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アリゴテと聞いて、ぱっと味わいが浮かぶ人も少ないのではないでしょうか。
実はこのアリゴテ、現在価格沸騰中のブルゴーニュの中でも良心的な価格で楽しめる、今注目すべきブドウ品種の一つと言えます。
そんなアリゴテについて、詳しく見ていってみましょう。
アリゴテとは
アリゴテは、主にフランスのブルゴーニュ地方にて生産されており、特にコートシャロネーズの北部にあるAOCブーズロンでは、アリゴテ100%のワインが生産されています。
ブルゴーニュの中ではシャルドネ、ピノ・ノワールが生産量の80%を占めており、アリゴテは非常に古くから造られる歴史のあるブドウ品種ですが、栽培量としてはブルゴーニュ品種の中では6%ほどと、非常に生産量の少ないブドウ品種となります。
同じ生産地としてシャルドネとよく比べられますが、シャルドネより頑丈なブドウ品種で果房も果粒も大きく、一房につく粒も多いことが特徴的です。
アリゴテの特徴
実は二種類のアリゴテがある
一つめが「アリゴテ・ヴェール」です。ヴェールは緑という意味を持っており、その名の通りブドウが緑がかっている、粒の大きいブドウとなります。こちらのブドウは糖度も低く、非常に酸の高く、フレッシュで透明感のあるワインができることが特徴です。
もう一つが「アリゴテ・ドレ」というブドウ。ドレは金色という意味を持っており、アリゴテ・ヴェールとは異なる金色がかったブドウです。
元々は緑がかったブドウ品種ですが、太陽をしっかりと浴び熟すことでブドウの成熟度が増し、果皮も金色となり、糖度も高くなります。アリゴテ・ドレは糖度がしっかりとある為、突出した酸もなく、厚みのあるふくよかなワインが出来上がります。
ブルゴーニュならではの石灰質土壌から来るミネラル感は2つのアリゴテに共通してみられることが多く、どちらも和食や魚介料理にはぴったりなワインと言えます。
カクテル「キール」の本来のベース
白ワインにクレーム・ド・カシスを入れたカクテル、キール。
誰しも一度は飲んだことのあるカクテルかと思いますが、本場のブルゴーニュではアリゴテを使用して作るのが正式です。
キールにはアリゴテとクレーム・ド・カシスとはいっても、特徴的なブーズロンのアリゴテとクレーム・ド・カシスを一緒に入れてしまうと、味わいが喧嘩して相性が良くない為、キールを作るときは、酸っぱいアリゴテを使用すると良いでしょう。
また、アリゴテではなく、赤ワインにクレーム・ド・カシスを加えたものをカーディナルと言います。こちらもキールと同じように、同じブルゴーニュで造られるボジョレーのガメイを使用することが正式とさる場合もあります。
赤ワインを加える場合でも、特徴的な良いワインを加える必要はなく、軽やかな味わいのワインの方が相性の良い組み合わせとされています。
アリゴテの白ワインの楽しみ方
食事にピッタリのアリゴテ
アリゴテの楽しみ方は、なんといっても食事とのマリアージュでしょう。
ミネラル感があり、酸の高いアリゴテは、まさに和食との相性が抜群です。
天ぷらやお刺身のような素材を活かしたような料理、繊細な味付けのものには非常に合うでしょう。
お肉などと合わせたい場合でも、蛋白な鶏肉などであれば、塩をつけて食べたりすると、よりアリゴテとのマリアージュを楽しめます。
また、ふくよかで厚みのあるアリゴテに関しては、もちろん和食にも合いますがキッシュやチーズなど、コクのある料理とも楽しめます。
ブルゴーニュの中でもお手軽に楽しめる
価格の高いとされるブルゴーニュの中で、アリゴテは比較的カジュアルな価格で楽しめるワインが多いです。
特にブルゴーニュで多く栽培されているのはシャルドネとなりますが、ブルゴーニュのシャルドネとなれば価格が高価なものが多く、そしてその割には質に差があり当たり外れがあるというのが実情です。
しかし、ブルゴーニュの中でもアリゴテ品種を選べば、3000円もあれば非常に高品質のワインが多く、外れてしまったということはなかなかありません。
アリゴテの白ワインの選び方
まずはブーズロンのアリゴテを
アリゴテは、特徴的な味わいを持つ一方で畑の土壌や気候が大きく影響します。
また基本的に単一品種でワインが造られることが多い為、畑のテロワールはもちろんその年の出来や造り手によって大きく味わいが異なるでしょう。
特にブルゴーニュ全般に言えることですが、畑が異なるだけで土壌が異なることが多く、また家族経営の生産者が多い為多種多様なワインが造られますが、まずはアリゴテの中でもお墨付きのブーズロンのアリゴテを飲まれることをオススメします。
ブーズロンのアリゴテは「ただ酸が強くフレッシュなワイン」というイメージを覆すきっかけとなったワインで、アリゴテの代表格と言えます。
オススメは2014年のアリゴテ
アリゴテは気候にも非常に反映されやすいぶどう品種なのでVTチャートは必ず確認しましょう。
VTチャートでは、一般的には2005年、2009年、2010年、2015年が良年とされていますが白ワインの場合は少し異なるので注意が必要です。
