【ソムリエ監修】サルデーニャの白ワインおすすめ10選!選び方のコツも解説

2018/10/17
イタリア

サルデーニャはイタリア半島の西にある島です。

地中海のなかではシチリア島の次に大きい島で、民族の入れ替わりが激しく長い歴史のなかで支配者が次々と変わっていった土地でもあります。

一方で、伝統を守る考え方が強い島でもあり、今でもサルデーニャには昔の文化や習慣が色濃く残っています。

またサルデーニャには固有種も多くあり、ヴェルナッチャなど独特な製法で造られたワインもあります。

今回はそんなサルデーニャの白ワインについて、使われている品種や選び方などを紹介します。

記事の監修者

杉浦 直樹

J.S.A認定ソムリエ

歌舞伎役者として人間国宝 中村雀右衛門に師事。15年ほど主に歌舞伎座に舞台出演。 その後銀座のクラブマネージャーを経て、J.S.A認定ソムリエ資格を取得。 現在は支配人兼ソムリエとして、ブルゴーニュとシャンパーニュの古酒を専門としたフレンチレストランを経営する。

サルデーニャのワインとは

サルデーニャにおけるブドウ栽培そのものの歴史は古く、フェニキア人によってもたらされたといわれています。

フェニキア人とは、紀元前3000年から2000年代に東地中海周辺で勢力を伸ばしていた民族です。

サルデーニャのブドウ栽培は、それくらい昔から続いているということになるでしょう。

ですが、サルデーニャ島は丘陵部や山岳部が多い地形を持っています。そういった地理的要因から、栽培面積を広げることが難しく、大規模なワイン生産には至りませんでした。ワイン醸造文化が生まれてからも、島では長らくごく小規模なワイン生産が続いていたといいます。

そんなサルデーニャワインが発展を遂げた時期は比較的最近で、19世紀以降です。この頃の発展が基盤となり、現在に至っています。

1970年代、イタリアワイン・ルネッサンスという活動が起こりました。

これは、ワインの近代化という目的のもと、ブドウの国際品種をイタリア各地に植える活動です。

これによってイタリアワインが発展したのは事実ですが、一方でイタリアの固有種や独自性が危うくなった面もあります。

この活動の波を伝統を守る文化が強いサルデーニャは受けなかったのです。

このとき守られた古くから残る固有種や独自性がサルデーニャワインが注目を集めるきっかけになりました。

ちなみにここでいう固有種とはカリニャーノ種のことです。スペイン起源ではあるのですが、サルデーニャに土着した品種で、島の南部でのみ育つという特別なブドウです。ただし、これは赤ワイン用の品種になります。

注目を浴びて以降、サルデーニャにも近代的な醸造技術が普及し、短い時間ながらめざましい発展をとげていきます。

本格的なワイン生産地としてはまだ新しい土地ではありますが、現代では非常に高品質なワインが多く造られています。

サルデーニャの白ワインの特徴

サルデーニャの白ワインは、その独特な醸造方法が特徴です。

独特な方法で醸造されたものは、D.O.Cヴェルナッチャ・ディ・オリスターノが挙げられます。

これは酒精を強化せず、ワインにフロールを発生させることで酸化熟成させて造ります。

ヘーゼルナッツなどのアロマを持ち、幾層にもわたる複雑で華美な味わいで楽しませてくれます。独特な方法で造られるため、その味わいもほかにはないサルデーニャ特有のものとなっているのです。

品種について

サルデーニャで栽培されている白ワイン用の品種のなかでも、生産量が多いものはヴェルメンティーノやヴェルナッチャです。これはどちらもスペインに起源をもつ品種になります。

サルデーニャは15世紀以降はスペインの支配下に置かれていました。そのため、現在栽培されている品種もスペイン系のものが多いのが特徴なのです。

ほかにもスペイン起源の品種は多く、カンノナウ、モニカ、カリニャーノなどがあります。ただし、こちらはすべて赤ワイン用の品種になります。

サルデーニャの白ワインの選び方

サルデーニャワインを選ぶときの基準は、基本的に品種・価格・味わいです。

また選ぶ前にどのような味を探すかを明確にしておくとわかりやすいでしょう。

品種や価格も重要ですが、最終的には味わいで決めることになります。そのため「酸味の強いものがいい」や「甘口がいい」などの指針があるだけでも、手際よくワインを決めることができるでしょう。

