アイリッシュウイスキーとは?種類からおすすめのアイリッシュウイスキーまでご紹介!

2020/07/30
ウイスキー

アイリッシュウイスキーに興味があるけど、種類が多く、どれを選べば良いか分からない方も多いのでは?

今回は、アイリッシュウイスキーの種類から、おすすめのアイリッシュウイスキー、飲み方までご紹介します。

記事の執筆者

穂園 雅志

・ウイスキー文化研究所認定 ウイスキープロフェッショナル

あるバーで偶然飲んだラフロイグからウイスキーにハマって早数年。日本国内の蒸留所を巡ったり、日夜バーでウイスキーを飲んでいます。飲み手の立場からウイスキーの良さやお勧めを伝えていきたいと考えて日々勉強しています。 アイラウイスキー好きで1番好きな蒸留所はブルックラディ。 Twitter:@masashi_islay

アイリッシュウイスキーとは

アイルランド島で製造されたウイスキーの総称です。

アイルランド島はアイルランド共和国と英国領の北アイルランドに分かれていますが、どちらで作られたものもアイリッシュウイスキーとなります。

 

アイリッシュウイスキーの条件・定義

次の条件をクリアしたものがアイリッシュウイスキーと定義されています。

①穀物類を原料とする
②大麦麦芽に含まれる酵素、あるいはそれに加え天然由来の酵素によって糖化を行う
③酵母の作用によって発酵を行う
④原料由来の香りと味が引き出せるようにアルコール度数94.8%以下で蒸留
⑤容量700ℓリットルを超えない木製の樽に詰める
⑥アイルランド、または北アイルランドの倉庫で3年以上熟成させる

 

スコッチとの違い


製法によるスコッチとの違いは2つあります。

スコッチは大麦麦芽に含まれる酵素のみ使用可能ですが、アイリッシュではそれに加えて天然由来の酵素(酵素剤など)の使用も可能です。

最も大きな違いはオーク以外の樽を使用することも可能ということです。

そのため、近年アイリッシュでは桜樽での熟成など新たな試みも行われ始めています。

アイリッシュウイスキーの熟成に主に用いられる「パラタイズ式」という熟成庫での保管方法は、スコッチに多い「ダンネージ式」に比べて早く熟成が進みます。

これにより、すっきりとした味わいが生まれると考えられています。

 

アイリッシュウイスキーの歴史

起源は不明

スコッチとアイリッシュのどちらが世界最古のウイスキーかというのは諸説あります。

文献として残っているものとしては1494年のスコッチが最古です。

アイリッシュは6世紀からという説もありますが、文献が残っていないため不明です。

 

一時は人気低迷

アイリッシュウイスキーは1920年代にアメリカ禁酒法の影響を受け需要を大きく落とし、スコッチに大きく水をあけられていました。

ですが、近年はクラフトディスティラリーも一気に増え、新たな盛り上がりを見せています。

 

アイリッシュウイスキーの種類

ここからは、アイリッシュウイスキーの種類をご紹介します。

 

ポットスチルウイスキー

原料はノンピートの大麦麦芽と未発芽大麦。

加えてその他の穀物(ライ麦、オーツ麦、カラス麦など)を使用します。

ポットスチルウイスキーの製法は世界のウイスキーでアイリッシュだけの伝統のものです。

未発芽の大麦や大麦以外の穀物を使うことにより穀物様のモルティーな香味が生まれ、どこか素朴な味わいを感じます。

 

モルトウイスキー

原料は100%大麦麦芽。こちらはポットスチルウイスキーと違いピート麦芽の使用も可能です。

製法としてはスコッチウイスキーと同様となります。

同じ大麦麦芽を使用したモルトウイスキーでも、アイリッシュの場合は3回蒸留を行うところがほとんどのため(2回蒸留も可)、スコッチよりすっきりした味わいが生まれます。

 

グレーンウイスキー

原料は穀物であればなんでも可。

クセが少なくそれ単体ではかなり飲みやすいものです。

ブレンデッド用に使用されることが多いため、アイリッシュウイスキーでは、グレーンウイスキー単体で商品化されるものはあまりありません。

見つけた場合はレアなので、お試しに買ってみても良いかもしれません。

 

ブレンデッドウイスキー

上記3種類、またはそのうち2種類をブレンドしたウイスキーです。

アイリッシュにはモルトとグレーンに加えポットスチルウイスキーがあるため、3タイプのブレンドが可能となっており、製法のバリエーションが多くなっています。

バランスがもっとも取れているので、アイリッシュ入門編にはこちら。

 

おすすめのアイリッシュウイスキー10選

ジェムソン スタンダード

ジェムソン 40度

ワールドウイスキーで世界4位(アイリッシュでは当然1位)を誇る、アイリッシュの定番中の定番。

3種類のウイスキーをすべて使ったブレンデッドウイスキーです。

癖もほとんどなく飲みやすいですが、アイリッシュのフレッシュさやオイリーさはしっかりと感じられます。

アイリッシュを知るにはまずここから。

 

ジェムソン カスクメイツ

ジェムソン カスクメイツ

ジェムソンを熟成した樽をアイリッシュビールの熟成に使用し、さらにその樽でジェムソンのフィニッシュをかけています。

そのためホップの苦味がうっすらと付与され、スタンダードとは違った味わいがあります。

スタンダードと飲み比べることで、熟成や樽使いによる味わいの違いを感じてみるのも面白いかもしれません。

 

レッドブレスト12年

レッドブレスト12年

穀物の風味がふんだんに感じられ、素朴な味わい。

ポットスチルウイスキー特有の未発芽大麦から来る香りがふんだんに感じられます。

バランスが良いですが重厚さもあり、アイリッシュの特徴がすべて含まれたウイスキーです。

ジェムソンスタンダードで物足りなさを感じた方は試してみてください。

 

