「栃木の有名な日本酒を知りたい」
「プレゼントにおすすめな栃木の日本酒を知りたい」
そんな方に向け、栃木の日本酒の特徴やおすすめの銘柄を日本酒ソムリエが解説。
人気の酒蔵やお土産に日本酒を購入できる地酒ショップもご紹介していきます。
栃木の日本酒の特徴は?
【特徴1】濃醇甘口な味わい
栃木の日本酒は濃醇甘口と言われています。
米の甘味や旨味などをふんだんに感じられる味わいが特徴です。
米の個性を引き出した酒造りが栃木では行われています。
隣県の茨城や群馬の日本酒は淡麗辛口であることに対し、栃木の日本酒は味わい深さが魅力。
この違いは濃い味付けを好む栃木の食文化によるものだと考えられます。
食事との相性を楽しめる点も栃木の日本酒の楽しみ方の一つです。
【特徴2】豊かな水資源
日本酒造りに欠かせない水が豊富な栃木県。
栃木には鬼怒川・那珂川・渡良瀬川など多くの河川があることが特徴。
日本名水百選で全国第一位となった尚仁沢湧水群をはじめ、県内各地に名水を有しています。
栃木で採水される水は硬度・ミネラル分ともに日本酒造りには最適。
日本酒の80%以上は水でできているので、水の質は日本酒の質にも大きく影響します。
豊かな水資源を持っているからこそ栃木は美味しい日本酒の産地として知られているのです。
【特徴3】下野杜氏による酒造り
栃木の酒造りは「下野杜氏」と呼ばれる酒造りの集団によって行われています。
下野杜氏は2001に栃木で生まれた最も若い杜氏グループです。
若手のグループならではの新しく柔軟な酒造りを行うことが下野杜氏の特徴。
かつて栃木では越後杜氏や南部杜氏などに酒造りを任せていました。
栃木独自の日本酒造りを発展させていくために、地元の若手蔵人が手を結んで杜氏を結成。
下野杜氏の造った日本酒は全国新酒鑑評会で複数の金賞を受賞しており高い評価を受けています。
栃木県の日本酒の選び方
【選び方1】甘口・辛口で選ぶ
栃木の日本酒は濃醇甘口な味わいが特徴。
とはいっても、栃木の日本酒の中にもすっきりと辛口な銘柄もあります。
日本酒の甘口・辛口を判断するには「日本酒度」を確認しましょう。
日本酒度とは日本酒に含まれる糖分の量をプラスマイナスで数値化した指標のこと。
数値がプラスになれば辛口に、マイナスになれば甘口ということを示します。
日本酒度は酒瓶のラベルや酒蔵のホームページから確認できるのでチェックしましょう。
【選び方2】酒蔵で選ぶ
全国にその名を馳せる「せんきん」
栃木では最も有名な酒蔵のひとつである「せんきん」。
代表銘柄は「仙禽」。
甘味と酸味のバランスが絶妙なみずみずしい日本酒造りが特徴です。
ジューシーでフレッシュな日本酒だけでなく、歴史ある骨太な日本酒まで幅広い種類の日本酒を製造しています。
吟醸造りにこだわる「小林酒造」
豊かな田園地帯に蔵を構える酒蔵です。
代表銘柄は「鳳凰美田」。
明治に創業した歴史ある酒蔵で、良い米から美しい酒を造ることを目標としています。
吟醸酒造りに力を入れており、マスカットやメロンを思わせるフルーティーな日本酒が得意です。
クリアで辛口な日本酒造りの「飯沼銘醸」
1811年に創業した栃木市の酒蔵。
代表銘柄は「杉並木」「姿」。
地元産の酒米と自社敷地内から汲み上げる井戸水で日本酒を仕込んでいます。
栃木では少ない辛口で旨味もしっかりと感じる味わいが特徴です。
栃木の街中にある酒蔵「虎屋本店」
栃木の中心である宇都宮の街中にある酒蔵です。
代表銘柄は「七水」「菊」。
若手の下野杜氏が酒造りを担っており、県外や海外でも通用する酒造りを目指しています。
米のコク深さを引き出したり、華やかな香りを強調したりと多様な種類の日本酒を製造。
【選び方3】酒米で選ぶ
夢ささら
13年の開発期間をかけて生まれた酒米。
酒米の王と呼ばれる「山田錦」を親に交配を重ねました。
米の粒が大きく高精米に適しているため、大吟醸など高級な日本酒向けの酒米です。
とちぎ酒14
2007年に開発された栃木オリジナルの酒米です。
タンパク質の含有量が少なく、淡麗でクリアな酒造りに適しています。
病害の耐性が高く、収量も安定しており育てやすいという特徴も。
[PR]
全国新酒鑑評会9連覇中の福島県の老舗・実力派の酒蔵から、
選りすぐりのお酒と、蔵人自らが選んだおつまみ5品を毎月お届け!
