チリワインは2015年より3年連続で日本のワイン輸入量1位に君臨しています。
その理由は、価格が安いのに美味しいという「コストパフォーマンスの良さ」!
今や日本のワイン市場に欠かせないチリワイン。今回はその中でもチリの赤ワインに注目して、その魅力とおすすめ10選をご紹介します。
チリの赤ワインの特徴
赤ワインがワイン全体の75%
太平洋やアンデス山脈からの冷涼な風で昼と夜の寒暖の差が大きく、ブドウ栽培に適した自然条件が揃っています。
このようにワインづくりに大変恵まれた環境を持つチリですが、チリのワイン用ブドウの全生産量のうち、赤ワイン用ブドウ(黒ブドウ)が75%を占めます。
味わいの特徴
「日照時間の長さ」と「雨量の少なさ」という2つの理由から、ブドウがしっかり熟してから収穫することができます。完熟したブドウを使ってワインを造ることができるので、チリの赤ワインは果実味が豊富で濃い味わいが特徴です。
ポリフェノールが世界で一番多く含まれる
イギリスの研究機関によると、世界の中でワインおよびブドウに含まれるポリフェノールが一番多く含まれるのはチリの赤ワイン、という結果が出ています。
チリの赤ワインの種類と選び方
今回は、ブドウ品種、産地、予算の3つの項目に視点を置いて、チリの赤ワインの選び方を伝授します。
品種で選ぶ
チリの赤ワイン用のブドウ品種(黒ブドウ)はフランス系品種がメインになります。
カベルネ・ソーヴィニョン
カベルネ・ソーヴィニョンはチリ国内で生産量第一位の黒ブドウ品種で、栽培面積は約38,000haにもなります。
遅熟なため、十分な太陽の光を浴び完熟しないとピーマンのような香りをもたらすことがあります。
チリは雨量が少なく乾燥しており昼夜の寒暖の差が大変大きいため、カベルネソーヴィニョンの生育に最適な気候です。ジャムにしたようなカシスやブラックベリーなどの黒系果実風味とともにチョコレートのような滑らかさが加わり重厚な味わいに仕上がりやすくなります。
メルロー
メルローは、カベルネ・ソーヴィニョンに続いてチリで生産量が多い黒ブドウ品種。
基本の味わいは、プルーンやブラックチェリーなどの肉厚な黒系果実風味をベースに控えめの酸味と渋みに仕上がるブドウ品種です。
チリのたっぷりの日差しを浴びて熟したメルローは、通常のメルローよりもよりジューシーで滑らかな優しい味わいです。
カルメネール
カルメネールは1863年にフィロキセラという害虫がヨーロッパのブドウの樹に被害を及ぼした際、世界から全滅したと言われていたブドウ品種でした。
しかし、チリの特有な地理条件から、実はチリにカルメネールが残っていたのです。
チリ特有のブドウ品種となったカルメネールは、プラムやブラックベリーを思わせる黒系果実のしっかり濃厚な味わい。
未熟なものは青ピーマンのような香りが残ります。
ピノ・ノワール
日射量が強く濃厚なワインが作られがちのチリのイメージですが、太平洋の寒流フンボルト海流がもたらす冷たい風のおかげで、栽培に冷涼な気候を好むピノ・ノワールも栽培されています。
チリのピノ・ノワールは通常の特徴よりもややジャムにしたような甘みがあり、色も少し濃いめが特徴。
シラー
シラーは近年チリで注目されています。
比較的暖かく赤ワイン向けの地域だけでなく、白ワインやピノ・ノワールで有名な冷涼な地域にも植えられており、その違いを楽しむことができる赤ワイン用ブドウ品種です。
温暖な地域は、黒系果実とスパイスの香りが特徴的で、冷涼な地域ではスミレなどのフローラルなアロマを楽しむことができます。
パイス
チリワインの原点といわれるブドウの品種で、16世紀にスペイン人の征服者によって持ち込まれました。
実際、パイス(País)とはスペイン語で国という意味です。
高品質なワイン向けではない品種なので、早飲み赤ワイン用に使用されるのが一般的ですが、こだわって作られたものは、ピノ・ノワールのような味わいに仕上がるものもあります。
産地で選ぶ
チリのワイン産地は、大きく北部、中部、南部の三つの地域にわかれます。
北部はワイン用のブドウだけでなく、ピスコという蒸留酒用のブドウも栽培されています。中部は、チリのワイン銘醸地が多く存在し、南部は国内での消費が主となります。
では、重要な地方とその特徴を北から見てきましょう。
コキンボ地方
チリワイン産地北部のコキンボ地方には、「エルキ・バレー」「リマリ・バレー」「チョアパ・バレー」などがあり、シラーやシャルドネが植えられています。
アコンカグア地方
