エミリア・ロマーニャは、イタリア北部の美食の地として名高い州です。
日本人にも馴染み深いボロネーゼ・パスタを始め、チーズ、生ハム、バルサミコ酢などイタリア料理に必須の美味な食材が豊富にあり、食通も多いことで知られています。
そんなエミリア・ロマーニャで造られる美味しい白ワインについて、選び方のポイントやおすすめをご紹介します。
目次
エミリア・ロマーニャとは
山岳地帯の多いイタリアでは珍しく、エミリア・ロマーニャ州の半分は平野が占めています。
名前の通り州を2つに分けることができ、州都ボローニャより西を「エミリア地方」、東を「ロマーニャ地方」と呼びます。この 2つの地方は歴史や文化、ワインも造り方が異なります。
ロマーニャ地方では、アルバーナやトレッビアーノを代表するブドウを使用した爽快な白ワインが有名で、エミリア地方では赤白問わず様々なワインが造られます。
エミリア・ロマーニャの白ワインの特徴
エミリア・ロマーニャの白ワインは、ブドウの品種の多さもさることながら、甘口から辛口まで幅広く造られています。辛口は主にイタリア料理らしい濃い味付けのパスタや魚介料理に合わせて飲まれ、甘口は食後のデザートのお供や、デザートワインとしても愛されています。
エミリア・ロマーニャはイタリアきってのグルメの州なので、同州の白ワインとその地方の食べ物のマリアージュが最も王道です。郷土料理を最も引き立たせる白ワインとも言えます。
エミリア・ロマーニャの白ワインの選び方
味わいで選ぶ
エミリア・ロマーニャの白ワインは、甘口、やや辛口、辛口と、味わいが豊富にそろっているため、合わせる料理やあなたの好みによって選ぶことができます。
甘口も辛口も飲める方は、その日の気分で味わいを変えてエミリア・ロマーニャの白ワインを楽しむのもいいと思います。
甘口
エミリア・ロマーニャの甘口白ワインには、パッシートと呼ばれる、収穫したブドウを陰乾しして糖度を高めてから造るものと、弱発泡性のものがあります。どちらもソフトかつフレッシュな口当たりです。
地元では、甘口ワインを食後のデザートと合わせます。イタリアの「チャンベッラ」というケーキと甘口ワインをマリアージュさせ、ワインもデザートの一部にする。それがイタリア流の甘口ワインの楽しみ方です。
辛口
エミリア・ロマーニャの辛口白ワインは、しっかりとしたアルコールを感じさせながらも爽やかなフローラルやフルーツの香りを残します。飲み口がすっきりとしているので、次々とグラスが進む方も少なくありません。
ブドウの品種により酸味は多少異なりますが、基本的には上品でミネラル感にあふれています。現地の名物料理であるパスタや伝統の魚介料理、また同じく名物であるフレッシュチーズとも好相性です。
品種で選ぶ
エミリア・ロマーニャ州では、世界中どこでも栽培されているブドウのほか、この土地に古くから根付いているブドウの品種も多くあります。
それぞれのブドウには個性があり、造られるワインの味わいも異なってくるので、好きなブドウの品種を見つけてワイン選びをより楽しんでください。
アルバーナ
アルバーナはエミリア・ロマーニャ州で広く普及している、代表的な品種で、古代ローマ人がこの地に持ち込んだと言われるほど歴史のある品種です。生命力は強いのですが繁殖力には欠けるため、房を長く残すように剪定します。
糖度が高く、それでいて酸味のバランスもいい品種なので、辛口から甘口までどんな白ワインも造ることができます。
甘口はドライフルーツのような凝縮した香りにハチミツのアロマ、辛口はフルーティーさの中に酸とミネラルが混じりあうキレのいいワインとなります。
トレッビアーノ
トレッビアーノは世界で2番目に多く栽培される白ワイン用のブドウです。こちらも歴史はローマ時代にまでさかのぼり、エミリア・ロマーニャ州で栽培されるものはトレッビアーノ・ロマニョーロ種と呼ばれます。
ブドウそのものがフレッシュでフルーティーな香りを持ちますが、長期熟成には向きません。そのためトレッビアーノから造られるワインは若いものが多くなっています。
グラスに注いだ瞬間から柑橘の爽やかさにあふれ、口に含むとビターレモンのようなほのかな苦みも感じられます。辛口が多く、レモンを使う料理には最適です。
パガデビット
パガデビットはボンビーノ・ビアンコとも呼ばれます。
ロマーニャ地方の東部にあるラヴェンナ、南東部にあるフォルリという地域の一部で主に栽培されている希少なブドウです。
パガデビットから造られるワインは一般的に辛口でありながらフルーティーな味わいをしっかり感じられ、トレッビアーノ種にどこか似ているとも言われます。
マルヴァジア
この品種もイタリア全土で広く栽培されています。地域によって呼び名が違うだけでなく、その栽培地が平野部か丘陵部かによって、同じマルヴァジア種でも全く違う味のワインが造られるのが特徴です。
