【ソムリエ解説】カリフォルニアワインの特徴は?歴史から産地、品種、有名銘柄まで解説!

2019/03/19
ワインの基礎知識

ニューワールドのワイン産地の筆頭とも言えるのがアメリカです。
年間の生産量は世界第4位と、フランス、イタリア、スペインに次ぐ量のワインを造っています。
アメリカのワインの大半はカリフォルニアで造られており、その歴史は250年ほどと、それほど古い歴史がある地域ではありませんが、高品質なものを造っていることでとても良く知られています。

今回はカリフォルニアワインの歴史や、ワインの概要について紐解いていきましょう。

記事の執筆者

井出 玲子

JSA認定ソムリエ

イタリアンレストランなどで修行の後、ソムリエを取得。日本のワイナリーのコンサルティング会社にてプロモーション施策やマーケティング業務を行う。現在、フリーのフードコーディネーター、編集・ライターとして活躍中。

カリフォルニアワインの歴史と今

ソース

アメリカにブドウが持ち込まれたのは1530年頃、メキシコにスペインの修道士が持ち込んだのがきっかけと言われています。
メキシコに伝導所を開き、そのときに植えたブドウがミッション(バイス)と言われる品種です。その品種とともにソノマに向けて北上をしていきました。

時を経て19世紀中頃のゴールドラッシュの時代、人々が一攫千金を夢見てアメリカにやってきたとき、ハンガリー人の貴族、アゴストン・ハラスティが、カリフォルニア、ソノマのブドウ園を買い取り、ヨーロッパから300種類のブドウを持ち込みます。
カリフォルニアワインの歴史の一歩となる礎を気づいたことから、カリフォルニアワインの父と後に呼ばれるようになりました。

禁酒法の時代を経て量から質へ

しかし、フィロキセラがアメリカをも襲い、その後禁酒法の時代がやってきます。
それが打撃となり、ほとんどのワイナリーが廃業に追い込まれます。
そして、1933年に禁酒法が廃止され、徐々にワイナリーが復興。
カリフォルニアにブドウ栽培とワイン醸造のシンクタンクのような学校、カリフォルニア大学デイヴィス校の指導により、量から質の時代へと移っていきます。

さらに1966年にロバート・モンダヴィがワイナリーを設立。
ステンレスタンクを使用した革新的なワイン造りがカリフォルニアで始まるのです。
その革新的なワイン造りは現在のカリフォルニアワインにも脈々と受け継がれ、モダンで洗練されたワインをカリフォルニアは産み出しています。

カリフォルニアワインの特徴

カリフォルニアはアメリカの中でも高品質なワインを造っている地域として知られており、ニューワールドのワインの中でも、旧世界(フランスなど歴史のあるヨーロッパ)のワインに引けをとらないものが増えています。
気候的にもブドウ栽培に非常に適しており、最先端の科学と、最新の研究結果が反映された高品質のワインが造られています。

ワインの傾向としては、全体にボリューム感があり、クリーンで香りや果実味が豊かなものが多いのが特徴です。
ストレートでわかりやすいものが多いですが、複雑な味わいを持つものも多く、とても多様なワインが生み出されています。

カリフォルニアの気候

カリフォルニアのワイン産地は南北に広いですが、その気候は単純に北は冷涼、南は温暖ではなく、太平洋を流れる寒流からの冷気の影響を大きく受けていることが大きな特徴です。
そのため、海に近いほど冷涼で、内陸に向かうほど温暖という傾向があります。
全体に雨は少なく、乾燥しているため、病虫害を寄せ付けないという利点があります。
また、カリフォルニアは霧が多いことがよく知られており、この霧によってブドウが強い太陽の日差しから守られ、程よく成熟したブドウが収穫できます。

カリフォルニアワインの産地

カリフォルニアには大きく分けて5つの生産地域があります。

ノースコースト

サンフランシスコの北側の、海と山に囲まれた地域です。
有名なナパ、ソノマ、メンドシーノ・レイクといった地区がこの中にあり、高級ワインを造っていることでよく知られています。
栽培されている品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、シャルドネなど。

セントラルコースト

太平洋沿いの、サンフランシスコからサンタバーバラへと続く地域です。
内陸側は温暖で乾燥しており、海側は寒流の影響を受けて冷涼な地域で、地域によって個性の異なるワインが生まれます。
栽培されている品種は、ピノ・ノワール、メルローなど。

