イタリアの最北部のワイン産地であるトレンティーノ・アルト・アディジェ。
ドイツ、オーストリアの影響を受け、高品質な白ワインが有名ですが、美味しい赤ワインも多くあります。
今回は、トレンティーノ・アルト・アディジェの赤ワインの特徴から、おすすめのワインをご紹介します。
目次
トレンティーノ・アルト・アディジェの赤ワインの特徴
土着品種と国際品種が存在
トレンティーノ・アルト・アディジェでは、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローをはじめとした国際的な品種に加えて、スキアーヴァ、ラグレイン、テロルデゴといった古くから存在する土着の品種も栽培されています。
トレンティーノ・アルト・アディジェの赤ワインの選び方
品種で選ぶ
スキアーヴァ
スキアーヴァはアルト・アディジェ地方土着の黒ぶどう品種です。「ヴェルナッシュ」とも呼ばれます。
イチゴ、バラ、綿菓子のような風味があり、アルコールが弱めで、繊細、軽やかな味わいの赤ワインになります。渋い赤ワインが苦手な方におすすめです。
蒸し暑い日に軽く冷やして、エビや鶏肉などと一緒にいただくとおいしいです。
ラグライン
ラグラインもアルト・アディジェ地方固有の黒ぶどう品種です。
ブラックチェリーやプラムのような風味があり、酸と渋みの豊かな色の濃いフルボディの赤ワインになります。
ラグライン単一のワインも、スキアーヴァなどとのブレンドのワインもあります。また、ラグラインからはロゼも造られています。
渋みの強いワインですが、果皮や種と果汁を触れる時間を短くしたり、樽熟成させることで渋みがまろやかになります。
酸が豊かで力強い味わいなので、酸味のきいたタレを使った豚肉、ラム肉、脂ののったサーモン、熟成したチーズなどと相性が良いです。
テロルデゴ
テロルデゴはトレンティーノ地方固有の黒ぶどう品種です。生産量が少なく、希少性の高い品種です。
果実味豊かでタンニンのおだやかな味わいのワインになります。熟成させずに若飲みされることが多いですが、10年くらい熟成させることも可能です。
果皮が厚く濃い色のワインができるため、色を補完する目的で他の品種にブレンドされることがあります。
生ハムなどと合わせるとおいしいです。
ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)
ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)は19世紀にトレンティーノ ・アルト・アディジェ地方に輸入されました。
この地方の暖かい地区(カルダーロ湖の付近や傾斜面)で栽培されます。
トレンティーノ ・アルト・アディジェ地方のピノ・ネロは、ラズベリーのような風味があり、エレガントで洗練された味わいです。
樽熟成させるとバニラやスパイスの香りが出て複雑味が増しますが、ピノ・ネロ特有のデリケートな味わいは生きています。
キノコを使った料理やローストビーフなどと相性が良いです。
地区で選ぶ
アルト・アディジェ
アルト・アディジェ地区の赤ワインの産地はカルダロ湖周辺となっており、スキアーヴァ種の産地となっています。
煮詰めたチェリーからプラムのようなアロマまで幅広く、タンニンも緻密で果実味も豊かな上質な赤ワインが造られており、日本人の嗜好にもあっているワインと言えるでしょう。
またこの地区で栽培されているクロアチア期限の品種とされるモスカート・ローザーは、上質な甘口赤ワインの原料となっており、軽やかな味わいで日本人の嗜好向きとされています。
テロルデコ・ロタリアーノ
テロルデコ・ロタリアーノ地区で造られている赤ワインは、スミレや熟れた果実を感じさせつつ、黒コショウなどのスパイスを感じさせる特徴あるアロマを持っています。
果実味は個性的で、タンニンも穏やかに感じさせ、かすかな苦みが余韻として残ります。
独特のアロマと滑らかな舌触り、深いコクを楽しむことができ、かつ肉料理やチーズなどに合いやすいワインとなっています。
テロルデコ・ロタリアーノには、同じ名前を冠しているテロルデコと言われる大変珍しい土着の黒ブドウがあり、この黒ブドウから造られるワインは香りが高く、「フォラドリ」や「メッツァコロナ」などこの地区を代表するワインの特徴ができあがる一つの理由になっているのです。
ヴァルタディジェ
ヴァルタディジェはスキアーヴァ種を用いたワインが多く、ロゼワインのような透き通った琥珀色のワインが多く造られています。
アーモンドやバラを思わせるアロマや、琥珀色そのままの軽やかな味わいを持ち、とても特徴のあるワインとなっています。
