ワインに合うものは?との質問で真っ先に浮かぶのはチーズですよね。
世界には様々なチーズがあり、その美味しさを引き出すワインと共に楽しめばチーズもワインも美味しさが2倍になります。
今回はワインとチーズのマリアージュについて基本を解説するとともに、選ぶ際のポイントやタイプ別にソムリエ厳選お勧めのワインをご紹介いたします。
目次
ワインに合うチーズの選び方
ここでは様々な要素からチーズに合うワインの選び方をご紹介していきます。
同じ産地を選ぶと相性がいい
一般的にワインと同じ産地のチーズを選ぶと相性が良いです。
そんな適当な選び方で本当に合うの?と思う方も多いかと思いますが、あながち間違いではないんです。
同じ又は近い場所で作られるもの同士は、その土地の風土や文化も似ているので、造られたワインと出来上がったチーズは自然と相性も良くなります。
更に、フランス人は昔からワインと一緒にチーズを食べる習慣があります。その為それぞれの産地で造られるワインに合わせてチーズも作られているんです。
風味の強さを揃える
味わいがしっかりしたパワフルなチーズには、樽香の効いたシャルドネやフルボディの赤ワインが相性が良いです。
軽やかな味わいのチーズは、ソーヴィニヨンブランやピノノワールなどとに合います。
また味わいや香りに共通点を見つけて合わせると相乗効果が現れます。
熟成の度合いを揃える
チーズもワインと同じように熟成することにより風味や味わいは大きく変わってきます。
上記で述べた共通点になりますが、フレッシュなチーズには軽めのワイン、熟成の進んだチーズには熟成したワインがよく合います。
ただし、過度に熟成したチーズは主張が強すぎるのでグランヴァンとはあまり相性がよくありません。グランヴァンのデリケートで複雑な香りを損ねてしまうからです。
塩味の強いチーズには酸味の強いワイン、または甘いワインを
青カビタイプのチーズは塩味が強いので、酸味が強めのワインまたは甘口ワインとの相性が良いです。
イギリスのブルーチーズ スティルトンにポートワインを合わせるのは定番です。
次の章からはチーズをタイプ別に解説し、相性の良いワインとおすすめのワインを厳選してご紹介いたします。
様々なシーンに役立つと思いますので是非参考にしてください!
フレッシュタイプに合うワイン
フレッシュタイプとは、熟成させていないチーズの事で柔らかな口当たりとほのかな酸味もありさわやかな甘みも感じられるチーズです。
フレッシュタイプにはリコッタチーズ、モッツァレラ、クリームチーズ、マスカルポーネなどがあります。
相性のよいワインは、スパークリングワイン、軽い白ワインやロゼワインです。
リコッタチーズにおすすめのワイン
ベリンジャー カリフォルニア・ホワイト・ジンファンデル
味わい 甘口
原産国名 アメリカ合衆国
メーカー名 サッポロビール
果実 % ジンファンデル
ジンファンデルのロゼワイン、フルーティな香りでほんのり甘口、爽やかでキリっとした酸が特徴です。
口当たりの軽いロゼワインには、同じようにライトであっさりした味わいのチーズがよく合います。
モッツァレラチーズにおすすめのワイン
マストロベラルディーノ マストロ グレコ・ディ・トゥーフォ
原産国名 イタリア
メーカー名 マストロベラルディーノ
果実 % グレコ100%
イタリアワイン最高のDOCGワイン
柑橘系の香りから洋梨のような可憐華な香りが印象的でドライな味わい。スッキリした酸味で心地よい余韻が長く続くグレコ100%の白ワイン。
マストロベラルディーノは、カンパーニャでNo.1と言われるカンティーナ!
