【ソムリエ監修】チリワインの特徴は?産地、品種、有名銘柄を解説!

2019/04/19
ワインの基礎知識


日本の地球の反対側にある南米大陸にある「チリ」は世界的に有名なワイン生産国として知られています。

チリワインと言えば、ワイン好きなら誰でも一度は飲んだことがあるワインでしょう。「安くて美味しい」「コストパフォーマンスが高い」というイメージが強く、2015年にフランスワインを抜いて日本のワイン輸入量が第一位になり、連続してトップの座を維持しています。

今回は、色々な角度からチリワインについての知識を皆さんにお伝えしたいと思います。また、おすすめチリワインも併せてご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

記事の執筆者

松本 真梨子

J.S.A認定ソムリエ

日本で8年間世界のお酒の販売に携わったのち、カナダへ渡り和酒及びナイアガラのワイナリーの営業を経験したり、「日本酒セラープロジェクト」にも携わる。現在はチリ・サンチアゴでワイナリーツアーやワインテイスティング講座などを企画。 ワイン資格以外 ・日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合(SSI)認定 唎酒師 ・ウィスキー文化研究所認定 ウィスキーエキスパート ・日本テキーラ協会認定 テキーラマエストロ

チリワインの特徴

「渋みがマイルドで果実風味が豊か」「安くて美味しい」

チリワインの特徴といえば、この2点があげられるでしょう。なぜこのような特徴があるのか掘り下げていきましょう。

渋みが少なく果実風味たっぷりな味わいの理由は?

チリワインというと、果実風味が豊富で渋みが少ない大変親しみやすい味わいです。その理由はチリの気候にあります。

ヨーロッパに比べてチリは1年間の日照時間が大変長い国です。つまり、太陽の光をたっぷり浴びでブドウが育っているため、ブドウがしっかり熟しているということ。実はイギリスの研究機関がチリで作られるブドウとワインには世界で一番ポリフェノールが多く含まれており、それは日照時間が長いことと関係しているという結果を出しています。

加えて、昼と夜の寒暖の差が大きいためブドウの糖度は高くなり、雨がほとんど降らないため収穫時期に最後までしっかり熟すことができます。

そのため、果実風味が大変豊かでまろやかなワインが作られるわけです。

コストパフォーマンスの大変良いチリワイン!

なぜチリワインは安くて美味しいのでしょうか?それには「日本とチリの関税」が大きく関係しています。

2007年に日本とチリはEPAという経済的な協定を結びました。内容は経済活動の自由化を推し進めるもので、その中には商品にかかる関税を引き下げるという項目があります。そのため、チリワインの関税は2007年より年々安くなっており、2019年4月1日には全廃の予定です。

もちろん、現地でかかる人件費が安く、もともとのワインの値段が安い、などの理由もありますが、一番の理由は、日チリEPAにあります。

チリカベで一大ブームに!

「チリカベ」という言葉を聞いたことがありますか?

ワイン通の方ならパッと思い浮かぶかもしれませんが、名前の通り「チリのカベルネ・ソーヴィニョン」を使ったワインのことで、略して「チリカベ」と呼びます。

実はこの言葉、1990年代後半にワイン業界で流行った言葉でした。

この頃、日本では赤ワインに含まれているポリフェノールが体に良い効果をもたらすのではないか、ということで赤ワインが爆発的人気となりましたが、市場のワインは渋みが強く飲みにくく初心者向けではありませんでした。

そこで注目されたのがチリのカベルネ・ソーヴィニョンを使ったワイン!渋みがあまりなく果実風味が豊富、そして誰でも購入できるようなお手頃な価格で販売されている、ということで大人気となりました。この「チリカベ」ブームが引き金となり、チリワインは一気に知られることとなりました。

