【ソムリエ監修】リグーリアの赤ワインおすすめ5選!選び方のコツも解説

2018/11/05
イタリア

リグーリア(Liguria)と聞いても、もしかしたら地理的にピンとこない人も多いのではないでしょうか。

しかし、イタリアのジェノバと聞けば、かなりの方は想像できるはず。このイタリア最大の漁港ジェノバがあるのがリグーリアなのです。

このリグーリアでもワイン作りが盛んで、特に白ワインが多く生産されています。日本でも良質な白ワインは手に入るのですが、決して多くありません。

しかも赤ワインになると、なかなかお目にかかれない!

それもそのはず、イタリアで生産されるワインの中でも、リグーリアは生産量が少ないため、ほぼ現地で消費され、輸出されるワインが極めて少ないのです。

今回は、ワイン醸造地として少し特別な地域であるリグーリアと貴重なリグーリアの赤ワインについて紹介していきます。

記事の監修者

杉浦 直樹

J.S.A認定ソムリエ

歌舞伎役者として人間国宝 中村雀右衛門に師事。15年ほど主に歌舞伎座に舞台出演。 その後銀座のクラブマネージャーを経て、J.S.A認定ソムリエ資格を取得。 現在は支配人兼ソムリエとして、ブルゴーニュとシャンパーニュの古酒を専門としたフレンチレストランを経営する。

リグーリアのワインとは

地域的にも特徴のある生産地から生まれるリグーリアのワイン。

まずは、生産地であるリグーリアについて解説していきます。

リグーリアの概要

リグーリアは、イタリアの北西部に位置するリグーリア海に面し、東西に弓なりの形をしています。

イタリア屈指の観光地としても有名で、イタリアで最も高級なリゾート地として知られる「ポルトフィーノ(Portofino)」や、険しい海岸に色彩豊かな家が立ち並ぶ世界遺産としても有名な「チンクエ・テッレ(Cinque Terre)」もリグーリアにあります。

漁業、観光業、ブドウとオリーブの混合農業が盛んで、オリーブオイルも有名です。

リゾート地でワイン生産と思われるかもしれませんが、リグーリアは温暖な地中海洋性気候で、一年を通して温暖であり、降雨量も多くはなく、気候的にみればブドウの生産には適しているといえます。

険しい地形でのブドウ栽培

リグーリアは州の面積の約65%が山岳地帯なので、ブドウ畑などは崖を切り崩した段々畑などで栽培されることが多く、最大45度にもなる傾斜での栽培には危険が伴う事もあります。

土壌的には石灰質のミネラルが多い箇所から、粘土質のものが混ざったものまでさまざまですが、決して肥沃な土壌とは言えず、大規模なブドウ栽培には向いているとは言えません。

しかし、その土地にあったブドウを試行錯誤しながら栽培したり、収穫量などを少なくしたり、手間暇をかけて栽培するので、高い品質のブドウを栽培しています。

リグーリアのワインの生産量

地形の条件などにより、リグーリアのワインの生産量は20州ある中で、ヴァッレ・ダオスタに次ぐ、2番目に少ない地域です。

しかし最近輸出量が伸びていて、2017年は13.4百万ユーロの売上で、増加率が53.8%と急激な伸びを見せています。

また、ブドウ栽培の難しさからワインの生産者が減っていたのですが、2016年〜2017年は、ワイン事業者は8.3%も増加、リグーリアのワイン生産が活発化していることが伺えます。

リグーリアのワインの歴史

リグーリアでブドウの栽培が始まったのは古代ギリシャ時代と言われています。

古代ローマ帝国の支配によって、ブドウ栽培の技術はさらに進化し、良質なワインが生産されるようになりました。

また、ジェノバを中心に交易も盛んになり、ワインの生産もますます活発化していきました。

しかし古代ローマ帝国の崩壊とともにブドウ栽培も影を潜めてしまいます。

ワインの生産が復活してくるのはルネッサンス以降になってからです。

現在世界文化遺産にもなっているチンクエ・テッレやリヴィエラ・ディ・ポネンテなどのワインが15世紀から有名になりました。

その後時代の流れとともに、オリーブや柑橘系の農業が盛んになったり、ヨーロッパ襲ったフィロキセラの被害などで、ブドウの栽培は再度影を潜めてしまいます。

しかし20世紀後半に入り、リグーリアの独特な地形と環境で作られるワインが再評価され、ブドウ栽培も復活しつつあります。

世界遺産のワイン

歴史の中で紹介したチンクエ・テッレは、その歴史とカラフルな建物、崖にあるワイン畑などの全体的な景観が評価され、1997年に世界文化遺産に登録されました。

ブドウの生産には非常に厳しい地形の中で、良質なワインを生産してきたチンクエ・テッレは、1973年にD.O.C.を獲得し、名実ともに良質なワインの生産地として広く知られるようになっています。