カンパーニャ地方の郷土料理とワインの組み合わせ、ミネラルが豊富な辛口白ワインはチーズだけでなくトマトとも好相性です。
セミハードタイプに合うワイン
チーズを作る工程で水分を減らして半硬質にしたチーズで、種類も豊富、癖がなく食べやすいのが特徴です。
熟成のペースが穏やかで保存性が高いのも特徴です。長期熟成により旨味が深まり、風味も濃厚になります。
セミハードタイプにはゴーダ、フォンティーナ、マリボーなどがあります。
相性の良いワインは、辛口白ワイン、スパークリングワイン、ライトボディの赤ワインです。
ゴーダチーズに合わせるならこのワイン
ヴァン ド ペイ デュ ヴァル ド ロワール ソーヴィニヨン ブラン
原産国名 フランス
メーカー名 オンラインワインストアWassy's
果実 % ソーヴィニヨン・ブラン100%
ハーブやグレープフルーツ、時にはカシスのニュアンスも感じられる辛口白ワイン、ストレートなミネラルが特徴。
ゴーダの程よいコクとクラッカーの塩味は酸味の効いたソーヴィニヨンブランによく合います。
ハードタイプに合うワイン
製造過程で、セミハードよりももっと水分を減らした重量のある硬質チーズです。
セミハードよりも熟成期間は長く、濃厚な旨味のあるチーズです。長い間食べ頃が持続するので一般家庭でも保存出来る扱いやすいチーズとして人気があります。
比較的多くのワインと合わせるとことが可能です。
ハードタイプのチーズはチェダー、エメンタール、グリエール、パルミジャーノレッジャーノ、ミモレット、ペコリノロマーノなどです。
相性の良いワインは、辛口白ワイン、スパークリングワイン、コクのある赤ワインです。
ミモレットにおすすめのワイン
ドメーヌ ド ラ ボングラン マコン ヴィラージュ テヴネ カンテーヌ
果実 % シャルドネ
代々継承されてきた伝統的な手法で栽培・醸造。長年除草剤や化学肥料は一切使用しないこだわりよう。はちみつレモンのような特徴的な香りにハーブやバターのニュアンスも加わり完成度の高いシャルドネ。
程よい樽香でヴァニラやバターのニュアンスがあるシャルドネはミモレットによく合います。
グリエールチーズに合わせるならこのワイン
フレデリック・マニャン ブルゴーニュ・シャルドネ
メーカー名 フレデリック・マニャン
果実 % シャルドネ100%
限りなくドメーヌに近いネゴシアンフレデリックマニヤンが手掛けた超高品質のAOCブルゴーニュです。
なんと60%以上をプルミエ、グラン・クリュの畑から調達しています。
色は淡いイエローゴールドで溌剌としたパイナップルやフレッシュアーモンドが感じられ、口に含むと美しくエキゾティックな樽香が広がります。
芳醇なアロマとコクを持ち合わせたシャルドネはグリエールの濃厚さとバケットの香ばしさ共にマッチします。
パルミジャーノレッジャーノにおすすめのワイン
カビッキオーリ・ランブルスコ・ロッソ・ヴィーニャ・デル・クリスト
メーカー名 カビッキオーリ
果実 % ソルバーラ100%
イタリアでは最高の人気を誇る生産者の微発泡ワイン、ソルバーラ100%のきめ細やかな凝縮された果実味が印象的な赤の辛口。
同郷エミリア ロマーニャの組み合わせ、タンニンが少ないワイルドな微発泡ワインは生ハムとパルミジャーノの組み合わせに最高にマッチします。
白カビタイプに合うワイン
表面が白いカビで覆われてるチーズで中身はとろりと柔らかいのが特徴です。
白カビタイプには、シャウルス、カマンベール、ブリドモー、サンタンドレ、などがあります。
相性のいいワインは、シャンパーニュ、コクのある白ワイン、ライト〜ミディアムボディの赤ワインです。
シャウルスにおすすめのワイン
アルフレッド グラシアン ブリュット ロゼ
味わい 辛口
原産国名 フランス
メーカー名 中島董商店
果実 % シャルドネ40%、ピノ・ムニエ23%、ピノ・ノワール37%
アルフレッド グラシアンは全てのベースワインを樽で発酵させる数少ない生産者です。
驚くほどのコクと複雑味を兼ね備えた魅惑のロゼシャンパーニュです。
同郷の組み合わせで、シャウルスのマッシュルームやヘーゼルナッツを思わせる香りが複雑味のあるロゼシャンパーニュとよくマッチします。
カマンベールにおすすめのワイン
ダリオッシュ シグネチャー シャルドネ ナパヴァレー
原産国名 アメリカ
メーカー名 オンラインワインストアWassy's
果実 % シャルドネ100%
均等の取れた芳醇なシャルドネ、シトラスやグァバ、ネクタリンなどの香りにミネラル感も加わり溌剌とした優しい酸も印象的です。
ブルゴーニュの白やクレマンも勿論合いますが、あえてカリフォルニアを合わせても面白いと思います。
樽香の効いたシャルドネは酸味がまろやかで、カマンベールのクリーミーさと相性良好です。特にボディがしっかりしていて果実味が濃厚なダリオッシュのシャルドネとは抜群にあう組み合わせです。
青カビタイプに合うワイン
青カビタイプは表面ではなく内部にカビを繁殖させるチーズ。青カビの部分は辛味を持ち、カビのない部分はとってもクリーミーです。
世界三大ブルーチーズはロックフォール、スティルトン、ゴルゴンゾーラ!
