【ソムリエ監修】アルゼンチンワインの特徴は?産地、品種、有名銘柄を解説!

2019/04/19
ワインの基礎知識


記事の執筆者

市川 かおり

日本ソムリエ協会認定 ソムリエ

都内のホテル、イタリアンレストランのサービスを経てソムリエ資格を取得。その後ワイン会社の営業として様々なワインと関わってきました。 今は子育てしながら自宅でピアノ教室を開いています。

アルゼンチンのワインというと、マルベックの赤ワインのイメージが強いですね。

ただ、アルゼンチンワインについて、詳しく知らない方が多いのでは?

今回のアルゼンチンのワインの特徴から、産地、品種の解説、有名な銘柄をご紹介します。

アルゼンチンのワインの特徴

 

アルゼンチンはワイン生産国の中ではニューワールドに位置します。500年以上前のスペインの入植やイタリアからの移民などにより、ヨーロッパの文化を古くから吸収している土地柄です。

そんなヨーロッパの歴史を引き継ぎ、昔ながらの栽培方法でぶどうを栽培しています。

 

オーガニック事情

アルゼンチンではオーガニックであることが当たり前です。ワインだけでなく食品のオーガニック生産の先進国ということはご存知でしょうか。

なぜ、アルゼンチンではオーガニックが進んでいるのでしょうか。

原因の一つは手付かずの広大な大地、天然の肥沃な土地、豊富な水といった恵まれた条件がいくつもあるからです。元々肥沃な土地の上、昔から農薬などを使わずに伝統的な農法で行なってきた地域や農家が多いのです。

そして、ワインにおいては無農薬栽培ということをわざわざ記載しないボトルが多いことからも、オーガニックへのこだわりが当たり前であることが伺えます。

 

アルゼンチンのワインの産地

アルゼンチンワインはアンデス山脈の影響を受け、畑の標高平均が900mと高い場所で造られます。

また、アンデス山脈からの雪解け水を灌漑に利用しているのも特徴です。

アルゼンチンは南北に長く、気温や土壌に差があるため各産地ごとにワインに個性が強くあります。

その中でもワイン造りの有名な産地をいくつかご紹介します。

 

アルゼンチン最大の産地 メンドーサ

メンドーサはアンデス山脈の東側に広がる広大な州です。

はっきりと区別できる四季がある大陸性気候であるため、冬にはぶどうの木に回復期間(休眠期)を与えることで知られています。乾燥した気候と標高の高さ、日照時間の長さなどから上質のぶどうを栽培する条件に恵まれています。

国全体の全生産量の3分の2を算出し、独特の強い香りを持つ力強い赤ワインが多く造られます。

主に使われるぶどうはマルベックやカベルネ・ソーヴィニヨンです。

 

白ぶどうトロンテスで有名なラ・リオハ

ラ・リオハはアルゼンチンにぶどうが初めて植えられた地域の1つであるため、ぶどう栽培の長い伝統があります。

気候はやや風が強く乾燥しています。栽培している高地の標高は800から1,500 m です。

トロンテスという品種を使った良質の白ワインを多く生み出すワインの産地で有名で、国内外の評判が上がっています。

 

高級ワインが多く造られるサン・ファン

アルゼンチン第2位のぶどう栽培地域です。サン・ファンの気候はかなり暑くて乾燥しています。夏の気温は、よく40℃を超えるほどです。

ぶどうが栽培されている高地の標高は600 から1,200 m です。もともとバルクワイン用(150リットル以上の容器に詰められ輸入されたワインのこと)が多く栽培されていました。

現在ではヨーロッパ品種を使用した高品質なワインが多く造られています。

サン・ファンで栽培されているぶどうから造られるシラーワインは、ワイン鑑定家たちから特に高く評価をされているようです。

 

アルゼンチンのワイン品種

アルゼンチンワインの生産量の約60%は赤ワインです。日差しが強く乾燥した気候の多いので、しっかりとした味のワインが主に造られます。

アルゼンチンは特に牛肉の消費量が多い国ですので、力強い赤ワインは国柄と食文化にぴったりなのでしょう。

そんな力強いアルゼンチンのぶどう品種をいくつかご紹介します。

 

黒ぶどう

アルゼンチン代表品種 マルベック

マルベックは主にアルゼンチンやフランスを中心として栽培されているぶどう品種です。フランスでは「コット」や「オーセロワ」と呼ばれています。

非常に色が濃くタンニンが豊富で香りが強いのが特徴です。マルベックで造られたワインは俗に「黒ワイン」と呼ばれるほどに色が濃く仕上がります。

ポリフェノールが多いことでも知られ、「健康」をうたったぶどうジュースやワインにはマルベックが多く使われています。

 