レッドブレスト ルスタウ

レッドブレスト ルスタウ


ルスタウ社のオロロソシェリー樽を最後1年間フィニッシュに使用したレッドブレスト。

12年と比べるとスパイシーさとシェリーの甘みが付与され、濃厚さを増しているように感じます。

これも前記の定番品12年と比較して試してみると面白いです。

 

ブッシュミルズ12年

ブッシュミルズ 12年 シングルモルト


トップノートはトロピカルフルーツ感に白い花。少し人工的な溶剤も感じますが、3回蒸留でスムースなアイリッシュらしさもあります。

フィニッシュにもマルサラワイン樽を使用しているためかリッチで濃厚な味わいを感じます。

スコッチが好きな方には違和感なく飲めるウイスキーかと思います。

 

ランベイ シングルモルト

ランベイ シングルモルト アイリッシュウイスキー

原酒はアイルランド南部のウエストコーク蒸留所のものを使用。

熟成にコニャックカスクを使用することにより果実の酸味が付与され、さらに熟成庫のあるランベイ島は小さな島のため海の香りも付与されます。

そのためアイリッシュの概念を覆すような風味を持ったウイスキーに仕上がっています。

スコッチではアイラやアイランズが好きな方にお勧め。

 

カネマラ

カネマラ アイリッシュ


アイリッシュ唯一のピーテッドウイスキー。クーリー蒸留所で生産されたシングルモルトです。

蒸留も2回と、スコッチウイスキーとまったく同じ製法が用いられています。

スモーキーさの中にも、アイラとは違ったフルーティーさや軽さを感じ飲みやすいです。

アイラウイスキーが好きな方はお試しを。

 

グレンダロッホ シングルモルト13年 ミズナラオークフィニッシュ

グレンダロッホ (グレンダロウ) ミズナラフィニッシュ シングルモルト 13年

アイリッシュでは初めて、ジャパニーズオークともいうべきミズナラ樽でウッドフィニッシュをかけた商品です。

アイリッシュの軽やかさやフルーティーさに加え、ほんのりと和の風味も漂う珍しい味わいとなっています。

あまり見かけないですがバーなどで見かけた際には飲んでみることをお勧めします。

 

ティーリング シングルポットスティル

ティーリング シングルポットスティル

ティーリング蒸留所が操業開始した2015年以降に、初めてティーリング蒸留所にて蒸留されたポットスチルウイスキーになります。

若さを感じる味ですが麦芽の旨味は感じますし、将来へのポテンシャルを感じる味わいです。

先物買いしたい方へお勧め。数滴加水するとフルーティーさが出てきます。

 

ティーリング 15年 カルヴァドスフィニッシュ for SHINANOYA

ティーリング 15年 カルヴァドス フィニッシュ

蒸留所の稼働開始が2015年のため原酒はおそらくクーリー蒸留所のものになります。

華やかさですみれやラベンダーのような紫の花の香りを感じリラックスできるかと。

ハーブのような香りも感じられ、スコッチでいうアイランズっぽさもあり。

少々値は張りますが、とても美味しかったのでお勧めです。

 

<番外編> セント・パトリック23年

新宿ウイスキーサロン&バーリベット(@whisktail)のプライベートウイスキーです。

23年の熟成でとても優しい味わいに、フルーティーさが爆発しています。

23年熟成ということで溶剤感も薄れていて素晴らしい完成度で、筆者が過去に飲んだアイリッシュウイスキーでは1番美味しいです。

蒸留所は非公開ですがお店で聞けば教えてくれますので、東京にいらした際にはぜひ。

 

アイリッシュウイスキーの飲み方

ストレート

原料や樽由来の香味、生産者が意図する味覚をそのまま味わうにはやはりストレート。

アイリッシュは穀物由来の香りが特徴でもあるため、まずはストレートで味わってほしいところです。

度数が高いと思った際には加水も有効ですが、入れすぎると味がまったく変わってしまうので注意。

 

ハイボール

すっきりした味わいが特徴のアイリッシュウイスキーですので、ハイボールもおすすめです。

爽やかで飲みやすくグラスがどんどん進んでしまうので飲みすぎには注意しましょう。

大人数でわいわい盛り上がるときにはハイボールがいいでしょう。

 

ロック

アイリッシュは水で割るとすっきりしすぎて薄味になってしまう印象がありますが、ロックなら徐々に溶ける氷が少しずつウイスキーを薄めて味わいを変化させていきます。

味の変化を楽しみながらゆっくりと飲むことができますので、バーなどで会話をしながらゆっくり味わいたいときにお勧めです。

 

カクテルならアイリッシュコーヒー


アイリッシュウイスキーを使ったカクテルの代表格はこれです。

①グラスに注いだホットコーヒーに砂糖を入れる。
②アイリッシュウイスキーを注いでステア。
③生クリームをフロートして完成。
④混ぜずに飲んでください。

使用するウイスキーは個性を主張しすぎず、珈琲の味を邪魔せずにオイリーさを付与するものがいいです。

ポットスチルウイスキーの中でも安定感があるレッドブレスト12年をお勧めします。

ホットカクテルなので冬限定となりますが、かなり身体が暖まるので涼しくなってきたら試してみてください。

 

さいごに

スコッチやジャパニーズのシングルモルト全盛の昨今ですが、シングルモルトは個性的で味わいが強く飲み疲れることも。

そんなときにたまにアイリッシュを飲むと穏やかで休憩所のような優しさを感じることができます。

すっきりした優しい味わいとは言ってもアルコール度数は変わらないので飲みすぎにはご注意を(笑)

取材協力:新宿ウイスキーサロン(@whisktail

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