そのほかに、フルム ダンベール、カンボソラなども青カビタイプです。
相性の良いワインは、甘口白ワイン、酒精強化ワイン、酸味のしっかりしたミディアムボディの赤ワイン
ロックフォールに合わせるならこのワイン
シプレ ド クリマン
味わい 甘口
原産国名 フランス
メーカー名 シャトー・クリマン
シャトークリマンのセカンドでセミヨン100%の貴腐ワイン。オーク樽で18ヶ月の熟成!
優れたバランスにトロピカルフルーツを思わせる芳醇な香りにバニラの上品でゴージャスなアロマとフレッシュな酸味は驚異的、ロバートパーカーも大絶賛のセカンドワイン!
ロックフォール+ハチミツに貴腐ワインを合わせるのは定番中の定番です。
スティルトンに教科書通りではポートワインが合うとお話しましたが、ペドロ ヒメネス(甘口シェリー)も合います。
シェーブルタイプに合うワイン
シェーブルとは山羊の乳で作られるチーズのことです。実は牛乳から作られるチーズよりも歴史は古いそうですが私たち日本人にはあまりなじみがないかもしれません。酸味も強く山羊のエサになる牧草の香りが特徴です。
山羊の強烈なクセは好みが分かれると思いますが、山羊の風味が苦手なら一度グリルすることで食べやすくなります。
シェーブルにはヴァランセ、プリニー サン ピエール、サント モール ド トゥ レーヌ などがあります。
相性のいいワインは、辛口白ワイン、ロゼワイン、軽いフルーティな赤ワインです。
ヴァランセにおすすめのワイン
サンセール ラ・ブルジョワーズ
果実 % ソーヴィニヨン・ブラン100%
死ぬ前に飲むべき1001ワインに選ばれた偉大なサンセール。
上品なレモンやライムの香りが特徴でハーブ系青草の複雑味もありクオリティーの高い辛口の白ワイン。
シェーブル独特の土手の中に寝転んだ時などの草っぽい香りと軽い酸味が、サンセール の特徴と一致するため、定番の組み合わせです。
ウォッシュタイプに合うワイン
塩水やその土地のワインやブランデーなどで表面を何度も洗いながら熟成させたチーズの事で、発酵した強烈な香りが特徴です。中はクリーミーでとてもマイルド、深い味わいのチーズです。
若い頃は中心部に芯があり、熟成するに従ってとろけるような状態に変わっていきます。
表面を洗っているお酒と同じものを合わせるのも良いです。
ウォッシュタイプにはエポワース、ポン レ ヴェック、マンステール、モンドール、ラングル、タレッジオ、ショームなどがあります。
相性のいいワインはミディアムボディの赤ワイン又はシャンパーニュです。
エポワースにおすすめのワイン
フィリップ・シャルロパン・パリゾ マルサネ ルージュ
メーカー名 フィリップ・シャルロパン・パリゾ
アンリー ジャイエの教えを受け継ぐブルゴーニュトップドメーヌのひとつで37ものアペラシオンを持ちます。
紫蘇やブラックチェリーなど上品で複雑な香り、口に含むと緻密な果実の凝縮感が広がり、濃厚なスタイリながら口当たりは超滑らか。バリックで12ヶ月熟成!