平地の多いエミリア地方のマルヴァジアで造るものは、ほんのり緑がかった麦わらイエロー色になり、レモンや花の香りを持つアルコール度数の低い微発砲白ワインに仕上がります。
ピニョレット
エミリア・ロマーニャ州の中でも主にボローニャを中心に栽培されています。香りが高く、綺麗な酸を持つ土着品種です。
ピニョレットはギリシャに起源があるという説があり、同じイタリアのウンブリア州では「グレケット」という別名で親しまれています。実が大きく収穫量も多いので、主に特産の微発砲白ワインが造られますが、近年は良質なピニョレットから、比較的高級な白ワインも造られるようになりました。
ファモーゾ
ファモーゾは、かつてイタリアで多く栽培されていた品種です。15世紀から18世紀にかけてこのブドウが栽培されていたことを裏付ける資料も残っています。
当時の人々は、バラの花や洋梨などのアロマを持ったこのブドウから独特の複雑な芳香を持ったワインを造っていました。
いつしか他品種の台頭でほとんど絶滅しましたが、2009年にエミリア・ロマーニャ州のプロジェクト「知られざるブドウ品種」の一環として再研究され、「ファモーゾ」という品種名で国から認証されました。
価格で選ぶ
エミリア・ロマーニャ州の白ワインは比較的安価で手に入ります。1,000円を切るものから、高価なものでも10,000円を少々超える程度です。
安価なものは甘口の微発砲ワインであることも多く、エミリア・ロマーニャの方々のようにデザートワインとして食事に取り入れやすくなっています。
ソムリエ厳選!エミリア・ロマーニャの白ワインおすすめ10選
エミリア・ロマーニャ州で造られる白ワインの魅力と特徴を知っていただいたところで、ぜひ飲んでいただきたいソムリエ厳選の白ワインを10本ご紹介します。
- ・高い
- ・飲み切るのが大変
- ・他と比較できない
という悩みがありますよね。
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日常使いにおすすめ!2,000円以下
5位
ロマンディオラ ピニョレット フリッツァンテ コッリ ディモラ
原産国名 イタリア
果実 % ピニョレット100%
ヴィニターリ2010で最高金賞受賞!
ゴールドに近い鮮やかな黄色が輝く、微発泡白ワインです。
鼻を近づけてみると、青りんごや、完熟レモンなどの柑橘果実を中心としたフレッシュな果実香を感じます。優しい刺激の泡とさらっとした飲み口で飲みやすく、辛口特有のさっぱりとした酸が爽快感を演出する生き生きとしたワインです。
料理の邪魔にならないので、パスタやチーズ、ハムはもちろん、天ぷらなど和食にもよく合います。
4位
アルバーナ ディ ロマーニャ セッコ チェヴィコ
味わい 辛口
原産国名 イタリア
果実 % アルバーナ100%
イタリアで最初に「DOCG」の称号を得た白ワイン!
淡くオレンジがかった黄色が美しいです。
まずバナナのような甘い香り、それからフローラル、りんごなど様々なフルーツが豊かに感じられます。軽快な酸が喉に心地よい、手摘みアルバーナ100%のキリっと引き締まった辛口白ワインです。
程よく冷やしてぜひ魚介料理と一緒にお楽しみください。
3位
カステッリ デル ドゥーカ マルヴァジア セッコ フリッツァンテ
原産国名 イタリア
果実 % マルヴァジーアビアンカ100%
リアルワインガイド54号の旨安スパークリング特集で旨安大賞受賞!
エミリア・ロマーニャ産ならではのマルヴァジア種で造ったこのスパークリングは、ほんのりとした甘い果実や白い花々を思わせる香りを持ちます。
優しい泡立ちが飲みやすさに繋がり、清涼感のある喉越しが魅力的です。コスパの良さにも定評があります。
2位
ファモーゾ ルビコーネ 2016 ポデーリ・ダル・ネスポリ
原産国名 イタリア
メーカー名 ポデーリ・ダル・ネスポリ
ファモーゾ種100%、辛口愛好家大注目!
ロマーニャの土地を愛し、ロマーニャの地に根付くブドウを最大限に表現するワインを造り出すことに情熱を注ぐ「ポデーリ・ダル・ネスポリ社」の驚異とも呼ばれるワインです。
ステンレスのタンクで発酵と熟成をするため全体的に綺麗な造りで、オレンジなど柑橘系の花やトロピカルな香りが広がります。
エレガントな飲み心地を持ちながらも、ラベルデザインのようにフレッシュで若々しい味わいの辛口白ワインです。
1位
フリッツァンテ フォルミージネ・ペデモンターナ・トレッビアーノ・エミリア・フリッツァンテ
味わい 辛口
原産国名 イタリア
メーカー名 フォルミージネ・ペデモンターナ
果実 % トレッビアーノ100%
コスパ抜群、安旨フリッツァンテ代表!
