お寿司に合わせてワインを飲もうと思っても、いろいろなタイプがあって、正直どのようなワインを選んだらいいのか迷いますよね?
お寿司に合うのは、フレッシュ感のあるワインです。
今回は、ソムリエがお寿司に合うワインのポイントや選び方のコツ、ネタごとのおすすめワインをご紹介いたします!
目次
お寿司×ワイン マリアージュの鉄則
これが重要!ネタとワインの「色」を合わせる
フレッシュ感のあるワインの中から何を選ぶか、という時に重要になるのが「色」です。
ネタの持つ色合いと、ワインの色を合わせて選んでいきます。
白身のネタには白ワイン、赤身のネタには赤ワイン、ピンクのネタにはロゼワイン、という具合です。
ひと昔前は、「魚には白ワイン、お肉には赤ワイン」などと言われていましたが、現在はそういう考え方はあまりなくなりました。
「魚だから白ワインで決まり」、ということではなく、まずは身の色合いによって合わせるワインの色を決めます。
さらに、ネタにすだちや薬味を合わせるか、調味料に何を使うか、などから具体的なワインを決めていきます。
爽やかに食べる工夫が成功の秘訣!白身ネタ×白ワイン
淡泊な白身の魚介類には爽やかな白ワイン
タイやヒラメなど、淡泊な白身の魚介類には、フレッシュ感のある爽やかな白ワインを選びましょう。
レモンのような引き締まった酸味を持つシャルドネは、特におすすめ!
また、ハーブ香を持つソーヴィニヨン・ブランも合わせやすい白ワインのひとつです。
実際のお寿司でも、あさつきやしょうがなどの薬味をネタに乗せることがありますが、こういったワインは薬味をうまく引き立て、口中の味わいをきれいにまとめてくれます。
甘味を持つネタには、優しい甘味を持つ白ワイン
イカやホタテのように少し甘味を持つネタには、ドライすぎず優しい甘味を持つドイツのリースリングなどが合わせやすいでしょう。
白ワインと白身のネタを合わせる際には、ミネラル分豊富な自然塩で食べるのも乙。
魚介類も白ワインもミネラルをたっぷり含んでいるので、お醤油よりも寿司ネタとワインの味の繋がりがよくなります。
味がとがり過ぎると感じる場合は、オリーブオイルを少し付けてもおいしいですよ。
お醤油とタレでさらに引き立つ!赤身ネタ×赤ワイン
ライトボディがおすすめ
絶対合わないでしょ!と思われがちなのが、寿司ネタと赤ワイン。
しかし、ライトボディでフレッシュ感のあるタンニン少なめの赤ワインは、実は赤身のネタと相性抜群です。
赤身魚が持つ鉄分を感じる独特の風味は、ドライな白ワインを合わせると、かえって生臭さを感じてしまいます。
赤ワインにも酸味やミネラル感はありますが、白ワインほど鋭角的には感じず、もう少し柔らかです。
また、赤身魚が持つヘモグロビンに由来する鉄分は、お肉にも共通する成分なので、味わいに違和感がありません。
醤油にもこだわる
赤ワインで赤身ネタをいただく場合は、相性のいいお醤油を合わせましょう。普通のお醤油もいいですが、ピノ・ノワールなどはアミノ酸を多く含むため、旨味たっぷりの出汁醤油も合わせやすいです。
赤身ではありませんが、最後に甘いタレをつけて仕上げる煮穴子や干瓢の細巻も赤ワインとは最高の組み合わせです。
「同色マリアージュ」は正しい!ピンクのネタ×ロゼワイン
ピンクのネタって、面白い表現ですよね。これ、サーモンやエビのことです。
白身や赤身は色合いがはっきり分かれており、成分的な裏付けもあるので「同色同士のマリアージュ」は当然成立しますが、中間色のピンクのネタについては、この記事を書くにあたって実際に検証してみました。
結果、ピンクのネタには白も赤も違和感があるのに、ロゼは驚くほどしっくり味がまとまるんですね。「同じ色合いを持つもの同士のマリアージュ」の正しさが証明される組み合わせとなりました。このほか、赤貝やタコなどもロゼと相性がよかったです。
サーモンや赤貝、タコにはすっきりドライなロゼが、また、エビのように少し甘味のあるネタにはコクのあるロゼが合わせやすいでしょう。
ロゼには赤ワインに近い要素もあるので、お醤油もいけますが、ピンクソルトのような柔らかい味わいの岩塩も、ネタの個性を引き立てて面白いです。
NGワードは「木樽熟成」!お寿司に合わないワイン
お寿司は生の魚介類を楽しむお料理。シンプルでフレッシュ感のあるワインには合いますが、複雑な要素を多く持つ熟成ワインは合いません。
中でも気を付けてほしいのが、木樽熟成を行っているワイン。
樽由来のバニラのような甘い香りや香ばしいニュアンスは、お寿司とはまったく合いません。
高級なワインは、概して木樽での熟成を経た複雑感のあるものが多いので、注意が必要です。
お寿司とワインのマリアージュということで、ちょっと高級なワインを合わせようとすると、失敗する可能性があります。