ここではその手助けとして、先述した3つについて紹介します。

品種で選ぶ

品種によって味わいが変わるため、これは重要な要素です。

ここでは特に生産量の多いヴェルメンティーノとヴェルナッチャについて紹介します。

ヴェルメンティーノ

ヴェルメンティーノ種は、ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラというワイン生産地がもっとも多く生産しています。

この生産地は、火山性土壌で、ミネラルを豊富に含んでいます。そのためここで育ったブドウは独自の酸味を発揮するようになるのです。

またヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラの白ワインはアルコール度数が高く、塩味のニュアンスを含んだ独特な味わいを持っています。

サルデーニャのヴェルメンティーノ種は、イタリアのほかの地で育つものとはまた違った味わいを持っているということです。

ヴェルメンティーノからはさわやかな早飲みタイプから、中程度の熟成タイプまで幅広いワインが造られます。

その味わいは柑橘系に似たアロマと、豊満な酸味を含んだ果実味を持っています。

なお、同じヴェルメンティーノでも、1ヘクタールあたりの収量が9トン以上かつアルコール度数が13%以上という要件を満たすと、スペリオーレという名前を名乗ることができます。

ヴェルメンティーノは、魚料理やチーズとも相性がいいワインです。また冷やせばアペリティフとしても楽しめます。

ちなみにヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラは、サルデーニャのなかで唯一D.O.C.G指定を受けた生産地でもあります。

D.O.C.Gとは、イタリアにおけるワインの格を示す用語です。

4段階に分かれているなかで、D.O.C.Gはもっとも格の高いワインになります。格付け的にはフランスワインでいうところのA.O.Cに相当します。

ヴェルナッチャ

ヴェルナッチャはヴェルナッチャ・ディ・オリスターノという生産地で主に生産されています。

ヴェルナッチャのワインはフロール(産膜酵母)を持ち、熟成感が高いことが特徴です。

フロールで有名なものではシェリー酒が挙げられます。ヴェルナッチャもシェリーと同じ原理でフロールが発生しています。

そのためか、ヴェルナッチャの味わいは白ワインよりもむしろシェリー酒に近いものがあり、独特なワインとなっています。

なおサルデーニャの郷土料理であるボッタルガという料理とよく合うワインです。

ヴェルナッチャ種のワイン自体は歴史が古く、13世紀後半にはヨーロッパの貴族や王族に親しまれていたとされています。

ただし、サルデーニャにおけるヴェルナッチャのワインは先述のように独特な製法で造られたものです。

そのため、イタリアワインとしてのヴェルナッチャとはまた違った味わいを楽しむことができるでしょう。

ちなみに、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノは、1971年11月にD.O.C指定を受けています。

D.O.Cとは、先述したイタリアワインの格のなかで上から2番目のものです。

また余談ですが、イタリアワインの格は上からD.O.C.G、D.O.C、I.G.T、Vinoに分けられています。

価格で選ぶ

サルデーニャのワインの相場はそんなに高くありません。

なかには1000円台や2000円台で買えるものも多く、手は届きやすいといえるでしょう。

一方でそれなりに高価なワインもあります。

しかし高い価格のものでなければサルデーニャワインの魅力を十分に堪能できないということではありません。

サルデーニャワインは全体的に高品質です。高価なものは希少価値の高い材料で造られているなど何かしらの理由があってその価格になっています。

サルデーニャワインを制覇したい、その味を余すところなく楽しみたいということでなければ、特別価格にこだわる必要はないといえるでしょう。

味わいで選ぶ

甘口、辛口で選ぶという方法もあります。

辛口ワインとは甘味が少ないワインのことで、甘口はこの逆です。

ワインの辛口というのは本当に香辛料が効いたような辛さがあるわけではなく、甘味がないまたは少ないものを辛口と表現しています。

ワインは、ブドウ果汁のなかにある糖分を発酵させ、アルコールに変化させることで造られます。

このとき、発酵をどんどん進めて糖分のほとんどがアルコールに変わると辛口になります。

反対に、十分な発酵をさせずに糖分を多く残したものが甘口です。

辛口のほうが糖度が少ないため、アルコール度数も甘口に比べて高い傾向になります。

また甘口の方が果実味が強く親しみやすい味わいとなっているため、ワイン初心者は甘口から入るのがいいかもしれません。

ソムリエ厳選!サルデーニャの白ワイン10選

ここからは厳選したサルデーニャのおすすめ白ワインを紹介していきます。

日常使いにおすすめ!2,000円未満ベスト5

まずはリーズナブルな価格で味わえる、日常使いにおすすめの品々です。

第5位 パーラ ヌラグス

パーラ ヌラグス

1,250円 (税込)

