近年、イギリスのスパークリングワインは世界中から高い注目を集めています。
シャンパーニュ地方のシャンパンに負けない高品質で本格的なスパークリングワインが生産され、国内外で数々の賞を得るまでになっています。
そこで今回はイギリスのスパークリングワインの特徴や選び方とともに、おすすめのラインナップをご紹介しましょう!
目次
イギリスワインはスパークリングがメイン
気候変動でワインの産地に
長年、ワイン産地としては目立たない存在だったイギリス。
しかし近年の温暖化の影響で、これまで寒冷な気候でブドウ栽培に適さなかったイギリスの南部が、ワインの生産地として注目を集めるようになりました。
もともとフランスのシャンパーニュ地方に似た石灰質の土壌を持つことから、2000年以降に優れたスパークリングワインの生産が続き、世界の注目を集めることとなりました。
スパークリングワインの評価が高まる
近年ではシャンパーニュ製法の瓶内二次発酵で造られたスパークリングワインがコンクールで金賞を受賞するなど、国際舞台で脚光を浴びるまでに。
イギリスはスパークリングワインの高級産地として、一目を置かれるようになったのです。
イギリスのスパークリングワインの特徴
古くから発泡性ワインを造る
イギリスのスパークリングワインの歴史は古く、王立学会の公文書にも記録があります。
そこにはシャンパーニュのドン・ペリニョンより30年も前に、イギリス人が瓶内二次発酵によるスパークリングワインを造っていたと記されています。
品種と製法はシャンパーニュと同じ
イギリスのスパークリングワインで使われているブドウ品種はシャンパーニュ地方のシャンパンと同じく、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエのブレンドがほとんどで、製法も同じく瓶内二次発酵で行なわれています。
きめ細かい泡と繊細な果実味を持つその味わいは、シャンパンに引けを取らない極上のもの。
近年急成長しているワイナリーも多く、さらに進化した高品質のスパークリングワインが期待できそうです。
イギリスのスパークリングワインの選び方
ここからは、イギリスのスパークリングワインを選ぶときのポイントをお伝えしましょう。
ブドウ品種で選ぶ
シャルドネ
ニュートラルな味わいで、気候や土壌、造り手の醸造方法の違いで異なる表現のワインになるのが特徴。
ブルゴーニュやシャンパーニュ地方のような冷涼な気候に適した品種で、スパークリングワインでも多く使用されています。
シャンパーニュと同じように、イギリスのスパークリングワインも、シャルドネにピノ・ノワール、ピノ・ムニエをブレンドして造られているものがほとんどです。
シャルドネはスパークリングワインに爽やかなキレを与え、その比率が高いほど爽やかでエレガントな味わいに仕上がります。
ピノ・ノワール
ほどよい酸味でタンニンが控えめなので、軽やかなライトボディのワインになります。
イギリスのスパークリングワインにはシャルドネやピノ・ムニエとブレンドされ、エレガントな香りと繊細な味わいを与えています。
ピノ・ムニエ
主にフランスのシャンパーニュ地方で栽培されている品種です。
寒さに強く、フランス最北の栽培地であるシャンパーニュをはじめ、冷涼な気候での栽培に適しています。
熟成が早く収穫量が多いため、大量生産されるシャンパンには欠かせない品種。イギリスのスパークリングワインでは、シャルドネやピノ・ノワールとブレンドされて、フレッシュな酸味と果実味を加えています。
生産者で選ぶ
ディグビー・ファイン・イングリッシュ
ディグビー・ファイン・イングリッシュは「イギリスのスパークリングワインを世界最高峰の地位に押し上げる」というビジョンで設立されたネゴシアンです。
2009年にファーストヴィンテージの「レゼルヴ・ブリュット」をリリース。
これが世界中から賞賛を浴び、権威あるスパークリングワインのコンクールで3冠を獲得するなど、イギリスのスパークリングワインの名を世界に知らしめました。
ハンブルドン
ハンブルドンは1952年にイギリス南部のハンプシャー州で設立されたイギリス最古のワイナリーです。
1961年からスパークリングワイン造りに取り組みましたが、90年代半ばにいったん事業を手放し、1999年に新オーナーのもとでスパークリングワイン造りを再開しています。
現在は20ヘクタールほどの自社畑を所有し、高品質なスパークリングワインを生産しています。
ハッシュ・ヒース・エステイト
2010年にケント州で設立された新しいワイナリーです。
フランスの設備を導入して建設されたワイナリーは自社畑近くにあり、収穫後すぐに果実を持ちこんでワイン造りを行なっています。
コンサルタント・ワインメーカーには4度の「ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」に輝くオーウェン・エリアス氏、醸造家にはヴィクトリア・アッシュ氏を迎え入れ、ロゼ・スパークリングワインに特化したワイナリーとしてスタート。近年はロゼ以外のスパークリングワインも手がけています。