東はアンデス山脈、西は太平洋までつながる半砂漠地帯の「アコンカグア・バレー」は特に赤ワインで有名な地域で、カベルネ・ソーヴィニョンやメルローが多く植えられています。
太平洋からの冷たい風の影響をとてもうける「カサブランカ・バレー」と「サンアントニオ・バレー」は冷涼な気候のため、ソーヴィニョン・ブランやシャルドネなどの白ワイン、そしてピノ・ノワールやシラーで有名な地域です。
セントラル・バレー地方
セントラル・バレー地方は赤ワインで有名な地方です。
その中でも特に有名な地域が「マイポ・バレー」「ラペル・バレー」「マウレ・バレー」でカベルネ・ソーヴィニョンを中心にカルメネールやメルロー、シラーなどが植えられています。
また「クリコ・バレー」はソーヴィニョンブランの栽培面積が国内最大ということで有名です。
南部地方
国内の生産量は少ないものの、カベルネソーヴィニョンからメルロー、ソーヴィニョンブラン、シャルドネまで色々なブドウ品種をつくっている場所。主な地域は「イタタ・バレー」や「ビオビオ・バレー」が有名です。
チリのおすすめ赤ワイン10選
普段使いにおすすめ!予算2,000円
5位
カルメネール グラン レセルバ
1,533円 (税込)
チリ最北のワイン産地エルキ・バレーで造られたワイン。
ブドウを枝に残して乾燥し、糖度をあげてから発酵させるスタイルでワインを作っているため、プルーンや干しブドウのような非常に濃厚な果実の風味に加え、タバコのようなスモーキーさやヴィニラの香りが合わさり、大変重厚な味わいに仕上がっています
。重い味わいが好きな人は間違いなくハマってしまうでしょう。
4位
コノスル ピノノワール レゼルバ
1,015円 (税込)
自転車のラベルで有名なコノスルのスペシャルシリーズ。
自社畑の中でも厳選した畑のピノ・ノワールを使用し、フレンチオークの樽で熟成。ストロベリージャムやアメリカンチェリーのような果実風味に、上品なヴァニラの香りとほのかに腐葉土のニュアンスが加わった濃厚なピノ・ノワール。
フランスのピノ・ノワールとは異なる果実風味豊かで濃厚なピノ・ノワールを試してみませんか?
3位
カッシェロ・デル・ディアブロ デビルズ・コレクション レッド
1,555円 (税込)
その美味しさからワインを盗む人が絶えず、創設者が蔵に悪魔がいるという噂を流しワインを守ったといわれる「悪魔の蔵」にちなんでつけられたワイン「カッシェロ・デル・ディアブロ」のワンランク上のプレミアムブレンドワイン。
その年の最高の区画のブドウのみをブレンドして造っているので、ブラックベリーやカシスなどの果実風味が口いっぱいに広がります。香りから口の中に残る余韻まで黒系ベリーの果実風味をたっぷり楽しんでください。
2位
モンテス アルファ
1,860円 (税込)
プレミアムチリワインの先駆者で、天使のラベルで有名なモンテス。
世界の名だたるレストランやホテル、航空会社でも採用されており、その味は世界中で認められています。
そんなモンテスが有名になったきっかけがこのアルファ・シリーズ。カベルネソーヴィニョンの濃厚な果実風味はもちろんのこと、フレンチオークの樽で12か月熟成した複雑性も一緒に楽しむことができ、余韻が大変長く満足できる味わいです。重厚だけど上品な味わいが好きな方におすすめです。
1位
ロス ヴァスコス
1,166円 (税込)
世界中のワインファンが憧れるフランス5大シャトーのうちのひとつシャトー・ラフィットロートシルトが手掛けるチリワイン。
チリワインならではの濃厚な果実風味と酸味、ミネラルのバランスが大変素晴らしく、1,000円台とは思えないほどのエレガントな味わいに仕上がっています。
ワンランク上のデイリーワインをお探しの人にはもってこいの1本です。
~2,000円のチリ赤ワイン比較表
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商品名 | ロス ヴァスコス | モンテス アルファ | カッシェロ・デル・ディアブロ デビルズ・コレクション レッド | コノスル ピノノワール レゼルバ | カルメネール グラン レセルバ |
価格 | 1,166円(税込) | 1,860円(税込) | 1,555円(税込) | 1,015円(税込) | 1,533円(税込) |
詳細 | チリ、辛口/ミディアムボディ、サントリー | チリ、辛口/フルボディ、エノテカ | チリ、辛口/フルボディ、メルシャン | チリ、辛口/フルボディ、コノスル | チリ、辛口/フルボディ、ドラジェ |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
