシーで豊かな果実味にマイルドな酸と丸みを帯びた仕上がりは、ファーストに肩を並べる勢いの気品に溢れたワインです。

 

パヴィヨンルージュ・デュ・シャトー・マルゴー

パヴィヨンルージュ・デュ・シャトー・マルゴー

詳細情報
度数:15 %
味わい:フルボディ
産地:フランス、ボルドー
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネフラン、プティヴェルドー

シャトー・マルゴーのセカンドワインです。

パヴィヨンルージュは、ファーストよりも樹齢の若い樹からのブドウで造られます。

ただしワインのスタイルはシャトー・マルゴーとは少し異なり、あえてファーストに使用しているメルローを用いています。

それにより果実味がチャーミングでより柔らか味わいのスタイルに仕上がっています。味わいの異なるもう一つのシャトーマルゴーとも呼べるパヴィヨンルージュはコスパ的にも最高です。

 

ル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロートシルト

ル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロートシルト

詳細情報
味わい:フルボディ
産地:フランス、ボルドー

シャトー・ムートン・ロートシルトのセカンドワインです。

ムートンと同じ区画のまだ樹齢の若い樹のブドウを中心に造られています。

ヴィンテージによってはムートンよりも生産本数が少なく、大変希少で入手困難なセカンドです。

黒系果実やコーヒー、フローラル、スパイスなどの豊かな香りに気品溢れる穏やかな口当たりと果実の凝縮感溢れる味わいで、長い余韻が素晴らしい仕上がりです。

 

クラレンス・ド・オー・ブリオン

クラレンス・ド・オー・ブリオン

詳細情報
味わい:フルボディ
産地:フランス、ボルドー

シャトー・オー・ブリオンセカンドワインです。

クラレンス・ド・オー・ブリオンは、シャトー・オー・ブリオンと全く同じ畑で収穫したブドウを使用しており、樹の樹齢が若いブドウから造られています。

醸造などは全てファーストラベルと同じであり、ロバートパーカー氏に「ボルドーで最高のセカンドワインのひとつである」と言わしめたコストパフォーマンスに優れたワインです。

チャーミングアロマに伸びやかな酸とミネラル感が特徴的、繊細でありながらパワフルな骨格です。

 

五大シャトーまとめ

 五大シャトーという一括りになっていても、それそれのシャトーごとに歴史の背景やこだわりなどは異なります。

味わいももちろん世界のトップレベルですが、それぞれのシャトーで特徴やスタイルは異なり、そこが面白いところでもあります。

特別なお祝いにはやはり五大シャトーがふさわしいですよね。

また、ボルドー地方には五大シャトー以外にも高級赤ワインの産地として有名な「シャトー・ペトリュス」があります。

>>ペトリュスについて詳しくはこちら

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