価格で選ぶ
イギリスのスパークリングワインはどれも品質が高く、シャンパン並みに高価なものがほとんどです。
その多くが5,000円から10,000円の範囲で、中には10,000円を超えるものもあります。
特別な日やお祝いの席にふさわしい1本で、その極上の味わいは価格に見合うものばかり。テーブルを豪華に演出し、素晴らしい思い出を残してくれます。
イギリスのおすすめスパークリングワイン10選
このあとは、イギリスのスパークリングワインの中から厳選したおすすめを10本ご紹介しましょう。
10位
ハンブルドン プルミエール・キュヴェ[NV] イングリッシュスパークリング/白/辛口
メーカー名 ハンブルドン
果実 % シャルドネ
フレッシュで豊かな果実味
シャルドネを主体に、ピノ・ノワールとピノ・ムニエをブレンドしています。アプリコットなど熟した果実の香りに、搾りたてのレモンのようなフレッシュなニュアンスが絡み合います。ミネラル感と豊かな果実味がバランス良く、心地良い余韻が続きます。
9位
バルフォー 1503 ロゼ ドライ ハッシュ ヒース エステイト NV ロゼ
味わい 辛口
メーカー名 ハッシュ・ヒース・エステイト
果実 % ピノ・ノワール55%、シャルドネ40%、ピノ・ムニエ5%
繊細な味わい
ロゼスパークリングを得意とするワイナリーが手がける辛口のワインです。ピノ・ノワール55%、シャルドネ40%の配合に、ピノ・ムニエを少量ブレンド。ピノ・ノワールの繊細でエレガントな味わいが際立っています。スッキリした果実味と凝縮感あるアロマが魅力的。 よく冷やしてお召し上がりください。
8位
ハッティングレイ・ヴァレー ブリュット ロゼ [2014]
味わい 辛口
メーカー名 ハッティングレイ・ヴァレー
果実 % ピノ・ノワール60%、ピノ・ムニエ38%、ピノ・ノワール・プレコス2%
繊細でエレガントな香り
ハッティングレイ・ヴァレーは2010年にウィールドで設立された、最先端の設備を持つワイナリーです。自社畑のブドウやイギリス南部の厳選された契約畑から仕入れたブドウを使用。ピノ・ノワールを主体にピノ・ムニエをブレンドした辛口のロゼスパークリングです。繊細な赤い果実の香りに、果実味豊かな味わい。数多くの賞に輝いている実力派です。
7位
カヴェンディッシュ(CAVENDISH)
メーカー名 リッジヴュー・ワイン・エステイト
果実 % シャルドネ44%、ピノ・ノワール27%、ピノ・ムニエ29%
エレガントな味わい
1994年設立のワイナリー、リッジヴュー・ワイン・エステイトが手がける辛口のスパークリングです。国内外のワインコンクール受賞の常連で、その品質の高さはシャンパーニュを凌ぐとまで言われています。
シャルドネ44%に、ピノ・ノワールとピノ・ムニエをブレンドしています。細やかな泡立ちに、完熟した果実の香り。ブラッドオレンジやグレープフルーツなどのアロマも感じられます。バランスの良い酸とエレガントな味わいが、長い余韻となって続きます。
6位
ディグビー ファイン イングリッシュ ブリュット NV 発泡白
味わい 辛口
メーカー名 リッジヴュー・ワイン・エステイト
果実 % ピノ・ノワール40%、シャルドネ35%、ピノ・ムニエ25%
シャープな酸とミネラル
ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエを絶妙なバランスでブレンドしたスパークリングです。豊かな泡とシャープな酸味が魅力の辛口。豊富なミネラルと引き締まったボディが楽しめます。さっぱりとした後味で、幅広い料理によく合います。
5位
ハッティングレイ・ヴァレー クラシック・レゼルヴ ブリュット
味わい 辛口
メーカー名 ハッティングレイ・ヴァレー
果実 % シャルドネ48%、ピノ・ノワール33%、ピノ・ムニエ17%、ピノ・グリ2%
熟成したアロマ
シャルドネ 、ピノ・ノワールを主体に、ピノ・ムニエ とピノ・グリをブレンドしています。樽熟成を経て30ヶ月間瓶内熟成した辛口。心地よいイースト香をまとう熟成感あるアロマが魅力的です。キリッとした酸が全体のバランスを引き締め、心地良い余韻が続きます。
4位
ガズボーン エステートブランドブラン 2012 イングリッシュスパークリング 辛口
味わい 辛口
メーカー名 ガズボーン・エステート
果実 % シャルドネ100%
豊かなミネラルと酸味
ケント州アップルドアの、海に近い畑で造られたシャルドネ100%の辛口スパークリングです。3年間の熟成ののちに瓶内熟成を重ね、複雑味と芳醇な味わいが生み出されています。
リンゴとレモンの香りに、溢れるようなミネラルと爽やかな酸。素晴らしいバランスが、そのクオリティを物語っています。
3位
ボルニー ブラン ド ブラン ブリュット ボルニー ワイン エステイト 2009