※ ジュブレ シャンベルタン村をあわせるのが教科書通りですが、周辺の村や秀逸な造り手のブルゴーニュルージュと合わせてもよいです。
ラングルにおすすめのワイン
アレクサンドル ボネ グランド レゼルヴ ブリュット
メーカー名 フィリップ・シャルロパン・パリゾ
スタンダードキュベにレゼルブワインを40%も使用したコスパ最高のシャンパーニュ。
同郷の組み合わせで、きめ細やかで柔らかい口当たりとクリーミーさが、ピノノワール比率の高いシャンパーニュとよく合います。
プロセスチーズに合うワイン
プロセスチーズはクセもなく栄養価も高いので、気軽に楽しめるチーズです。日本人には馴染みのあるチーズですし、最近スーパーやコンビニなどで売っているプロセスチーズはクオリティーの高いものが増えています。
シンプルなものからスモークチーズ、サラミ風味、トリュフ風味など本当に種類も豊富なので、気取らず家でワインを楽しみたい時のおつまみにぴったりです。
相性の良いワインは、スパークリングワイン、辛口白ワイン、ロゼワイン、果実味豊かな赤ワインです。
プロセスチーズにおすすめのワイン
シャトー酒折 甲州・ドライ
味わい 辛口
原産国名 日本
メーカー名 シャトー酒折
果実 % 甲州
伊勢志摩サミットで出された事で一躍有名になったワイン。爽快な酸味と心地よいフレッシュな果実味が軽やかな辛口ワイン。2018年 Japan wine challenge 金賞!
スモークやペッパー風味のプロセスチーズにおすすめのワイン
ウルフブラス イエローラベル シラーズ
ボディー ミディアムボディ
原産国名 オーストラリア
メーカー名 Treasury Wine Estates Japan株式会社
デイリーワインには一押しのオーストリア シラーズ。プラムなどの熟したニュアンスにブラックペッパーなどのシラーズ特有のスパイシーさとほのかな樽香のバランス良好の赤。
気をつけて!赤ワインと相性の悪いチーズ
赤ワインのタンニンとチーズの酸味やミルキーさが衝突してチーズの風味を潰してしまいます。その結果、赤ワインの持つニュアンスをかき消して、酸味とタンニンが悪く強調されてしまうのです。
シェーブルやハード系のチーズは酸味が強めなので重い赤ワインとは相性がよくありません。
どちらかと言うとシャンパーニュや白ワイン、ロゼワインの方がチーズと合わせやすい傾向があります。
じゃあ赤ワインに合うチーズって?
赤ワインと合うチーズも勿論あります。例えば、ラミ・デュ・シャンベルタンというブルゴーニュ産のチーズをご存知ですか?
これはナポレオンも愛したシャンベルタンを愉しむために作られたチーズだと言われています。
高貴なシャンベルタンの力強さとしっかりとしたミネラル感に上品な酸そしてタンニンは、風味が極めて強いラミ・デュ・シャンベルタンととてもよく合います。
ちなみにラミ・デュ・シャンベルタンとはシャンベルタンのお友達と言う意味です。
チーズと赤ワイン、絶対に合わないと言う訳ではなく合わせる時にはちょっと注意が必要だと言うお話でした。
ワインとチーズのマリアージュ まとめ
ワインパーティーなどでチーズを用意したい時には、「基本ポイント」と、「合わない組み合わせ」を考えて準備すると良いのではないでしょうか。
同じ産地のチーズとワインを用意するのが難しい場合は、比較的近い場所で合わせるなど柔軟にチョイスしても十分マリアージュを楽しめます。
是非、お好みのマリアージュを見つけてみてくださいね。
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