価格で選ぶ
トレンティーノ・アルト・アディジェの赤ワインを選ぶ時には、価格で選んでみるのも良いでしょう。まずは手ごろなワインから始めて、自分に合った味わいや香りだと感じられれば、もう少し価格をあげたものを試してみてはいかがでしょうか。
もちろん価格によって質や深さが変化していきますが、トレンティーノ・アルト・アディジェの赤ワインは日常使いのテーブルワインでもおいしいものが沢山あるので、まずはとにかく試してみるのが良いかもしれません。
トレンティーノ・アルト・アディジェのおすすめ赤ワイン10選
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5位
マストリ・ヴェルナコリ
・タイプ 赤、ミディアムボディ
ミディアムボディの赤ワイン、マストリ・ヴェルナコリは、メルロー品種から造られる明確な果実の香りに、若干ハーブを思わせる香りを残す一本です。バランスに特に優れ、エレガントな赤ワインを楽しみたい人におすすめしたい一本となっています。
4位
アロイス ラゲデール
・タイプ 赤、ミディアムボディ
アルト・アディジェの南部およびトレンティーノ北部からなる畑で、メルローとカベルネ・ソーヴィニヨンから造られた一本です。
ミディアムボディで、程よい深みと凝縮感を味わうことができ、穏やかな酸味と熟して溶け込んだタンニンのバランスが良く、この地区の赤ワインの特徴を上手に表していると言えるでしょう。
3位
ボッリーニ 2016
・タイプ 赤、ミディアムボディ
カシスやいちごなどの赤いベリー系の果実香が主体で、黒コショウのスパイス香やバニラ香もかすかに感じさせる一本です。
フレッシュな果実味を感じるミディアムボディ。ソフトで柔らかいタンニンと伸びやかな酸味が合わさったすっきりとした味わいとなっています。
2位
コンティ・ダルコ 2017
・タイプ 赤、ミディアムボディ
カベルネ・ソーヴィニヨン100%で造られているコンティ・ダルコは複雑で特徴的なブーケにベリーなどのジャムの香り、バニラや干草から、スパイス香も感じられる一本です。口当たりはまろやかでコクもしっかりあります。力強いボディの後ろにブラックベリーの上品ですっきりとした上品な味わいが印象的です。
1位
コンチリオ テロルデゴ
・タイプ 赤、フルボディ
トレンティーノ・アルト・アディジェの固有種であるテロルデゴを用いた一本で、豊かなコクとなめらかなタンニンとのバランスが絶妙で、しっかりとした味わいが特徴のワインと言えるでしょう。
地形を最大に生かし、化学肥料や農薬を極力制限したワインの製造を心がけているため、安心して飲める一本ともなっています。
赤身の肉を利用した料理などに合わせるのが特におすすめです。料理の味を更に引き立てるワインといえるでしょう。
2,000円以下のトレンティーノ・アルト・アディジェ赤ワイン比較表
商品画像 | |||||
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商品名 | コンチリオ テロルデゴ | コンティ・ダルコ 2017 | ボッリーニ 2016 | アロイス ラゲデール | マストリ・ヴェルナコリ |
詳細 | ・主原料 テロルデゴ ・タイプ 赤、フルボディ | ・主原料 カベルネソー・ヴィニヨン ・タイプ 赤、ミディアムボディ | ・主原料 メルロー ・タイプ 赤、ミディアムボディ | ・主原料 メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン ・タイプ 赤、ミディアムボディ | ・主原料 メルロー ・タイプ 赤、ミディアムボディ |
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来客用や自分へのご褒美に!2,000円~5,000円ベスト5
5位
サン・ミケーレ・アッピアーノ
・タイプ 赤、ミディアムボディ
魅惑的なブラックベリー、森の果実の香り、美しいガーネット色、まろやかな舌触りは見た目、香り、味どれをとっても幅広い食事にマッチします。特に肉料理との相性は抜群です。
数々の賞を受賞しているハンス氏が手掛けるワインをぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
4位
コルタッチャ スキアーヴァ
・タイプ 赤、ミディアムボディ
スキアーヴァはその起源を15世紀まで遡るとても古い品種となっています。平均的な樹齢は40年以上経っており、歴史を感じる味わいを楽しむことが出来るでしょう。