まず、グラスに注いだ瞬間からフレッシュでフルーティーな印象があなたを包みます。
飲んでみると、朝露に光る摘みたての白い花のような香り、続いて青りんごやグレープフルーツに似た芳醇さも持ち合わせたアロマを感じ、はつらつとしたテンポのいい泡の中に複雑な果実味が広がる厚みのあるワインです。後味には、トレッビアーノ種らしくビターレモンのようなほろ苦さがあり、バランスのいい酸が余韻を長引かせます。
エミリア・ロマーニャ産の高品質フリッツァンテがこのお値段で楽しめるならば、買わないわけにはいきません。
2,000円以下!エミリア・ロマーニャの白ワイン比較表
来客用やプレゼントに!2,000円〜5,000円
5位
モンテ デッレ ヴィーニェ ポエム ビアンコ
味わい 辛口
原産国名 イタリア
メーカー名 モンテ デッレ ヴィーニェ
ブドウ畑の空気がそのまま瓶に詰まったようなワイン!
モダンな国際的スタイルを目指すワイナリーから、ブドウ畑の自然の魅力をそのまま作品にしたかのようなワインをご紹介します。
色は麦わら色で、花とフルーツがミックスされた女性的な香りを持つワインです。口当たりが柔らかく、バランスのとれた味わいが楽しめます。サラミ、白身魚、エビやカルパッチョにもよく合います。
4位
カミッロ・ドナーティ トレッビアーノ・フリッザンテ
味わい 辛口
原産国名 イタリア
メーカー名 カミッロ・ドナーティ
果実 % トレッビアーノ
エミリア・ロマーニャの伝統的な製法を楽しむフリッツァンテ!
かつて、エミリア・ロマーニャ地方で伝統的に行われていた手法にこだわって造られた微発泡の辛口白ワインです。
フィルタリングは昔ながらの木綿袋を使い、ブドウの重力以外の無駄な力は加えません。低温発酵などの温度管理も行わず、ブドウに付着していた野生の酵母を利用してビン内で2次発酵を行います。
若々しくフレッシュな味わいを楽しみましょう。
3位
ピニョレット レーノ ブランキーニ エミリア・ロマーニャ
どこか南国気分も味わえる黄色い果実味の白ワイン!
ブドウ品種はピニョレット100%。そんなピニョレットを、こちらのワイナリーでは減農薬農法にて栽培しています。
日本では馴染みのない品種ですが、前述の通りエミリア・ロマーニャ州ではボローニャを中心に、現地に根付いた品種です。このワインはマンゴーやキンモクセイといった珍しい香りを持ち、口に含むとパイナップルやパッションフルーツなどの、エキゾチックな果実味を感じます。
生ハムやアジアン料理とも相性がいいので、こちらを飲む際はぜひ合わせてみてください。
2位
カタヴェラ[2014]デナーヴォロ
メーカー名 デナーヴォロ
果実 % マルヴァジア/オルトゥーゴ
一度飲んでみてほしい!するする喉を通る不思議なワイン!
もはや、天からの恵みとしか言いようのない2014年のカタヴェラです。
前年、雨に悩まされ、使用しているブドウ(主にマルヴァジア)が水分の多いものになってしまいました。しかし生産者はそんな「不作の」ブドウもすべて使ったのです。
当然、アルコール度数は10.5%までしか上がりませんでしたが、代わりに軽快かつ清涼感のある不思議なワインに仕上がりました。香りはカリンやグレープフルーツの皮などにたとえられ、味わいも香りと同様の印象を持ちます。
最初は酸味がややきつく感じますが、飲んでいくうちに味にふくらみが生まれ、バランスのいい口当たりになります。食前酒にもふさわしいワインです。
1位
ロマーニャ アルバーナ セッコ
味わい 辛口
原産国名 イタリア
メーカー名 ファットリア パラディーゾ
果実 % アルバーナ(100%)
ロマーニャ地方のワイン造りの歴史を感じられる至高の白ワイン!
イタリアワイン界で最高峰のランクとされるDOCGに位置付けられるこちらのワイン。色はゴールドに近い麦わら色で、まるでお花畑にいるように様々なフローラルやハーブの香りを感じます。
口に含んだ瞬間にフルーティーかつまろやかな酸味が心地よく広がり、たっぷりとしたミネラルの余韻も楽しめる最高峰のワインです。
このワインを飲まずして、エミリア・ロマーニャの白ワインは語れません。軽い野菜ベースなどのパスタと合わせてお楽しみください。
2,000円~5,000円!エミリア・ロマーニャの白ワイン比較表
エミリア・ロマーニャの白ワインを楽しもう
赤の甘口微発泡ワイン「ランブルスコ」で有名なイタリア北部のエミリア・ロマーニャ州ですが、白ワインの種類や白ブドウの品種も豊富に存在します。もちろん黒ブドウも数多く栽培されていることは言うまでもありません。
エミリア・ロマーニャ州は美食家の多い地域なので、食事や場面に合わせてワインも変えて楽しむため、ワインの種類も多様になっていったと考えるのが自然です。
また、エミリア・ロマーニャの白ワインは、かなりお手頃なコスパのいいものも多数ありました。2,000円台で美味しいワインに出会えます。
あなたのテーブルワインに、エミリア・ロマーニャの白ワインもぜひ加えてみてください。
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