ボルドーワインを徹底解説!特徴から、格付け、当たり年までソムリエがご紹介

2019/05/09
ワインの基礎知識

ボルドーと言えば、誰もが知るワインの世界的ワイン名産地。

今回は、今回はそんなボルドーのワイン産地、品種、格付けの解説から、当たり年までご紹介します。

記事の執筆者

林 英公子

日本ソムリエ協会認定ソムリエ

ワインテクニカル監修。 なぜか宅建資格もあり。 CF制作会社・情報出版・IT企業に勤務後、 長らく印刷媒体制作ディレクター。 Uターン後は、ちょっといいピノ・ノワールを飲みながら 大音量で好きな音楽を聴ければ、ほどほどに幸せ。 真昼っから数十本のワインをテイスティングする修羅場も経験。

ブルゴーニュとの違い

赤ワインと白ワインの比率

赤・白それぞれ高級ワインを生産しているブルゴーニュに対して、ボルドーは赤ワインが主体です。(ボルドーでの白ワイン生産はわずか10%です。

 

単一品種かブレンドか

ブルゴーニュワインは基本的に単一品種で造られているのに対し、ボルドーでは複数品種のブドウをアッサンブラージュして造られています。

特徴の異なる品種をブレンドすることで、ボルドー特有の複雑で奥行きがあり、味わい深いワインに仕上がります。

ボルドーの右岸と左岸

ボルドー地方は大西洋に流れるジロンド川を挟んで右岸と左岸に分かれます。

ボルドー左岸の特徴

左岸は砂利質土壌で水はけがよく砂利が太陽の熱をため込む事で保温性が高く、ブドウは時間をかけてゆっくりと熟成します。その為収穫の遅いカベルネソーヴィニョンがよく育ちます。パワフルなフルボディで非常にタンニンの強い強靭なワインが中心です。

 

ボルドー右岸の特徴

右岸は、主に粘土質土壌で冷たく保水性が高いのでメルローに適した土壌です。

右岸の赤ワインはメルロー主体のものが中心で、豊かな果実味に豊満で滑らかなボディ、タンニンは控えめでエレガントなワインが造られています。

 

ボルドーのワイン産地

ボルドー地方の主要な生産地は、メドック地区、グラーヴ地区、ソーテルヌ地区、サン・テミリオン地区、ポムロール地区、アントル・ドウ・メール地区の6つです。

それぞれの特徴をご紹介します。

 

メドック

ジロンド川の左岸一帯の地域です。

砂利質の土壌で、カベルネ・ソーヴィニヨン主体の赤ワインが有名です。

 

グラーヴ

グラーヴとは、フランス語で小石、砂利を意味しています。土壌はメドックに似ており、赤ワイン、白ワインともに上質なものが多いです。

 

ソーテルヌ

カロンヌ川の支流、シロン川沿いの地域です。セミヨンの貴腐ワインが世界的に有名です。

 

ポムロール

ドルドーニュ川の右岸地域。粘土質と砂利質が混ざり合った土壌で、メルロー主体の赤ワインが有名です。

 

アントル・ドウ・メール

ガロンヌ川とドルドーニュ川に挟まれた地域。手軽に楽しめる早飲みタイプの辛口白ワインが多いです。

 

ボルドーワインの格付け

ボルドーのシャトーには、地区ごとに格付け制度があります。

メドックの格付け

1855年のパリ万国博覧会の際に、ナポレオン3世の要請を受け、ボルドー市商工会議所がメドック地区の第1級から第5級まで60の赤ワインの格付けを作成。

ワイン産業の国際的振興を意図し、本音の部分では偽ボルドーワインの駆逐も狙い、世界各国のワインファンにフランスワインの基準を示すために作られました。

第1級では当初の4銘柄シャトー・ラフィット・ロートシルト、シャトー・ラトゥール、シャトー・マルゴーにシャトー・オー・ブリオン(唯一メドック地区外)が加わり、1973年に1855年当時2級だったシャトー・ムートン ロートシルトが昇格。

メドックの格付けの1級は五大シャトーと呼ばれ、世界トップクラスのシャトーとして大変高い評価を受けています。

 

グラーヴの格付け

格付けが制定されたのは1953年。6年後に修正・補完されました。シャトー・オー・ブリオンはメドック・グラーヴ両方で選ばれている唯一のシャトー です。

格付けの16シャトー に等級はなく、赤のみ7シャトー、白のみ3シャトー、赤白両方が6シャトーとなっています。

 

クリュ・ブルジョワの格付け

グラーヴ・メドックの格付け外のシャトーが「クリュ・ブルジョワ」として格付け。省庁の認可を受けたものではなく、格付けとしては正直あまり使われていません。

ただし、メドック・グラーヴ両格付けに匹敵する品質のシャトー もあります。

 