来客用やプレゼントにおすすめ!2,000円~5,000円
5位
サンタ エマ アンプリュス オールドヴァイン カリニャン
2,808円 (税込)
チリでは中々見かけないカリニャンを使ったユニークな一本。
紫がかった深いルビー色が印象的で、チェリー、ラズベリー、ブラックベリーなどの果実風味にチョコレートやナツメグ、コーヒーなどの濃く特徴的な風味を楽しむことができます。通常のチリワインとは少し変わった赤ワインをお求めの人におすすめです。
4位
エミリアーナ コヤム コルチャグア・ヴァレー
3,726円 (税込)
チリの赤ワイン銘醸地コルチャグアバレーのオーガニックワイン。
チェリーやストロベリー、カシスなど赤系ベリーと黒系ベリーの果実風味がいっぱい口の中に広がりピュアな果実の香りをふんだんに楽しむことができます。
数種類のブドウをブレンドしているので、バランスよく仕上がっており、余韻いかすかな樽の香りが広がり、上品な味わいに仕上がっています。重すぎず、果実風味を楽しみたい方はぜひこちらをお試し下さい。
3位
テラ・マター・アルタム・メルロー
2,246円 (税込)
知る人ぞ知るイギリスのワイン雑誌デキャンタ主催のワインコンテストで、16,903本の中から149本しか選ばれないプラチナ賞に選出されたワイン。
メルローのの特徴であるブラックチェリーやプルーンなどの熟した果実風味が口の中いっぱいに広がり、口当たりは大変シルキー。果実の甘みと濃さを同時に楽しみたい人におすすめ。
2位
ヴィーニャ エラスリス カベルネソーヴィニヨン アコンカグア アルト
3,397円 (税込)
数々の受賞歴を持ち、約140年の歴史を持つ老舗ワイナリーエラスリスのプレミアムワイン。
特別な畑のブドウを使い、アメリカンオークとフレンチオークでしっかり12か月熟成しているので、濃厚な黒系ベリーの果実風味と黒コショウなどのスパイス、ヴァニラ、コーヒーなど、ふくよかで重厚な味わいが楽しめます。
牛肉料理などのしっかりとした脂身のあるお肉とベストマッチ。
1位
クロ・デ・フ・ピノ・ノワール・アレナリア
4,730円 (税込)
世界的に有名な地質学者ペドロ・パッラ氏が手掛けるチリのピノ・ノワール。
世界のワイン雑誌で高評価を得ただけでなく、かの有名なワイン評論家ロバート・パーカー氏までもが大絶賛する一本で、ピノ・ノワール本来の持つ果実風味に加え、テロワールの特徴を思う存分に堪能できる繊細かつ複雑な味に仕上がっています。
その香りと味わいはプラムやチェリーの果実味、ミネラル、白コショウ、花、腐葉土など、様々。味わいの濃いチリワインとは反対に、繊細で複雑なピノ・ノワールを飲みたい人におすすめ。
2,000~5,000円のチリ赤ワイン比較表
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
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商品名 | クロ・デ・フ・ピノ・ノワール・アレナリア | ヴィーニャ エラスリス カベルネソーヴィニヨン アコンカグア アルト | テラ・マター・アルタム・メルロー | エミリアーナ コヤム コルチャグア・ヴァレー | サンタ エマ アンプリュス オールドヴァイン カリニャン |
価格 | 4,730円(税込) | 3,397円(税込) | 2,246円(税込) | 3,726円(税込) | 2,808円(税込) |
詳細 | チリ、ワインズ東京 | チリ、辛口/フルボディ、ヴィーニャ・エラスリス | チリ、ワインズ東京 | チリ、辛口/フルボディ、ワイン・イン・スタイル | チリ、フルボディ、Santa Ema(サンタ エマ) |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
チリの赤ワインまとめ
いかがでしたか?ひとえに「チリの赤ワイン」と言っても、ブドウ品種、産地、価格で色々な香りや味の個性があります。かつてのチリワインのイメージであるただ濃い「チリカベ」だけではなく、今では色々なブドウ品種を用いながら好みや食事に合わせて選べるラインアップが増えました。
チリワインが日本にたくさん輸入されている今だからこそ、ぜひ色々試して魅力をたくさん感じてください。
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