味わい 辛口
メーカー名 ボルニー・ワイン・エステイト
果実 % シャルドネ100%
フレッシュな果実味
ボルニー・ワイン・エステイトは40年以上前からウェスト・サセックス州でワイン造り行なっている老舗ワイナリーです。シャルドネ100%の辛口で、白い花を思わせるフローラルなアロマ。きめ細かい泡とフレッシュな果実味が印象的で、心地良い余韻が楽しめます。
2位
レゼルヴ ブリュット ディグビー ファイン イングリッシュ 2009
味わい 辛口
メーカー名 ディグビー・ファイン・イングリッシュ
果実 % シャルドネ65%、ピノ・ノワール18%、ピノ・ムニエ17%
極上の泡
ファーストヴィンテージで世界最高評価を獲得したスパークリングワインです。シャルドネ65%に、ピノ・ノワール とピノ・ムニエをブレンド。
60ヶ月の瓶内熟成を経たワインはキメの細かい極上の泡で、クリーミーな味わい。豊かなミネラル感と引き締まったボディが楽しめる辛口です。
1位
レイスウェイツ ウィンザー グレート パーク ヴィンヤード ブリュット[2014]
果実 % シャルドネ55%、ピノノワール35%、ピノムニエ10%
王室献上のワイン
2013年のファーストヴィンテージから王室用に造り始められたスパークリングです。セカンドヴィンテージとなる2014年から一部のワインが国際市場に解放され、 日本には200 本のみ入荷されています。
シャルドネ 、ピノ・ノワールを主体にピノ・ムニエを少量ブレンド。ムースのようなきめ細やかな泡に、ブリオッシュやアプリコット、 柑橘系の果実の香りが溢れます。フレッシュな余韻が長く続く極上の逸品です。
イギリスのスパークリングワイン比較表
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
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商品名 | レイスウェイツ ウィンザー グレート パーク ヴィンヤード ブリュット[2014] | レゼルヴ ブリュット ディグビー ファイン イングリッシュ 2009 | ボルニー ブラン ド ブラン ブリュット ボルニー ワイン エステイト 2009 | ガズボーン エステートブランドブラン 2012 イングリッシュスパークリング 辛口 | ハッティングレイ・ヴァレー クラシック・レゼルヴ ブリュット | ディグビー ファイン イングリッシュ ブリュット NV 発泡白 | カヴェンディッシュ(CAVENDISH) | ハッティングレイ・ヴァレー ブリュット ロゼ [2014] | バルフォー 1503 ロゼ ドライ ハッシュ ヒース エステイト NV ロゼ | ハンブルドン プルミエール・キュヴェ[NV] イングリッシュスパークリング/白/辛口 |
詳細 | 味わい 辛口 果実 % シャルドネ55%、ピノノワール35%、ピノムニエ10% | アルコール度数 12 % 味わい 辛口 メーカー名 ディグビー・ファイン・イングリッシュ 果実 % シャルドネ65%、ピノ・ノワール18%、ピノ・ムニエ17% | アルコール度数 12.5 % 味わい 辛口 メーカー名 ボルニー・ワイン・エステイト 果実 % シャルドネ100% | アルコール度数 12 % 味わい 辛口 メーカー名 ガズボーン・エステート 果実 % シャルドネ100% | アルコール度数 12.5 % 味わい 辛口 メーカー名 ハッティングレイ・ヴァレー 果実 % シャルドネ48%、ピノ・ノワール33%、ピノ・ムニエ17%、ピノ・グリ2% | アルコール度数 12 % 味わい 辛口 メーカー名 リッジヴュー・ワイン・エステイト 果実 % ピノ・ノワール40%、シャルドネ35%、ピノ・ムニエ25% | 味わい 辛口 メーカー名 リッジヴュー・ワイン・エステイト 果実 % シャルドネ44%、ピノ・ノワール27%、ピノ・ムニエ29% | アルコール度数 12.5 % 味わい 辛口 メーカー名 ハッティングレイ・ヴァレー 果実 % ピノ・ノワール60%、ピノ・ムニエ38%、ピノ・ノワール・プレコス2% | アルコール度数 11.5 % 味わい 辛口 メーカー名 ハッシュ・ヒース・エステイト 果実 % ピノ・ノワール55%、シャルドネ40%、ピノ・ムニエ5% | 味わい 辛口 メーカー名 ハンブルドン 果実 % シャルドネ |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
まとめ
イギリスのスパークリングワインについてご紹介しました。シャンパンと並ぶ最高品質の味わいは、一度は試してみたい逸品ばかりです。
これからの進化も目が離せないイギリスのスパークリングワイン。その素晴らしい味わいを、ぜひ一度お試しください!
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