【ソムリエ監修】トラピチェとは?歴史や特徴、人気ラインナップ9銘柄も紹介!

2018/12/10 アルゼンチン

アルゼンチンは、チリとならび、近年高い評価を得ているニューワールドのワイン生産国です。その躍進に一役買っているのが、アルゼンチンにおける最古参ワイナリー、『トラピチェ』です。

「アルゼンチンで最も優れたワインを自ら造る」ことをモットーに、創立以来、常に最高水準の技術によって生み出されるワインの数々は、トラピチェのワイン造りへの誠実さと信念を感じさせます。

そこで今回は、アルゼンチンを代表するワイナリー、トラピチェ及びそのワインについて、特徴と魅力をご紹介していきます。

記事の執筆者

佐々木 健太

J.S.A. ソムリエ・エクセレンス

ソムリエ/年間受講者数日本一を誇るカリスマワインスクール講師  21歳でソムリエ資格を取得。南フランスにある一つ星レストラン「Keisuke Matsushima」にて研鑽を積み、帰国後は南青山「L’AS」を経て、株式会社WINE TRAILを創業。ワインのサブスク「HOME WiNE」を手掛ける。YouTubeチャンネル「ソムリエ佐々木」を運営。第9回全日本最優秀ソムリエコンクールファイナリスト。https://homewine.jp/

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トラピチェとは

トラピチェは、アルゼンチン西部、標高800mもの高原地帯にあるメンドゥーサにて1883年に創立した、アルゼンチンの中でも特に古いワイナリーの一つです。

当時から、アルゼンチン一のワインを生み出すという信念を持って醸造に臨み、フランスから取り寄せたブドウの木の植栽を始め、バリック用のフレンチオークの輸入、ステンレスタンクの導入など、最高水準のヨーロッパのワイン醸造技術を取り入れてきました。

そのワインにかける情熱と意欲、バイタリティーは、アルゼンチンにおけるトップワイナリーの地位を獲得した現在でも衰えず、常に最高品質のワインを生み出し続けています。

トラピチェのワインの特徴

アルゼンチンワインは、赤は鮮やかなルビーレッドと力強い味わい、白はバランスの良い凝縮感が特徴ですが、トラピチェのワインはさらにヨーロッパワインのエレガントさを感じさせる、気品ある味わいが魅力です。

トラピチェワインがアルゼンチンにおいてトップクラスの品質を誇る理由は、ブドウの栽培環境にあります。

アンデス山脈麓におよそ1,255haもの大農園を所有し、かつ、標高600~1,280mという非常に高い場所にあるために、昼夜の寒暖差が激しく、雨量はごく少なく乾燥した空気、そして完熟するのに十分な日射量に栄養の少ない土壌と、ブドウ栽培にとって実に恵まれた土地なのです。

そうしたアンデス山脈麓の自社農園で栽培されるブドウは、いずれもしっかりとした酸味とタンニン、豊かなポリフェノール、かっちりとした骨格のあるものに育ち、味、風味、色ともに絶品と言えるワインを生み出すのです。

トラピチェのワインの種類

トラピチェが手掛けるワインは、赤と白で、それぞれ、赤はマルベックとカベルネ・ソーヴィニヨン、白はシャルドネとトロンテスを使っています。

また、ワインの質ごとにランクがあるのも特徴で、マノスをトップに、イスカイ、メダージャ、ブロッケル、ピュア・マルベック、オークカスク、ヴィンヤーズ、アスティカの8段階に分けられます。

トラピチェの赤ワイン

トラピチェが展開している赤ワインは、マルベックとカベルネ・ソーヴィニヨンの2品種を使って造られています。

それぞれの品種の個性と魅力を如実に表していて、まろやかな口当たりと上品で芳醇なアロマ、そして充実感のある長い余韻が特徴です。

特にマルベックは、アルゼンチンワインを代表する品種であるためその味わいは格別で、しっかりとした果実味と穏やかなタンニンと、端正でエレガントな魅力にあふれています。

トラピチェの白ワイン

トラピチェでは赤ワインが主流ですが、一部ブランドでは白も扱っています。

白ワインに使われているのは、シャルドネとトロンテスの2品種で、どちらも凝縮された果実味と、フレッシュ感が魅力的で、スッキリとした辛口が心地よさを与えてくれます。

因みに、トロンテスとはアルゼンチンを代表する土着品種で、ほぼアルゼンチンでしか栽培されていません。ムスクを思わせる芳香や、フルーティーで爽やかなアロマと華やかな味わいが特徴的です。

価格帯

2,000円以下

トラピチェで、テーブルワインなどで気軽に味わいやすいワインを求めるのであれば、アスティカ、ヴィンヤーズ、オークカスク、ブロッケル、ピュア・マルベックがオススメです。