また、寿司ネタは繊細な味わいなので、インパクトの強いワインと合わせるとお寿司の味が飛んでしまいます。
暑い地域で造られた果実味が凝縮したワイン、また重厚で渋味の強い赤ワインも寿司ネタとはマリアージュしにくいので、選ばないのが無難です。
お寿司に合うおすすめワイン9選
では、ここからは、お寿司と相性のいいワインをネタに合わせてご紹介していきます。
白身のネタに合うおすすめワイン
タイ、ヒラメ淡泊など 淡泊なネタに
ジャン・マルク・ブロカール シャブリ・サント・クレール
柑橘の酸味が淡泊なネタに立体感をもたらす
ピュアでミネラリーなワインを造るために、木樽はあまり使用せず、主にステンレスタンクで造られるジャン・マルク・ブロカールのシャブリ。
ライムやレモンを思わせる引き締まった酸が、淡泊な白身にすだちを搾ったような効果をもたらすことで、味わいに立体感が生まれます。
アジなど 薬味が添えられる光り物に
ウィリアム・フェーヴル サン・ブリ
ワインの持つハーブ香でさらに爽やかに
シャブリの有名な造り手、ウィリアム・フェーヴルが手掛けるサン・ブリ。
このワインはソーヴィニヨン・ブランから造られており、特徴的な香りにハーブ香があります。
この青っぽい香りは、光り物の薬味として添えられるあさつきに近いニュアンスなので、アジなど薬味を添えて食べるネタには最適。
これを合わせることで、ワインとネタの間に調和が生まれ、とてもいい組み合わせとなります。
イカ、ホタテなど 甘味を感じるネタに
フォン・ウィニング リースリング・トロッケン
ドライすぎない柔らかワインでネタに寄り添って
イカやホタテなどは、噛むごとに口の中に甘味が広がるネタ。ドライなワインを合わせてしまうと、せっかく口中に広がった甘さの余韻が、切れのいい酸味で洗い流されてしまいます。
その点、フォン・ウィニングのリースリング・トロッケンは、辛口であってもふんわりと柔らかな果実の甘味があり、ネタの余韻に優しく寄り添ってくれます。
お寿司を食べる際には用意しておきたい、頼りがいのある1本です。
白身に合うワイン比較表
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() |
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商品名 | フォン・ウィニング リースリング・トロッケン | ウィリアム・フェーヴル サン・ブリ | ジャン・マルク・ブロカール シャブリ・サント・クレール |
詳細 | 生産国:ドイツ、品種:リースリング | 生産国:フランス、品種:ソーヴィニヨン・ブラン | 生産国:フランス、品種:シャルドネ |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
赤身のネタに合うおすすめワイン
サンマなど 鮮度が命のネタに
ジョルジュ・デュブッフ ボージョレ・ヌーヴォー
出来立ての新酒と合わせてフレッシュに
ガメイ種のワインは渋味が少なく、酸味と果実味のバランスが取れた軽やかなものが多いので、お寿司に合わせやすい赤ワインのひとつ。その中でも毎年11月の第3木曜日に解禁される新酒、ボージョレ・ヌーヴォーは、その年に収穫したぶどうを使って造った出来立てのワインなので、フレッシュ感たっぷり。
ジョルジュ・デュブッフは日本でも名前を知られたボージョレの老舗で安心できる造り手。
サンマのような鮮度が命の赤身に最適なワインです。
マグロなど 寝かせて旨味を持たせるネタに
ルイ・ジャド ブルゴーニュ・ルージュ・クーヴァン・デ・ジャコバン
出汁の旨味を持つ赤と合わせて赤身の味わいを引き立てる
ピノ・ノワールは赤ワインの中でもアミノ酸を多く含んでいる品種なので、マグロのように少しネタを寝かせ、旨味を引き出しているネタとの相性が抜群です。
穏やかでシルキーなタンニンと、旨味成分たっぷりの赤ワインは、マグロ、取り分け中トロや大トロとは抜群の組み合わせ。
高級すぎるワインは熟成感がありお寿司とは合わないので、リーズナブルなランクのワインを選びましょう。
煮穴子など タレが付くネタに
フォンタナ・フレッダ バルベーラ・ダルバ
カジュアルな果実味とタレの甘さを調和させて
バルベーラはイタリアのピエモンテ州で人気のカジュアルなぶどう品種。
酸味も豊かなので酢飯との相性もよく、チャーミングな果実味が詰めだれの甘さに寄り添います。このワインを手掛けるのは、ピエモンテの名門、フォンタナ・フレッダ。
タンニンも控えめなので、生の赤身ネタに合わせてもおいしいです。
赤身に合うワイン比較表