さらに世界文化遺産というプレミアまでつき、リグーリアの中でも1位2位を争う有名なワインの銘醸地になっています。

リグーリアの赤ワインの特徴

リグーリアの赤ワインは、ミディアムボディからフルボディのものが多いのが特徴です。

タンニンが穏やかなものが多く、口当たりがまろやかなので、ボディの区分よりも柔らかな印象があります。

そのため、フルボディのものであっても、ミディアムボディに近いテクスチャーを感じることができるのが、とても特徴的と言えるでしょう。

どの赤ワインも果実味の凝縮感があり、アロマも華やかなので、どれも美味しいと感じてしまうかもしれませんが、微妙な味わいの違いが楽しめます。

もちろんセパージュされる割合によって味わいが変わってきますが、基本的には非常に飲みやすく、様々な料理に合わせやすいのが特徴です。

 

リグーリアの赤ワインの選び方

少しでもリグーリアの赤ワインの味わいの違いを楽しんで貰うために、いくつかの選び方を紹介していきます。

品種で選ぶ

リグーリアで生産される赤ワインの原料となるブドウ品種の代表的なものを紹介していきます。

ロッセーゼ(Rossese)

ロッセーゼはワイン名ですが、ブドウの品種名でもあります。

リグーリアの土着品種のひとつで、ドルチェアックアが原産地とされています。

ベリー系のアロマと上質なタンニン、口当たりがまろやかなワインができるのが特徴ですが、味わいが非常に繊細で、早飲みのタイプが多いのも特徴の1つです。

サンジョヴェーゼ(Sangiovese)

イタリアではポピュラーな赤ワインの原料となるブドウ品種で、トスカーナ地方で主に栽培されていますが、リグーリアでも栽培されています。

サンジョヴェーゼを主体の赤ワインが主ですが、単一での赤ワインは無く、セパージュが目的で栽培される事が一般的です

タンニンは穏やかで優しい口当たりですが、酸味との調和で引き締まったエレガントな味わいの赤いワインが生産されています。

地区で選ぶ

赤ワインの生産量は多くないリグーリアですが、東西に長い地形によって、バリエーション豊かな土壌があります。

そのため、地区によって生産されるブドウも違ってくるため、特徴のある赤ワインが生産されています。

ロッセーゼ・ディ・ドルチェアクア(Rossese di Dolceacqua)

1972年にリグーリアの中で一番初めにD.O.C.を獲得した銘醸地。

リグーリア州の最も西側にある地域に当たり、白ワインが主流のリグーリアの中で、数少ない赤ワインの生産地として知られています。

小さいながらもブドウの栽培には適した環境にあり、数多くの畑が南向きの斜面に作られていて、良質なブドウを作るのに必要な日照時間も長く取れるのが大きなメリットになっています。

また、昼と夜の寒暖差も大きいため、しっかりとした果実味を持つブドウが栽培されています。

イタリアの土着品種ロッセーゼを主体に生産する赤ワインが有名で、芳醇な果実味と、滑らかな口当たり、上品な酸味のバランスがとてもよいのが特徴です。

しかしその生産量は少なく、年間27万本の生産しかされていないため、ほとんどが観光地でもある現地で消費されています。

なかなかお目にかかれない、ロッセーゼの赤ワインですが、もし飲む機会があるのであれば、そのバランスの良い味わいから、肉料理とマリアージュさせると絶妙です。

また、酸味の効いた魚料理などとも相性が良く、カルパッチョなどとよく合います。

その他の地区

赤ワインの生産地としてはロッセーゼ・ディ・ドルチェアクアが有名ですが、その他にも特徴的な赤ワインを生産している地区があります。

コッリ・ディ・ルーニ(Colli di Luni)

ジェノバの東側、チンクエ・テッレに隣接する大規模なワインの生産地です。

D.O.C.認定もされている銘醸地で、なんと州をまたいでトスカーナ州のマッサ・カッラーラまでがその地域に該当しています。

コッリ・ディ・ルーニはもちろん白ワインが有名ですが、トスカーナにも近い事から、赤ワインも多く生産されています。

サンジョヴェーゼを主体に、カナイオーロネーロ、チリエジョーロの品種をセパージュされた赤ワインが多く、ベリー系のアロマにフレッシュな酸味とタンニンのバランスがよく、まろやかさを感じます。

しかし中には、しっかりとしたボディの重厚感があるものもあり、トスカーナワインとはひと味違う味わいが楽しめます。

赤ワインの生産地として有名な地域を紹介しましたが、チンクエ・テッレや他のワイン生産地でも、少ないながら赤ワインが生産されています。

価格で選ぶ

後ほどおすすめの赤ワインを紹介しますが、リグーリアの赤ワインは、輸出量が少なく日本ではあまり手に入らない貴重なワインなので、種類もそれほどありません。

通常デイリーワインとして選ぶ事の多い1,000円から2,000円の価格帯のワインも少なく、平均的に見ると高めです。

しかし、味わいに関して言えば価格以上の満足感があるので、3,000円以下の赤ワインであっても、デイリーワインとしてはもちろん、来客用で出しても全く問題が無い品質です。