サン・テミリオンの格付け

「生産者主導」の格付け。メドック地区の格付けは基本的に見直されませんが、サン・テミリオンの格付けは10年に1度見直されます。その柔軟性ゆえか、裁判沙汰等のトラブルが多い格付けです。

ボルドーワインのブドウ品種

ブレンドでワインが造られるボルドー地方。品種に関して基本を抑えておきましょう。

赤ワイン品種

赤ワインのブドウ品種は5つです。

 

世界を代表する赤品種カベルネ・ソーヴィニヨン

ガロンヌ川やジロンド川左岸のように、温暖で乾燥した気候で水はけの良い砂利質土壌を中心に栽培されています。

メドック&グラーヴ地区でブレンドの主体となる品種で、ボルドーらしいしっかりとしたタンニンを形成します。ミントを感じる植物的でさわやかな香りが特徴です。

 

清涼感ある香りのカベルネ・フラン

ドルドーニュ川右岸エリアで多く栽培されています。比較的しっかりめのタンニンを持ちますが、カベルネ・ソーヴィニヨンよりは軽め。カベルネ・ソーヴィニヨン以上に清涼感のある植物を感じる香りが特徴です。

特に冷涼な年に収穫されたものは「ピーマン」を思わせる特徴的な香りを持ちます。

 

ニュートラルな魅力のメルロ

ボルドー全体で最も栽培面積の多い品種です。ボルドーの大半の土壌で栽培可能ですが、特に粘土質で湿気の多い土壌に向きます。

ドルドーニュ川右岸エリアのサン・テミリオン、ポムロールで造られる赤ワインの主要品種です。

豊富なタンニンのマルベック

色が濃く、濃い果実味と豊富なタンニンが特徴。フランス・南西地方カオールやアルゼンチンでは主役を張る品種ですが、ボルドー地方ではあくまでもブレンドの脇役です。

 

渋い脇役プティ・ヴェルド

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甘い芳香と酸味、しっかりとしたタンニンを持つ品種。その凝縮感とスパイシーさはボルドーワインの名バイプレイヤーです。

白ワイン品種

ボルドーの辛口白は、和食全般にとても合わせやすいワインです。

酸とミネラは刺身や寿司にしっかり寄り添ってくれます。さわやかなアロマは、山菜・サラダ・おひたしなどの野菜料理にもぴったりでしょう。

ボディのしっかりした熟成感のあるものなら、丁寧に取られた出汁の旨みを味わう料理から焼き魚・お肉料理まで、幅広い守備範囲です。

 

さわやかな香りソーヴィニヨン・ブラン

フレッシュな酸味と、鮮やかな果実味が特徴。「さわやか」という表現にふさわしい味わいのワインです。

セミヨンとブレンドされることで、キリッとしながらもふくよかという相反する特徴を持ったワインになります。

 

貴腐ワインもセミヨン

ボルドー地方のソーテルヌ地区原産。この品種からは、辛口と甘口の両方で高品質ワインが造られます。

辛口の場合、ソーヴィニヨン・ブランとブレンドし、さわやかさとコクを持ったワインになります。和食にも合わせやすい味わいです。

貴腐菌が付着して貴腐ブドウになると、世界最高峰の極甘口ワインとなります。

 

控えめ酸のミュスカデル

ソーヴィニヨン・ブランやセミヨンに比べてやや地味な存在です。控えめな酸とが花を感じる香りが特徴です。

ボルドーワインの当たり年

ブドウの出来栄えはその年の気候によって大きく異なります。そのため、ワインも生産年によって味わいは様々です。

グレートヴィンテージ(当たり年)とは、非常に恵まれた気候によりブドウの作柄が特に優れていたヴィンテージ(生産年)のことを指します。当然他のヴィンテージよりも価格は高くなります。

参考までにボルドーの優れたヴィンテージご紹介します。

当たり年一覧
1961☆
1962
1982☆
1985☆
1986
1988☆
1990☆
1998
2000
2001
2003
2005☆
2008
2009☆
2010☆
2014
2015☆

☆は特に秀逸

※ボルドー地方全体で見た際のヴィンテージチャートです。

(右岸左岸、また村やシャトーによっても微妙に異なります。)

ボルドーワインまとめ

ボルドーワインの幅広さ・奥深さを少しでもご理解いただけましたか。

逸話・エピソードに事欠かないボルドーワイン。ちょっとしたエピソードを覚えていると、ワインショップのセラーで見かけたときの見る目も変わってきます。

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