毎月、fukunomo編集部が酒蔵を訪問して、綿密な取材と収録を実施しています。
好きなときにYoutubeでオンライン蔵見学をしながらお酒をお楽しみください。
fukunomoを詳しく見る
栃木の日本酒ランキング10選
こちらで日本酒ソムリエ有資格者が選ぶ栃木の日本酒をランキング形式でご紹介していきます。
濃醇旨口な栃木の日本酒らしい銘柄から、若手の下野杜氏が醸す現代的な日本酒もピックアップしました。
10位 若駒 本醸造
若駒 本醸造
酒米:国産米
アルコール度数:15~16%
力強い味わいの辛口な本醸造酒です。
米の深い旨味を感じることができます。
旨味はありますが雑味が無く食事との合わせやすさも特徴。
冷酒から熱燗まで幅広い温度帯で美味しくいただけます。
9位 旭興 辛口純米吟醸 山卸し廃止酛
旭興 辛口純米吟醸 山卸し廃止酛
酒米:夢ささら
アルコール度数:16%
独特の風味が楽しめる純米吟醸酒。
製法にはコク深さを生み出す山廃造りを採用。
さらには伝統製法である「木桶仕込み」も行っています。
ほんのりと木の香りが感じられ、さらりとキレの良い辛口な味わいが特徴です。
8位 姿 Black Impact 純米吟醸 生原酒
姿 Black Impact 純米吟醸 生原酒
酒米:山田錦・ひとごこち
アルコール度数:17~18%
なめらかな口当たりの純米吟醸酒。
口に含むと果実の香りが鼻からふわりと抜けていきます。
米の濃い旨味と透明感のバランスが秀逸です。
フレッシュな生原酒ですので冷やしてお楽しみください。
7位 杉並木 純米吟醸 年輪
杉並木 純米吟醸 年輪
酒米:国産米
アルコール度数:15~16%
地元産の原材料にこだわった純米吟醸酒。
仕込み水には大谷川の伏流水を使用。
米の旨味をしっかりと感じつつ爽やかな味わいがあります。
飲み飽きすることなくいつまでも飲める親しみやすい味わいが魅力です。
6位 大那 超辛口純米
大那 超辛口純米
酒米:五百万石
アルコール度数:16~17%
やわらかい飲み口の辛口純米酒です。
日本酒度は+10とかなりの辛口な仕上がり。
その一方で米のふくよかさがしっかりと感じられる味わい。
後味のキレが良くどんな食事とも万能に合わせることができます。
5位 澤姫 純米吟醸 真・地酒宣言
澤姫 純米吟醸 真・地酒宣言
酒米:ひとごこち
アルコール度数:15%
地元産の原材料にこだわった純米吟醸酒です。
米・水・酵母・作り手のすべてが栃木産。
米の旨味をはっきりと感じ、華やかな吟醸香も楽しめます。
飲み飽きしない味わいの万能な食中酒です。
4位 七水 純米 夢ささら YAMAHAI
七水 純米 夢ささら YAMAHAI
酒米:夢ささら
アルコール度数:16%
独特な上品さを持ち合わせた山廃純米酒。
レモングラスを思わせるような爽やかな香りが感じられます。
ほのかな苦味が感じられ、ビターな味わいが食事とうまくマッチ。
ボトルデザインもおしゃれな個性的な1本。
3位 惣誉 生もと 特別純米
惣誉 生もと 特別純米
酒米:山田錦
アルコール度数:15%
しっかりした味わいの生酛特別純米酒。
生酛仕込みならではの力強く酸味の効いた味わいが特徴。
ボリューム感があるので濃い目の料理とよく合います。