各国で生産されているのでその限りではありませんが、多く生産されているブルゴーニュの場合、2009年、2014年が良いとされています。
ただアリゴテは長期熟成ワインではないため、2014年のワインを選ぶのが良いでしょう。
2015年、2016年は非常に評価されている年なのですが、部分的に雹が降ったで、その出来は生産者によりけりな部分もあります。
ソムリエ厳選!アリゴテの白ワインおすすめ5選
5位
ショーヴネ ショパン ブルゴーニュ アリゴテ
1,800円 (税込)
アリゴテらしい味わいを楽しむならぜひ飲んでいただきたいこのワイン。
手積みと厳密な選果によって選ばれたアリゴテが使われ、よりフレッシュで爽やかなアリゴテが楽しめます。非常にナチュラルでピュアな味わいが特徴。
石灰粘土質ならではのミネラル感もあり、日本の和食や素材を活かした繊細な料理にぴったり。
色合いはやや薄い鮮やかな黄色でレモンやライムなどのフレッシュな香り。
酸もしっかりとあるので、どんなお料理に合わせても口の中をきれいにリフレッシュしてくれます。
4位
ジャイエ ジル ブルゴーニュ アリゴテ
2,106円 (税込)
ブルゴーニュの神様、かの有名なアンリ・ジャイエを従兄弟に持つ、先代ロベール・ジャイエの造るワイナリー。
このアリゴテ種は、キレイで黄金がかったイエロー。
洋梨やりんごのような爽やかさの中に心地よい果実味を感じるバランスの良い味わいです。料理との相性も非常によく、程よい酸とミネラル感が素晴らしい白ワインです。
シャルドネに引けを取らない凝縮感とコクが魅力の一つとなっています。
3位
ミシェル ラファルジュ ブルゴーニュ アリゴテ レザン ドレ
2,138円 (税込)
ブルゴーニュの中では、非常に古くからある歴史あるドメーヌです。他のアリゴテとは一線を画するワインとなります。
なんといっても特徴的なのはフレッシュかつ酸の高いイメージのあるアリゴテですが、このアリゴテ種は熟したブドウをしており、ブドウの色も黄金色。
グラスに注いだワインの色合いも色の濃い輝きのあるイエローで、モモやアプリコットのような完熟フルーツのする香り豊かな白ワインとなっています。
味わいもジューシーでコクのある凝縮感のある果実味が特徴的。ボディのしっかりしたふくよかな味わいが楽しめます。
2位
ラブレ・ロワ ブルゴーニュ・アリゴテ
1,814円 (税込)
評価が厳しいと言われている航空会社になんと30社以上もオンリストされている、まさにお墨付きのネゴシアンです。非常に長きに渡り100以上もの契約栽培農家を統一しているネゴシアンとして評価されています。
色合いは澄んで明るいイエロー。かわいい白い花のニュアンスを含みつつも複雑なフルーツのアロマが広がります。アリゴテ種の中では芳香でふくよかな味わいですが、アリゴテ種らしくしっかりとした酸とミネラルも持ち合わせる、いいとこ取りのワインです。
1位
ルイ・ジャド コトー ブルギニョン ブラン
1,917円 (税込)
ブルゴーニュを代表する5つ星評価の生産者です。
ジュヴレ・シャンベルタンからボジョレーヌーボーまで幅広く手がけている大ドメーヌで、業界の中ではルイ・ジャドを飲まずにブルゴーニュを語るべからずと言われるほどです。
ルイ・ジャドはアリゴテとシャルドネで造っており、さわやかな酸味が心地よいフルーティな辛口白ワインに仕上がっています。色合いは輝きのある黄色。レモンやライムを思わせるフレッシュなフルーツの香り。いきいきとした酸も感じられ、とても爽やか。白ワインの中では余韻が長くアロマティックな香りを楽しめるワインです。
アリゴテの白ワイン比較表
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
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商品名 | ショーヴネ ショパン ブルゴーニュ アリゴテ | ジャイエ ジル ブルゴーニュ アリゴテ | ミシェル ラファルジュ ブルゴーニュ アリゴテ レザン ドレ | ラブレ・ロワ ブルゴーニュ・アリゴテ | ルイ・ジャド コトー ブルギニョン ブラン |
価格 | 1,800円(税込) | 2,106円(税込) | 2,138円(税込) | 1,814円(税込) | 1,917円(税込) |
詳細 | 産地:フランス | 産地:フランス | 産地:フランス | 産地:フランス | 産地:フランス |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
アリゴテのおすすめ まとめ
いかがでしたか?アリゴテはお手軽にカジュアルに楽しめる、とても使い勝手の良いワインの1つです。
シャルドネやピノ・ノワールでは高くて手が届かない有名ブルゴーニュ生産者も、アリゴテだととてもお得に味わうことができます。
またなんと言っても和食との相性がバッチリなのも見逃せないポイントですね。
ぜひアリゴテと一緒に合わせて、さらに豊かな食事を楽しんでみてください。
他の白ワイン品種も知りたい方はこちらをどうぞ。
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