シエラフットヒルズ

ゴールドラッシュの舞台となったのがこのシエラフットヒルズ。ネバダの周辺に位置しています。
栽培しているのはジンファンデルなど。
黒ブドウのジンファンデルを白ワインの製法でワインにした「ブラッシュ」で知られています。

セントラルヴァレー

カリフォルニアの農業の中心地で、最大のワイン産地です。
内陸部にあり、デイリーに楽しめるカジュアルなワインが多いのが特徴です。
栽培しているのは、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネなど。

サウスコースト

一番南に位置する生産地域で、サンディエゴやロサンジェルスに近く、暑くて乾燥した地域です。
デイリーに楽しめるワインが中心に作られています。
栽培しているのは、シャルドネ、ピノ・グリ、ジンファンデル、テンプラニーリョなどです。

カリフォルニアワインの代表的産地

中でもおさえておきたい産地は下記の産地。
地区や畑ごとに細かく気候も違い、個性も違うのがカリフォルニアワインの特徴です。

ナパ・ヴァレー

カリフォルニア随一の銘醸地とも言える地域。
生産量はカリフォルニア全体の1割に満たないながらも、数々の有名ワイナリーが建ち並び、高品質のワインを生み出しています。

ソノマ・ヴァレー

太平洋とナパ・ヴァレーに挟まれた地域。
非常に大きな地域でありながら、山や谷が多く、複雑な地形をしているので、地域によって機構が異なるのが特徴。
冷涼な気候を活かしたワイン造りが行われており、高品質なワインを数多く生み出しています。

カリフォルニアのワイン品種

カリフォルニアで育てられている55種以上のブドウのほとんどはヨーロッパ品種です。

中でもカベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、シャルドネなどが盛んに育てられています。

ただ、中にはジンファンデルのようなカリフォルニア固有の品種も存在します。

カリフォルニアワインの格付け

カリフォルニアのワイン法は1976年に制定、1983年に改定され、それと同時にAVAの制度ができました。
AVAにより、カリフォルニアワインは3つのカテゴリーに分類されています。

プロプライアタリーワイン

ワイナリーがブドウ栽培から醸造、瓶詰めまでを通して行ったワインのこと。
それぞれのワイナリーの個性や特徴がよく出たものになっています。

ヴァラエタルワイン

ラベルにブドウ品種を表示したワイン。
単一品種を75%以上使用していることが表示の最低条件です。
併記される地名も、州名の場合は100%、郡名の場合は75%、AVA名の場合は85%以上の仕様をしないと表記ができません。

ジェネリックワイン

数種類のブドウをブレンドした日常消費用のワインのこと。
ラベルには、白、ロゼ、赤などの色調を示したものと、ヨーロッパの産地名を表示したものの2種類があり、国内消費向けに作られています。

知っておくべきカリフォルニアの高級ワイン

カリフォルニアにはさまざまなワインがありますが、その中でも高級なワインとして知られているものをいくつかご紹介します。

オーパス・ワン

ボルドーでシャトー・ムートンを手がけるバロン・フィリップ・ロスチャイルド男爵と、カリフォルニアワインの名手、ロバート・モンダヴィがタッグを組んで生まれたワインです。
ファーストヴィンテージは1979年。年ごとに異なるニュアンスの複雑なワインを生み出しています。

 

ドミナス

ボルドーではシャトー・ペトリュスで知られるクリスチャン・ムエックスが、イングルヌックのロビン・ダニエル・レイル、マーシャ・スミスとタッグを組んで生み出したワインです。
ファーストヴィンテージは1983年。ボルドースタイルの複雑で繊細なワインを造っています。

 

スタッグス・リープ

ナパの銘醸地、シルバラード・トレイルにあるワイナリー。
1976年のパリ・テイスティングで、ボルドーの超一流シャトーを押しのけ、1位を獲得した伝説のワイナリー。カリフォルニアワインの黎明期から現在に至るまで、高品質なワインを造り続ける偉大なワイナリーとして知られています。

 

ハーラン・エステート

オークヴィルからフランスの格付け第1級に匹敵するワインを造る、というヴィジョンのもと、1984年に創設されたワイナリー。ファーストヴィンテージは1990年。パーカーポイント100点を6回も獲得するなど、名声の高いワイナリーです。

カリフォルニアまとめ

カリフォルニアのワインについて、歴史、品種、産地、格付け、銘柄を解説してきましたが、いかがでしたか?

カリフォルニアのワインはまだまだ深いので、産地を深掘ってみたり、さらに追求していきましょう

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