生産量のほとんどが地元で消費されている地酒です。
2位 鳳凰美田 純米吟醸 瓶燗火入
鳳凰美田 純米吟醸 瓶燗火入
酒米:五百万石・山田錦
アルコール度数:16%
華やかでジューシーな純米吟醸酒です。
マスカットやメロンを思わせるような吟醸香がはっきりと感じられます。
酸味と甘味のバランスが絶妙で、次のもう1杯を誘う味わい。
しっかり冷やしてワイングラスで楽しみたい人気銘柄。
1位 モダン仙禽 無垢 無濾過原酒
モダン仙禽 無垢 無濾過原酒
酒米:ドメーヌさくら 山田錦
アルコール度数:15%
フルーティーでみずみずしい無濾過生原酒です。
グラスに注ぐと穏やかな果実の香りを感じます。
口に含むと生のフルーツをかじったかのような濃厚な果実の風味が
鼻から抜けていき、後味はすっきりとドライです。
混じりけのないピュアな日本酒の旨味を楽しめる人気の1本。
栃木の地酒が購入できる酒屋
栃木の日本酒ならここ!「淀川酒店」
創業100年の歴史を持つ栃木の日本酒の品揃えが豊富な地酒ショップ。
県内の取り扱いの酒蔵数は20以上あり、銘柄数は100以上となります。
宇都宮市内にあるのでアクセスも良好。
栃木観光の帰りに地酒を買いたい方におすすめできます。
営業時間:10:00~20:00 水曜定休
電話番号:028-633-4887
ホームページ:https://www.sakeyodo.com/
県内随一の品揃え「ましだや」
栃木県内でも評判な地酒ショップです。
県内の日本酒を中心に、全国各地から厳選した日本酒をラインナップ。
お酒好きも納得な品揃えがあり、日本酒を熟知したスタッフからおすすめを聞くこともできます。
日本酒だけでなくワインや焼酎、ビールなども豊富です。
営業時間:10:00~19:00(日曜は18:00閉店)
電話番号:TEL:0282-82-0161
ホームページ:https://www.mashidaya.co.jp/
日本酒とワインの専門店「山仁酒店」
宇都宮の業務用酒屋が運営するリカーショップです。
ソムリエや利き酒師が多数在籍しており、プロ目線で選んだ銘柄をラインナップ。
こだわりのワインのほか、栃木の地酒を含む全国でも入手困難な日本酒も取り揃えています。
プロの意見を聞きながらじっくりとお酒を選びたい方におすすめです。
営業時間:9:00~18:30
電話番号:028-633-4821
ホームページ:https://www.yamajin.com/
【番外】栃木の日本酒を飲み比べ!「酒造組合ささら」
栃木の酒造組合が運営する「ささら」では栃木の地酒を飲み比べすることができます。
試飲可能な120種類以上もの地酒を取り揃えているのは酒造組合ならでは。
栃木の日本酒を一度に楽しめるため、日本酒好きな方には非常におすすめです。
宇都宮市にあるためアクセスも良好で、観光客に人気のスポット。
営業時間:17:00~19:00 (土日・祝祭日を除く)
電話番号:028-622-5071
ホームページ:http://www.utsunomiya-cvb.org/tourist_data/122.html
栃木の日本酒に合わせたいご当地おつまみ
【おつまみ1】宇都宮餃子
栃木グルメといったら外せない宇都宮の餃子!