5,000円以上の赤ワインは特別な日におすすめです。あまり手に入らないワインなので、特別な日にはもってこいでしょう。

リグーリアのおすすめ赤ワイン5選

お待たせ致しました。日本でも貴重なリグーリアのおすすめの赤ワインをいくつか紹介いたします。

日常使いにおすすめ!3,000円未満ベスト5

5位

ムレッティ ロッソ NV カンティーナ チンクエ テッレ

1,501円 (税込)

詳細情報
メーカー名:株式会社ヴィントナーズ
果実 :サンジョヴェーゼ、チリエジョーロ、ロッセーゼ、ドルチェット

2016年11月6日に日本で放送された『THE世界遺産』で取り上げられたワイナリー「カンティーナ・チンクエ・テッレ」で作られた赤ワイン。生き生きとしたフレッシュな味わいとアロマの調和がGood。とても飲みやすいのでデイリーワインとしておすすめ。

 

4位

コッリ ディ ルーニ ロッソ 2013 ルナエ ボソーニ

2,365円 (税込)

詳細情報
アルコール度数 13 %
ボディー:ミディアムボディ
メーカー名 ルナエ ボソーニ
果実 :サンジョヴェーゼ(70%)、カナイオーロ(15%)、チリエジョロ(15%)

果実豊でスパイシーな味わいに、チェリーやレッドベリーなどの芳醇なブーケが長く楽しめます。辛口でスパイシーな味わいなので、パスタや肉料理などとマリアージュさせるといいでしょう。

 

3位

チルクス リグーリア デイ レヴァンテ 2016 ルナエ

2,451円 (税込)

詳細情報
メーカー名:モンテ
果実 :マッサレータ50%、アルバロッサ25%、アリカンテ25%

生き生きとした果実味とシャープな酸味、香りは豊かでいちごのようなニュアンスを持っています。辛口で口当たりもよく、余韻も長く楽しめるので、濃い味付けの魚料理などと相性がいいでしょう。

 

2位

リヴィエラ・リグーレ・ディ・ポネンテ・ロッセーゼ・DOC

3,400円 (税込)

詳細情報
メーカー名:ア・マッチャ
果実 :ロッセーゼ100

力強いタンニンとシャープな酸味、エッジの効いたスパイスと若干の香ばしさを感じられるストラクチャーがしっかりとした赤ワイン。濃い味のこってりとした料理と非常によく合います。

 

1位

ビオ・ヴィオ リヴィエラ・リグーレ・ディ・ポネンテ ロッセーゼ ウ・バスティオ 2015

3,669円 (税込)

詳細情報
アルコール度数:12.5 %
ボディー:ミディアムライト
メーカー名 ビオ・ヴィオ
果実 :ロッセーゼ

淡いルビーの色にあった、チェリーや薔薇のような華やかなアロマが一口目から感じられます。穏やかなタンニンとまろやかな口当たり、そして余韻に残るかすかな苦味が無駄のないエレガントな味わいを形づくっています。急な来客でお出しするワインとしても十分な美味しいワインです。

リグーリアのおすすめ赤ワイン比較表

商品画像ビオ・ヴィオ リヴィエラ・リグーレ・ディ・ポネンテ ロッセーゼ ウ・バスティオ 2015リヴィエラ・リグーレ・ディ・ポネンテ・ロッセーゼ・DOCチルクス リグーリア デイ レヴァンテ 2016 ルナエコッリ ディ ルーニ ロッソ 2013 ルナエ ボソーニムレッティ ロッソ NV カンティーナ チンクエ テッレ
商品名ビオ・ヴィオ リヴィエラ・リグーレ・ディ・ポネンテ ロッセーゼ ウ・バスティオ 2015リヴィエラ・リグーレ・ディ・ポネンテ・ロッセーゼ・DOCチルクス リグーリア デイ レヴァンテ 2016 ルナエコッリ ディ ルーニ ロッソ 2013 ルナエ ボソーニムレッティ ロッソ NV カンティーナ チンクエ テッレ
価格3,669円(税込)3,400円(税込)2,451円(税込)2,365円(税込)1,501円(税込)
詳細アルコール度数:12.5 %
ボディー:ミディアムライト
メーカー名 ビオ・ヴィオ
果実 :ロッセーゼ
メーカー名:ア・マッチャ
果実 :ロッセーゼ100
メーカー名:モンテ
果実 :マッサレータ50%、アルバロッサ25%、アリカンテ25%
アルコール度数 13 %
ボディー:ミディアムボディ
メーカー名 ルナエ ボソーニ
果実 :サンジョヴェーゼ(70%)、カナイオーロ(15%)、チリエジョロ(15%)
メーカー名:株式会社ヴィントナーズ
果実 :サンジョヴェーゼ、チリエジョーロ、ロッセーゼ、ドルチェット
商品リンク詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る

まとめ

イタリアの中でも、独特の地域特性からワインの生産量が少ないリグーリアですが、その特性から生まれるワインが再評価され、活気づいてきています。

まだまだ日本で購入できるリグーリアの赤ワインは少ないですが、日本でもたくさんの質のいいリグーリアのワインが楽しめる事を期待したいですね。

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