いずれも2,000円未満で購入でき、かつ品種ごとの個性や魅力を活かした、上質な味わいを楽しむことができます。

また、アスティカ、ヴィンヤーズ、ブロッケルは赤と白、両方揃えていますので、赤が好みの人、あるいは白の方をよく飲むという人でも迷わず選べるのが魅力です。

2,000円~5,000円

2,000円~5,000円以内で、よりトラピチェのワインの奥深さを知りたいのであれば、メダージャがオススメです。

樹齢45年を超えるカベルネ・ソーヴィニヨンから収穫され、選りすぐったブドウだけを使用し、果実の凝縮感としっかりとしたボディと、重厚かつ充実感のある味わいを楽しめます。

5,000円以上

トラピチェのハイランクのワインを楽しみたい人や、熟練の腕前とこだわりを感じさせるものを味わってみたいという人にオススメなのが、イスカイとマノスです。

イスカイはマルベックとカベルネ・フランをブレンドし、丹念に造り上げた逸品で、2品種それぞれの魅力と個性を活かした、豊かな味わいを楽しむことができます。

マノスは、トラピチェにおける集大成と呼ぶにふさわしい絶品ワインで、アルゼンチンワインの顔と呼べるマルベックを、長年培われてきたノウハウをすべてつぎ込んで造られた珠玉の一本です。

トラピチェのおすすめワイン9選

トラピチェは、2,000円未満のリーズナブルなものから5,000円以上のハイクオリティーなワインまで幅広く、原料となるブドウの持ち味を活かした、上質な味わいを楽しめます。

その中でも、特にオススメしたいワインを9本厳選してみましたので、トラピチェのワインを選ぶときにぜひ参考にしてみてください。

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予算2,000円

マルベックならコレ!

トラピチェ オークカスク マルベック

詳細情報
アルコール度数:14%
ボディ:フルボディ
原材料:マルベック100%

『オークカスク』とは、トラピチェのラインナップの一つで、熟成にフレンチとアメリカン、両方のオーク樽で12ヶ月ほど熟成されることによって生まれるオーク香が印象的なワインです。

グラスに注ぐと、マルベック特有の濃い赤紫色がきらめき、プラムやブラックチェリーに、トースト感のある香りが鼻孔をくすぐります。

一口含むとやや粘り気を感じさせるまろやかな口当たりで、スパイシーさとベリー系の芳醇な味わいが口内に広がっていきます。

 

カベルネ・ソーヴィニヨンならコレ!

トラピチェ ヴィンヤーズ カベルネ・ソーヴィニヨン

詳細情報
アルコール度数:13%
ボディ:ミディアムボディ
原材料:カベルネ・ソーヴィニヨン100%

『ヴィンヤーズ』はトラピチェの自社農園によって育まれた、良質なブドウの個性を活かしたワインで、カベルネ・ソーヴィニヨンらしい上品で柔らか、それでいてしっかりとした骨格を感じさせる味わいに仕上がっています。

紫味のある明るいルビーを思わせる紅色が目に映え、ブラックベリーやカシスなどの香りや、スパイス香が入り混じった、芳醇で豊かなアロマが実に印象的です。

口当たりは実に優しく、タンニンの渋さも心地よさを感じさせるほど柔らかく、あまり赤ワインを飲み慣れていない人でもスムーズに味わうことができます

 

ワンランク上のマルベック

トラピチェ ピュア・マルベック

詳細情報
アルコール度数:14%
ボディ:フルボディ
原材料:マルベック100%

こちらのワインは、アルゼンチンの赤ワインの代表格であるマルベックの持ち味をそのまま活かすため、あえて樽を使わずに醸造・熟成された一本です。

マルベック特有の微かなスパイシー香と、プラムやチェリーの甘く、力強いかぐわしさが入り混じったアロマは、まさに芳醇と呼ぶにふさわしい心地よさで、土壌特有のミネラル感とまろやかな口当たり、そして充実感のある余韻を堪能できます。

 

シャルドネならコレ!

『アスティカ』とは、ケチュア語で『花』を意味する言葉で、その名の通り、アンデス山麓の春先に開く花のようなフローラルさと、リンゴやパイナップルを思わせる芳醇さ、そして爽快感のある酸味が魅力です。

麦わらを思わせるような、輝きを見せるイエローに、フレッシュ感のある果実味と、シャルドネらしい魅力を存分に発揮した味わいは、軽快で心地よい気分を生み出してくれます。

 

トロンテスならコレ!