その後、チリワインは安くて美味しく親しみやすい味を特徴として、現在まで日本で愛されています。

チリのワイン産地

チリのワイン産地は北は南緯30度、南は南緯38度の南北約1,400㎞の間に位置します。大きく分けで北部、中部、南部の3つのエリアに分けることができます。

各エリアを詳しく見ていきましょう。

砂漠に囲まれた産地「北部」

北部はアタカマ地方やコキンボ地方にワイン産地があり、年間を通じてほとんど雨が降らない半砂漠地帯になっています。また、このエリアではブドウを原料としたピスコという蒸留酒も作られているのが特徴です。

有名な産地は「エルキ・バレー」「リマリ・バレー」で、標高2,000m前後の高地にブドウ畑があったりと、特徴的な気候でブドウが栽培されています。

チリワインの銘醸地が集まる「中部」

チリワインの重要な産地が集まっており、場所によって赤ワイン用ブドウ、白ワイン用ブドウに適した地域があります。

まず北側にはアコンカグア地方があります。その中でも「アコンカグア・バレー」は晴天率が大変高く、またアンデス山脈と太平洋からの冷たい空気から昼と夜の寒暖の差が大きいため、赤ワイン用ブドウの生育に特に適しています。また太平洋側には「カサブランカ・バレー」と呼ばれる冷涼な地域があり、白ワインの銘醸地として有名です。

アコンカグア地方と並んで有名なのが、セントラル・バレーと呼ばれる地方です。この地方は内陸にワイン産地が多いため、赤ワインの銘醸地として有名です。日差しが強く、夜はアンデス山脈からの冷たい空気の影響を受けるため昼と夜の寒暖の差が大きく、ブドウがしっかり熟します。

国内生産の約10%「南部」

国内消費がほとんどで、小規模生産者がこだわりのワインを作っています。

チリのブドウ品種

チリのブドウ品種はフランス系のブドウ品種が主になっています。赤、白分けて代表的なチリのブドウ品種をご紹介します。

赤ワイン

しっかり濃厚な味わい カベルネ・ソーヴィニョン

チリ国内で生産量第一位の黒ブドウ品種です。カベルネ・ソーヴィニョンは遅熟なため、十分な太陽の光を浴び完熟しないとピーマンのような香りをもたらすことがありますが、チリは雨量が少なく乾燥しており昼夜の寒暖の差が大変大きいため、しっかり熟すためカベルネ・ソーヴィニョンの育成に最適です。

ジャムにしたようなカシスやブラックベリーなどの濃厚な黒系果実風味が強く口当たりが大変なめらかです。

まろやかで口当たりの良い メルロー

カベルネ・ソーヴィニョンに続いてチリで生産量が多い黒ブドウ品種です。

チリのたっぷりの日差しを浴びて熟したメルローは、通常のメルローよりも濃厚でプルーンシロップやジャムにしたブラックチェリーなどの濃い黒系果実風味をベースに、チョコレートのようなまろやかさがあります。

チリ特有のブドウ品種 カルメネール


1863年にフィロキセラという害虫がヨーロッパのブドウの樹に被害を及ぼした際、カルメネールは世界から全滅したと言われていたブドウ品種でした。しかし、チリの特有な地理条件からチリにはカルメネールが残っていました。

しかし、見た目と味わいがメルローと似ていたことからずっとメルローだと思って栽培されていました。1994年フランス人醸造家がDNAを調べてみると、なんとカルメネールであったいう事実が発覚し、チリ特有の品種として知られることになりました。