詳細情報
イタリア、辛口

濃く長く続く果実の香りを持ったワインです。

清々しい口当たりで、果実味と酸がバランスよく調和しています。

魚介類がメインの軽食などによく合うでしょう。

第4位 セッラ&モスカ モンテオーロヴェルメンティノガッルーラ

セッラ&モスカ モンテオーロヴェルメンティノガッルーラ

フローラルさと繊細さを併せ持った複雑なアロマを持つワインです。

まろやかな口当たりと、さわやかな酸と芯のあるボディから様々な料理に合わせることができます。

第3位 セッラ&モスカ テッレ・ビアンケ トルバート

セッラ&モスカ テッレ ビアンケ トルバート

1,713円 (税込)

詳細情報
イタリア、辛口/ミディアムボディ、モンテ物産

トルバートというスペインから伝わったブドウを使ったワインです。

ミネラルが豊かな味わいで、魚介類ととてもよく合います。

ちなみにトルバートのワインはセッラ&モスカ社にしか現存していません

第2位 サンタ マリア ラ パルマ アラゴスタ ヴェルメンティーノ ディ サルデーニャ

ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ

1,600円 (税込)

詳細情報
イタリア、辛口、サンタ マリア ラ パルマ

ミディアムボディで辛口の味わいを持ったワインです。

シーフード料理との相性がばつぐんで、酸味がすくないさわやかな味わいになっています。

ちなみにアラゴスタとは、伊勢エビのことです。

第1位 セッラモスカ ラ・カラ ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ

セッラモスカ ラ・カラ

1,458円 (税込)

詳細情報
イタリア、辛口/ライトボディ、モンテ物産

第1位は、完熟ブドウ特有の複雑な風味を持ったワインです。

力強くはっきりとしたアロマと共に、軽快な塩味のニュアンスを感じることができます。

ちなみに生産者であるセッラモスカは2013年版ガンベロロッソワイナリー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。

週末や来客のある日に2,000円~5,000円ベスト5

次に紹介するのは、1週間がんばった自分へのご褒美や、来客があるときに用意したい品々です。

第5位 マンザニーレ

マンザニーレ

アップルを思わせるアロマを持ったワインです。

ミネラルが豊富で、ブドウが持つ自然な甘さが集約された味わいになっています。

ちなみにマンザニーレは、早朝という意味です。

第4位 セッラモスカ モンテオーロ ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ・スペリオーレ

セッラモスカ モンテオーロ ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ・スペリオーレ

2,529円 (税込)

詳細情報
イタリア、辛口/ミディアムボディ、モンテ物産

完熟したヴェルメンティーノから造られたD.O.C.Gワインです。

ミディアムボディの味わいで、まろやかな口当たりが魚介類とよく合います。

ちなみにサルデーニャのD.O.C.Gワインはこれのみです。

第3位 カンティーナ モーゴロ グレゴリウス

カンティーナ モーゴロ グレゴリウス

2,138円 (税込)

詳細情報
イタリア、ミディアムボディ

さわやかな果実味がおいしいワインです。

柔和な口当たりとほどよい酸味が親しみやすく、飲みやすい味わいです。

第2位 カンティーナ モーゴロ アナスタシア

カンティーナ モーゴロ アナスタシア

2,700円 (税込)

詳細情報
イタリア、フルボディ

ハーブの香りがただよう甘口のワインです。

ほどよい酸味と複雑でしかしクセになる甘味を長く楽しむことができます。

第1位 ロンゲッラ

ロンゲッラ ヴェルメンティーノ ディ サルデーニャ

2,310円 (税込)

詳細情報
イタリア、フルボディ、カルパンテ

第1位は爽やかで奥行きのある味わいを持ったワインです。

ボリューム感があり、なおかつ調和の取れた酸味を楽しめます。

魚介類を使った料理との相性は抜群です。

サルデーニャの白ワインはすっきりとした辛口が魅力

サルデーニャにおけるワイン造りは近代以降にめざましい発展を遂げました。

その質は確かなものがあり、それでいて手ごろな価格のものが多いことも魅力のひとつでしょう。

サルデーニャの白ワインは、全体的にすっきりとした辛口の味わいが中心です。

ワインになれてきて、そろそろステップアップしたいという時、サルデーニャのワインに触れてみるといいかもしれません。

またヴェルナッチャなど独特な味わいを持つものもあるので、中級者以上のワインに慣れ親しんだ人も楽しむことができるでしょう。

この幅広い層を楽しませることができる味わいが、サルデーニャワイン最大の魅力といえます。

     

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