まろやかな果実味が魅力のボナルダ

ボナルダはイタリア・ピエモンテ州を原産とし、主にアルゼンチンやイタリアで栽培されています。正式名称は「ボナルダ・ロヴェスカーラ」といい、別名として「クロアティーナ」とも呼ばれたりします。

アルゼンチンでは長年デイリーワインのシンボルとされていましたが、近年洗練された赤ワインとしても造られるようになりました。

ボナルダは色が濃く、骨格のあるしっかりめの酸にまろやかな完熟した果実味の味わいが特徴です。

 

白ぶどう

アルゼンチンの土着品種 トロンテス

トロンテスはアルゼンチンが原産地で、現在でもほぼアルゼンチンでのみ栽培される土着のぶどうです。

アルゼンチンの中でも特に標高の高いエリアで育てられ、中には世界で最も標高の高い3,000mものエリアに存在する畑で造られたぶどうもあります。

フレッシュさやフルーティーさ、華やかな香りを楽しむタイプのぶどうです。標高の高い畑で栽培される事が多く、しっかりとした酸を持つ事が多いのも特徴です。

 

「白ワインの女王」と呼ばれる シャルドネ

シャルドネは世界で最も人気があり有名な白ワイン用品種です。

ワインを生産している国でこの品種を栽培していない国はないと言えるほど、世界中で広く栽培されています。

冷涼な土地ですと鋭い酸味の透明感あふれる味わいになりますし、温暖な土地ですと果実味の濃密な味わいになるなど、産地によって実に多彩な表情を見せるのが特徴です。

近年アルゼンチンではシャルドネの栽培面積が拡大し、品質も向上しています。

 

アルゼンチンの有名なワイン銘柄

あまり知られていないアルゼンチンワインですが、日本にもたくさん輸入されています。

数々の受賞歴があるワイナリーや研究熱心で革新的なワイナリーも多数出てきています。

その中でも代表的な造り手をご紹介します。

 

アルゼンチンのトップワイナリー 「トラピチェ」

トラピチェ ヴィンヤーズ マルベック

1,059円 (税込)

詳細情報
アルゼンチン、辛口/ミディアムボディ、メルシャン

日本でもよく知られており、数々の賞に輝くトラピチェ社。

アルゼンチンで300年来続いたワイン造りの歴史を大きく変え、アルゼンチンが世界屈指のワイン生産国へと発展していくきっかけとなったワイナリーです。

メンドーサ産ワインの素晴らしさを世界に示すとともに、アルゼンチンを代表するトップワイナリーとしての確固たる地位を築いている造り手です。

紫色を帯びた濃い赤色で香り高いプラムやチェリー、わずかにトリフやバニラを感じさせる、口あたりのまろやかなワインです。

 

日本で一番飲まれるアルゼンチンワイン 「ボデガ・ノートン」

ボデガ・ノートン マルベック・レゼルヴァ

2,052円 (税込)

詳細情報
アルゼンチン、辛口/フルボディ、エノテカ

創業120年のアルゼンチンを代表する老舗ワイナリーです。

アルゼンチンワインの中で 日本への輸入量がNo.1のメーカーです。

クリスタル・ガラスで有名なスワロフスキー社が所有し、ハイクオリティなワインを造る、ボデガ・ノートン。

熟れたブラックベリーの果実の香りに スパイスのニュアンス、密度のあるタンニンがしっかりとした骨格のあるワインです。

世界のワインラバーに支持される洗練されたスタイルを実現しました。

 

世界的に評価の高いワイナリー 「カテナ」

カテナ マルベック

2,581円 (税込)

詳細情報
アルゼンチン、辛口、オンラインワインストアWassy's

アルゼンチンマルベックのパイオニアとも称されるカテナ社。歴史はまだ浅いですが世界的に評価が高いワインを造っています。メンドーサの土壌の研究と品種・クローンの相性について徹底的に研究を進めています。

パーカーポイントと呼ばれるワイン評論家の採点でも高得点を取り、世界から評価が高い造り手です。

このワインは樽にて14ヶ月熟成しています。豊かなルビーレッド色が美しく、濃い果実やスパイスの香りが特徴的です。土を感じさせるラズベリー、燻したオークのニュアンスが感じられ、長い余韻が楽しめるワインです。

アルゼンチンのワイン まとめ

日本から遠い国、アルゼンチンのワインはいかがでしたでしょうか。

他の国にはない土着のぶどうで造られたワインは面白い味わいですので試してみるのも楽しいと思います。

是非お好みの1本を見つけてくださいね。

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