【ソムリエ監修】小学生でも分かる!ワインラベルの読み方のポイントを詳しく解説!

2019/06/16
ワイン

ワインのエチケット(ラベル)には多くの情報が書かれています。

初心者にとっては複雑に感じるかもしれませんが、実は多くの知識がなくてもある程度の情報を得ることが出来ます。

今回は初心者向けにエチケットの読み解き方を簡潔にご説明いたします。

記事の執筆者

佐々木 健太

J.S.A. ソムリエ・エクセレンス

ソムリエ/年間受講者数日本一を誇るカリスマワインスクール講師  21歳でソムリエ資格を取得。南フランスにある一つ星レストラン「Keisuke Matsushima」にて研鑽を積み、帰国後は南青山「L’AS」を経て、株式会社WINE TRAILを創業。ワインのサブスク「HOME WiNE」を手掛ける。YouTubeチャンネル「ソムリエ佐々木」を運営。第9回全日本最優秀ソムリエコンクールファイナリスト。https://homewine.jp/

ワインのエチケットとは

ワインのボトルに貼られたラベルのことを一般的にエチケット(フランス語)と呼びます。

ワインが好きになり、もっと詳しくなりたい…勉強したいと思った時にまずつまずくのが、「エチケットが複雑で分かり難い」というところではないでしょうか。

エチケットには基本的に生産された国の言語で書かれています。

ある程度ワインを勉強したり、その国の言語が理解出来る人でないと、なかなか全ての情報を正しく解釈するのは難しくなります。

逆に、エチケットにどんな事が書かれているのかを理解することで、大まかな情報を得ることが出来るようになります。

 

エチケットに記載される項目

記載されている項目例

  • ワイン名
  • 生産地
  • 生産者名
  • 格付け(フランスではAOC等)
  • ヴィンテージ
  • アルコール度数
  • 容量
  • 元詰め先
  • ブドウ品種など

必ずしも上記全てがどのエチケットにも記載されているという訳ではありません。

また国ごとに表記方法や言語は異なりますが、上記の項目がわかればどのようなワインなのかも見えてきます。

私たちソムリエは、ワインのエチケットから多くの情報を読み解き、ボトルを開けて味わう前におおよそ味わいを推測出来るのです。

  

国・地域によって記載内容は異なる

国によってエチケットに書かれている情報や特徴は異なります。

ワイン初心者にとって一番知りたい情報はブドウ品種ですが、旧世界と呼ばれるフランスを始めとしたヨーロッパのワインにはブドウの品種名が書かれていないものも多くあります。

例えば、イタリアにバローロという銘柄があります。

バローロのエチケットを見てもブドウ品種は書かれていません。これは法律でバローロと名乗るにはネッビオーロを使用しなくてはいけないと決められているため、あえて明記する必要がないからです。

逆に、ネッビオーロ以外の品種で造った場合はもちろんバローロと名乗る事は許されません。

品種に関しては、ワインの勉強を進めるうちに自然と覚えていくので、難しく考える必要はありません。

もし先に品種を確認してから購入したい場合はニューワールドのワインがおすすめです。

国や地域によって割合は異なりますが、その品種が主体であればエチケットに明記して良いことになっています。

佐々木
バローロの他には、あのシャブリも同じ理由で品種名は書かれません。良くも悪くも、ワインを高貴で複雑にしている要因の一つと言えるでしょう。

 

品種名が明記されているもの

 

こちらはカベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon )主体の赤ワインであることがわかります。

 

佐々木
1つの品種名が明記される「ヴァラエタルワイン」はニューワールドの特徴の一つ。知識がない消費者にもワインが浸透する大きなきっかけとなりました。

エチケットの読み方

フランスワインのエチケットは、地域によっても異なるため、難しいと感じるかもしれません。

大きく分けてボルドー地方とブルゴーニュ地方でも表記は異なるため、記載内容の読み解き方を初心者向けに解説していきます。

 

ボルドーのエチケット

① MIS EN BOUTEILLE AU CHATEAUは「シャトー元詰め」の意味。

※そのシャトーがワインの生産からボトル詰めまで全て行っているということを示しています。

②ワイン名 「シャトーマルゴー」

③ワインのタイプ「grand vin」は偉大なワインを意味します。

④シャトーのイメージ

⑤ヴィンテージ

⑥格付け マルゴーは1級格付けのワイン

⑦生産された村

⑧アペラシオン名

 アペラシオンとは法律に基づいたワインの原産地を示す呼称のこと。

フランスにはAOC(原産地呼称統制法)があり、ブドウの生産地域、最大収穫量、生産方法、醸造方法、アルコール分などが細かく法律で定められており、その規定を満たしたワインだけが産地名(アペラシオン)を名乗ることができます。

⑨アルコール度数

⑩所有者、プロデューサー情報

⑪ 容量

 

 ボルドー地方は大きく分けても右岸と左岸では味わいが異なります。

また地区ごとに格付けがあったりそのセカンドワインなどもあるので、少し勉強をして多少の知識を持つ事でワイン選びがより楽しくなることと思います。

佐々木
シャトー〇〇の文字が多く、最初のうちはどこを基準にして選べばいいか難しいボルドーのラベル。地区ごとの格付けや右岸、左岸を軸に選んでいきましょう。

ブルゴーニュのエチケット

①ワインのタイプ ブルゴーニュの偉大なワインと書かれています。

②グランクリュ  の畑名=ワイン名

③格付け グランクリュ  

④アペラシオン名

⑤ヴィンテージ

⑥造り手名 ドメーヌアルマンルソー

 ブルゴーニュでは、シャンベルタン(グランクリュ)の畑を何人もの造り手が所有しているため、ワイン名と造り手名は重要事項です。

⑦村名

⑧アルコール度数

⑨原産国 フランス

⑩容量

 

こちらはグランクリュ  の例ですが、プルミエクリュの場合、

「村名+1er Cru/Premier Cru+畑名」 が実質のワイン名になります。

 

ブルゴーニュの場合、例えば同じグランクリュ畑であっても造り手が違えば味わいの印象も違ってきます。

気に入ったワインに出会えたら、造り手の名前を覚えておくとよいですね。

同じ造り手の別の畑のワインを探したり、その格下又は格上のワインを飲んでみるのも楽しいと思います。

また、地区や村によっても特徴が異なるので、ブルゴーニュ初心者の方はまず飲んだワインの村名から覚えていくと良いのではないでしょうか。

佐々木
ワイン愛好家の多くが終着点としてたどり着くブルゴーニュ。村名、一級畑、特級というテロワールの要素と造り手の違いが味わいに大きく起因しています。

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ワインのエチケットを理解しよう!

ワインのエチケットから情報を得ることが出来るようになると、ワイン選びもより楽しいものになると思います。

時には、エチケットに一目惚れするなど直感で購入してみるのも面白いですし、ワインの生産地や造り手位は理解出来るとSNSにアップする際やお友達にお勧めする際などに役立つ事と思います。

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