野菜がたっぷりでジューシーな餃子は、芳醇甘口な栃木の日本酒と相性ぴったりです。
焼き餃子だけでなく水餃子やスープ餃子などバリエーションも豊富。
価格もリーズナブルなので、ぜひいろいろな餃子を日本酒と合わせてみてください。
【おつまみ2】湯波
観光地でお馴染み日光名物の湯波。
日光の湯波は2枚仕上げで豆乳の風味が強いことが特徴です。
クリーミーな日光の湯波は、ふくよかな栃木の日本酒とぴたりと合います。
乳製品の風味を感じる生酛山廃系の日本酒とぜひ合わせてみてください。
【おつまみ3】しもつかれ
栃木の郷土料理として知られるしもつかれ。
酒粕や鮭の頭、大豆、大根など体に優しい食材が使われています。
素朴な野菜の甘味や酒粕の風味が感じられ、日本酒とよく馴染む味わいです。
お燗にしたふくよかな純米酒や本醸造酒と一緒にぜひ。
まとめ
芳醇旨口な味わい深さが特徴の栃木の日本酒。
若手の酒造り集団である下野杜氏によって造られる栃木の地酒は、ここ数年で大きな注目を集めています。
栃木の日本酒は日本酒度や酒米の種類、人気の酒蔵で選ぶのがおすすめ。
現地の地酒ショップで見つけた地酒を栃木の名産品である餃子や湯波などと楽しんでみて下さい。
関連記事
純米吟醸酒の人気おすすめランキング15選!特徴や吟醸酒との違いも解説
「純米吟醸酒はよく飲むけど、純米大吟醸や吟醸酒との違いをよく分かっていない」 「どの純米吟醸を選べば良いか
青森の地酒「田酒」はどんなお酒?こだわり・種類・味・値段を解説!
青森の地酒として有名な「田酒」。 生産量が少なく入手が難しいこともあり、一部「幻の日本酒」と呼ばれる銘柄も
新潟のおすすめ日本酒ランキング10選|人気銘柄から手に入りにくいレアな日本酒までご紹介
新潟県といえばお米! そんな米どころの新潟県では日本酒造りも盛んに行われています。 酒蔵の軒数、県民
冷酒とは?飲み方から冷酒におすすめの日本酒ランキング15選を紹介
日本酒の定番の飲み方である冷酒。 日本酒の最大の魅力は、温度帯によってさまざまな味わいを楽しめることです。
八海山のおすすめ銘柄20選|日本酒から焼酎・甘酒まで幅広い種類や美味しい飲み方までご紹介!
定番の人気日本酒、「八海山」。 料理を邪魔しない食中酒として、全国の日本酒好きから根強い人気を誇っています。 一
上善如水はどんな日本酒?人気おすすめや種類・美味しい飲み方を解説
日本酒入門の銘柄として大人気な上善如水。 さらりと飲みやすく、オシャレなボトルデザイン
秋田の日本酒ランキング10選|特徴や選び方、飲み比べして楽しい人気の銘柄を紹介!
東北地方を代表する酒どころ秋田県。 日本酒の消費量は全国で2位と、秋田では日本酒が県民に広く愛されています。 今回
秋田の日本酒「花邑(はなむら)」のおすすめ銘柄ランキング5選!酒器や飲み方を徹底解説!
今回は、秋田県の日本酒をお酒のプロが解説していきます。 入手が困難の為、幻の日本酒と呼ばれている「花邑」の
スパークリング日本酒 澪(みお)の特徴は?種類や人気の秘密を解説
フルーティーな甘味と爽やかな発泡性を持った日本酒「澪(みお)」。 澪は日本酒初心者や若年層に人気のスパーク
富山の日本酒おすすめランキング10選!特徴や有名な蔵元まで徹底解説!
富山にはたくさんの酒蔵があります。 その数なんと19蔵以上。 厳しい寒さと豊かな自然の恩恵を受けた富山の日本