プラムやブラックベリーを思わせる黒系果実が中心となった味わいで、未熟なものは青ピーマンのような香りがします。

白ワイン

作り手の個性を色濃く反映する シャルドネ

世界で最も知られている白ワインのブドウ品種でチリでも大変知られている白ワイン用ブドウ品種です。

チリのシャルドネは、パイナップルやマンゴーなどのトロピカルフルーツのような果実風味のものが多く、酸味はまろやかなタイプが多いです。

爽快感溢れる味わい ソーヴィニョン・ブラン

シャルドネと共にチリで有名な白ワイン用ブドウ品種がソーヴィニョン・ブランで柑橘系果実の風味と酸味、ハーブのような香りが特徴です。

チリのソーヴィニョン・ブランは、柑橘系果実風味を主体としながら、ハーブやミネラルの香りが特徴的です。

チリの有名ワイン銘柄

日本の市場には色々なメーカーのチリワインがあります。ここでは特に代表的な2ブランドを紹介します。

高品質で高パフォーマンスなコノスル

高品質で高パフォーマンスなことで大変有名なチリワインブランド「コノスル」。

名前の意味は「南の円錐」という意味で、円錐の形をした南米大陸から世界に向けてワインの魅力を発信していこうという想いが込められています。

1993年創立より、革新的なワインづくりをモットーに、スクリューキャップの導入、新興ワイン産地にて自社畑の拡大、新しい農法の実施などチリワイン業界の時代の先駆者です。

コノスル カベルネ・ソーヴィニヨン ビシクレタ

コノスル カベルネ・ソーヴィニヨン ビシクレタ

698円 (税込)

詳細情報
アルコール度数 13 %
ボディー  ミディアムフルボディ
原産国名 チリ
メーカー名 スマイル
果実 %     カべルネ・ソーヴィニヨン87 % メルロー8 % カルメネール2 % シラー2 % マルベック1 %

ビシクレタはコノスルの定番シリーズで、描かれた自転車は毎日畑へペダルをこぐ労働者達への敬意と自然のサイクルを基本としたコノスルのブドウづくりを表現しています。

カシスやチェリーなどの果実風味にミントやコショウのニュアンスが加わり、お手頃な価格ながら満足のいく味わいを楽しめます。

コノスル シャルドネ レゼルバ

コノスル シャルドネ レゼルバ

1,188円 (税込)

詳細情報
アルコール度数 14 %
味わい  辛口
原産国名 チリ
メーカー名 スマイル
果実 %     シャルドネ

レゼルバシリーズはワンランク上の畑からとったブドウを使用し、果実の凝縮勘と複雑性を表現しています。

パイナップルのようなトロピカルフルーツの香りを中心に、ミネラルや蜂蜜の香りを楽しむことができ、完成度の高い一本です。

>>コノスルをもっと見る

究極のデイリーワイン・アルパカ

2017年3月~2018年2月の統計で、日本で輸入されているワインの量No.1の座に輝いたワインです。1,000円以下で楽しめる美味しいチリワインとして巷で大人気で、気を張らずカジュアルに飲むことができます。

醸造元は、創業1942年の歴史ある名門サンタ・ヘレナ社。世界50か国以上で飲まれており、チリワインの中でも輸出ブランドのパイオニアとして有名です。

サンタ・ヘレナ・アルパカ・シャルドネ・セミヨン

サンタ・ヘレナ・アルパカ・シャルドネ・セミヨン

518円 (税込)

詳細情報
味わい  辛口
原産国名 チリ
メーカー名 アサヒビール
果実 %     シャルドネ、セミヨン

チリのシャルドネとセミヨンをブレンドした、大変バランスの取れた白ワイン。

果実風味と酸味がほどよく、毎日飲みたくなるような味わいに仕上がっています。

サンタ・ヘレナ・アルパカ・カルメネール

サンタ・ヘレナ・アルパカ・カルメネール

518円 (税込)

詳細情報
アルコール度数 13 %
ボディー  フルボディ
原産国名 チリ
果実 %     カルメネール

チリ特有のブドウ品種カルメネールをお手頃価格で美味しく味わえます。

カシスなどの特徴も良く出ており、ブドウ品種の味わいを気軽に楽しめます。

チリワインまとめ

いかがでしたか?よく見かけるチリワインの知識をつけて飲めば、更に美味しさが倍増することでしょう。

身近なチリワインをもっと身近に楽しんでくださいね!

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