小粒の赤い果実にハーブの香り、タンニンもシルキーに感じ味わいが印象的でエレガントです。スキアーヴァは土着の固有種なので、一度飲んでみることをおすすめしたい一本となっています。
3位
カステルザレッグ 2016
・タイプ 赤、ミディアムボディ
バランス感のあるボディとフレッシュなタンニンが印象的な一本です。余韻も長く感じることが出来、鶏肉料理、熟成したチーズ、牛肉の煮込みなどに合わせるとその味を引き立たせます。
赤い果実、スパイスのアロマ、土っぽい印象をも感じさせるワインとなっています。
2位
ケットマイヤー 2016
・タイプ 赤、フルボディ
ラグレイン100%使用した一本となっています。生産者のケットマイヤー社は、古代からトレンティーノ・アルト・アディジェに伝わるワイン造りの文化を正確に継承していくと同時に、最新の技術により醸造から瓶詰まで行っています。この地に土着する品種のそれぞれの個性を最大に引き出させることを目標に、フレッシュかつクリーンなワインを製造し続けています。
骨格のあるボディを感じ、生き生きとしたタンニンが印象的です。力強さとエレガントな果実味が溶け合い、共存するバランスは最高の飲み心地を感じさせます。スパイシーな味わいも印象的で、ジビエや赤みのある肉料理、焼き鳥などと合わせると相性が良くお互いの味を引き立たせます。
1位
ホフスタッター
・タイプ 赤、ミディアムボディ
生産者のホフスタッター社の歴史は100年以上で、現在は4代目がその技術を継承しています。現在のオーナーは世界中から賞賛される高品質のぶどうを栽培しており、そのぶどうからできるワインも上品な味わいで高評価を得ています。
濃厚なルビー色をしており、森の自然やスパイスを感じさせます。スミレやベリーの香りが強く、タンニンはシルキーで柔らかく口当たりはまろやかで飲みやすい一本です。ラストには心地よい酸味が広がりますので、サラミやジビエ、赤身肉、香りの強いチーズなどと相性が抜群です。ぜひ一度試してほしい一本となっています。
2,000円~5,000円のトレンティーノ・アルト・アディジェ赤ワイン比較表
商品画像 | |||||
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商品名 | ホフスタッター | ケットマイヤー 2016 | カステルザレッグ 2016 | コルタッチャ スキアーヴァ | サン・ミケーレ・アッピアーノ |
詳細 | ・主原料 ラグレイン ・タイプ 赤、ミディアムボディ | ・主原料 ラグレイン ・タイプ 赤、フルボディ | ・主原料 ピノ・ネーロ ・タイプ 赤、ミディアムボディ | ・主原料 スキアーヴァ ・タイプ 赤、ミディアムボディ | ・主原料 ピノ・ネーロ ・タイプ 赤、ミディアムボディ |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
トレンティーノ・アルト・アディジェの赤ワインまとめ
いかがだったでしょうか。今回はトレンティーノ・アルト・アディジェのおすすめの赤ワインを紹介させていただきました。
ラグレインやスキアーヴァのような土着の固有種と、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの国際的な品種が共存しており、歴史的にも多種多様な文化が共存しているこの地域で造られる一本は、とても深い味わいと印象を感じさせます。
異文化が共存しているため地区によっても生産されている品種や製造法が違っていたりしますので、今回紹介したアルト・アディジェ地区、テロルデコ・ロタリアーノ地区、ヴァルタディジェ地区などのそれぞれのワインを試してみることもおすすめします。きっとその違いを感じられるはずです。
実はトレンティーノ・アルト・アディジェでは赤ワインの生産量は多くありません。ソーヴィニヨン・ブランやシャルドネをはじめとした白ぶどう品種の栽培が盛んで、白ワインの生産量が多くを占めています。ドイツの影響を強く感じるリースリングやミュラートゥルガウなどの品種も広く栽培されており、黒ぶどうのみならず白ぶどうも様々な地域の文化を継承し続けているのが分かります。今回紹介した赤ワインを飲んでみて興味がでてきた方は、白ワインも合わせて飲んでみてはいかがでしょうか。
今回紹介したワインを飲んで、その深い歴史を是非感じてみてください。
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