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() |
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商品名 | フォンタナ・フレッダ バルベーラ・ダルバ | ルイ・ジャド ブルゴーニュ・ルージュ・クーヴァン・デ・ジャコバン | ジョルジュ・デュブッフ ボージョレ・ヌーヴォー |
詳細 | 生産国:イタリア、品種:バルベーラ | 生産国:フランス、品種:ピノ・ノワール | 生産国:フランス、品種:ガメイ |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
ピンクのネタに合うおすすめワイン
赤貝など 磯の香りの強いネタに
ミラヴァル コート・ド・プロヴァンス・ロゼ
磯の風味に添う南仏の爽やかロゼ
ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが別荘として所有したことでも有名なシャトー・ミラヴァル。
標高が高いこと、日較差が大きいことからぶどうにはきれいな酸が乗り、味わいのバランスも抜群。
旨味のある塩味を持つことから、赤貝など磯の風味が強いネタにも対応できます。
冷やし過ぎずに楽しみたい1本です。
サーモンなど 脂の乗ったネタに
マレノン・クラシック・ロゼ
清涼感のあるお値打ちロゼ
ローヌ地方の協同組合が手掛ける、リーズナブルで高品質なロゼが、このマレノン・クラシック。赤いベリー系の香りと柑橘に近いシャープな酸を持ち、ネタの旨味に添いながら、
レモンを搾ったような薬味効果もある、お値打ちロゼです。
甘エビなど 甲殻類のネタに
モンテス・シェラブ・ロゼ
ミネラル豊かな土壌が生み出す高品質ロゼ
チリのモンテスが造る、フレッシュでミネラリーなロゼワイン。チェリー系の風味があり、溌剌とした中にもシラー由来のスパイスが香るエキゾチックな1本。
甲殻類の独特なコクや甘味をうまく引き立ててくれる、華やかで汎用性の高いワインです。
ピンクのネタに合うワイン比較表
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() |
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商品名 | モンテス・シェラブ・ロゼ | マレノン・クラシック・ロゼ | ミラヴァル コート・ド・プロヴァンス・ロゼ |
詳細 | 生産国:チリ、品種:シラー、グルナッシュ | 生産国:フランス、品種:グルナッシュ、シラー | 生産国:フランス、品種:サンソー、グルナッシュ、シラー、ロール |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
どんな寿司にも合う万能なワイン
上記のように、ワインと相性のいい寿司ネタがある一方、やはりワインと合わせにくい寿司ネタがあるのも事実です。また、お店によってはネタごとにワインを変えられない可能性もありますよね。そんな時、頼りになる強い見方がスパークリングワイン。
1本でいろいろなネタに対応できるお役立ちワインなので、困った時にはぜひオーダーしてください。
シャンパーニュ
シャンパーニュは、滓引きをせずに一定期間熟成を行うので、ワインの中でもアミノ酸の豊富なお酒。寿司ネタにはとても相性がいいワインです。
また、ほかのワインとは合わせにくいネタでも、発泡性のシャンパーニュならば違和感なく合わせることができます。1本でお食事を通したい場合には絶好のワイン。ぜひ一度、合わせてみてください。
ジョセフ・デプロワ・ブリュット
「なんでもござれ」のすごいヤツ!
お寿司に合うのは分かっていても、価格が高いのがシャンパーニュの欠点です。でも、このシャンパーニュは3,000円以内で購入でき、なおかつ高品質。
きめ細やかで繊細な泡、熟成によって得られる旨味は、まさに困った時の味方!ほかのワインでは対応できない魚卵のネタも、このシャンパーニュならばっちり。
ピノ・ノワールの比率が高いので、赤身ネタやピンクのネタとの相性も抜群です。
まとめ
お寿司と合わせるワイン、いかがでしたか?日本酒、焼酎と素晴らしいお酒がある中で、あえてなぜワインなの?というご意見もあると思います。
でも、現在では和食も国際的に認知されてきており、その中でもお寿司は世界的に人気のあるお料理。
日本人のみならず、世界の人にもお寿司とワインのおいしい組み合わせをもっと知っていただけたらいいですよね!
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