トラピチェ ヴィンヤーズ トロンテス

詳細情報
アルコール度数:13.5%
味わい:辛口
原材料:トロンテス100%

トロンテスとは、アルゼンチンを代表する白ワイン品種で、マスカット・オブ・アレキサンドリアを片親に持つ交配種です。

ほぼアルゼンチンでしか栽培されていないブドウ品種で、標高3,000mもの土地でも栽培可能なほど高地での栽培に向いています。

色合いは淡くグリーンがかった黄金色で、トロンテス特有のマスカットを思わせる甘く、芳醇な香りにパイナップルなどの南国を思わせる香りが合わさった、華やかでフレッシュなアロマが特徴です。

そのスイートな香りとは裏腹に、スッキリとしたキレのある辛口で、爽快感あふれる味わいは心地よさを生み出します。

 

ワンランク上のシャルドネ

トラピチェ ブロッケル シャルドネ

詳細情報
アルコール度数:13.5%
味わい:辛口
原材料:シャルドネ100%

『ブロッケル』は、スペイン語で『盾』を意味する言葉で、トラピチェの中でも最古参のブランドとして、1920年に誕生して以来、長く愛され続けてきました。

アルゼンチンにおいては、『家族の絆や伝統を守るもの』という意味合いがあるブロッケルは、まさにトラピチェが築き上げてきた歴史と経験を示す名前です。

グラスに注げば、はちみつやシナモンの甘い芳香と、赤く熟したりんごや洋ナシを思わせる芳醇なアロマが心地よく鼻孔をくすぐり、凝縮感のある果実味と口当たりのまろやかさ、そして長く、優し気な余韻が充足感を与えてくれます。

2,000円以上

100周年記念ワイン

トラピチェ メダージャ

詳細情報
アルコール度数:14.5%
ボディ:フルボディ
原材料:カベルネ・ソーヴィニヨン100%

『メダージャ』は、スペイン語で『メダル』を意味し、I・W・C(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)など、数多くのコンクールにて受賞をし続けた、名門にふさわしいブランド名です。

100周年を記念して造られたワイン、メダージャは、まさにトラピチェの集大成と呼ぶべき風格を持ち、メンドーサ州・クルス・ド・ピエドラにある樹齢45年のカベルネ・ソーヴィニヨンから、さらに厳選されたブドウのみを使用して造られています。
丹念に醸造・熟成されて造られた味わいは、実に優雅で骨太と、カベルネ・ソーヴィニヨンの魅力を余すことなく表現していて、オーク樽によって生まれるかすかなスパイス・たばこを感じさせる風味と、カシスを思わせるアロマが実に印象的です。

一口含むと、柔らかなタンニンとほのかな甘さに果実味と実に複雑な味わいが味蕾を刺激し、上品で心地よい余韻を長く楽しめます。

 

憧れの1品

トラピチェ イスカイ

詳細情報
アルコール度数:15%
ボディ:フルボディ
原材料:マルベック50%、カベルネ・フラン50%

ブランド名である『イスカイ』とは、ケチュア語で『2』を意味する言葉で、こちらのワインにおいてその名は特別な意味合いを持っています。

ヨーロッパとインカ帝国、二つの文明の出会いによって育まれてきたワイン文化への賛美、マルベックとカベルネ・フランのブレンド、そして、ダニエル・ピ氏とマルセロ・ベルモンテ氏両名による連携の象徴として命名されたのが、このワインです。

マルベックとカベルネ・フラン、両方の良さを活かし、スミレの花や完熟したプラムを思わせる芳香に、ほのかなスパイス感のあるアロマと、カシスなどの黒い果実やバルサミコ酢の濃厚さを彷彿とさせる複雑な風味が、舌の上で踊ります。

しっかりとした骨格と存在感がありながらも穏やかなタンニンが実にシルキーで、凝縮された果実味と充実感のある余韻と、まさに珠玉と呼べる味わいを堪能できる逸品です。

 

特別な日に飲みたいマルベック

トラピチェ マノス

詳細情報
アルコール度数:15%
ボディ:フルボディ
原材料:マルベック100%

トラピチェにおいて、集大成と呼ぶにふさわしいのが、こちらの『マノス』です。

スペイン語で『手』を意味し、その名の通り、原料となるマルベックの栽培から収穫、醸造まで、すべて熟練者による手作業だけで行われ、そうしたワイン造りへのこだわりと礼賛を込めて、マノスという名が付けられました。

色合い、アロマ、味わい全てにおいて珠玉と呼ぶにふさわしい逸品で、マルベック特有の濃く、ルビーを思わせる薔薇色に、甘草やプラム、ブラックチェリーを思わせる甘く、濃厚なアロマが実に優雅で気品を漂わせます。

一口含めば、口内でモカのようなかすかな香ばしさと、カシスやイチジクといった濃厚で芳醇な風味が広がり、非常に長く、優美な余韻が続き、充足感に満たされる味わいは、まさに最高峰と呼ぶにふさわしい名品です。

 

まとめ

今回は、アルゼンチンワインのパイオニアとも言える名門、トラピチェが誇るワインの魅力についてご紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。

数々のコンクールにおける受賞歴だけでなく、設立からおよそ130年の年月によって培われてきた経験と技術、そして今なお燃え続けるワインに対するあくなき探求心こそが、トラピチェの誇りと言えます。

トラピチェの常に最高品質を心がけ、世界中に提供するバイタリティーと信念の結晶であるワインを、ぜひとも堪能してみてください。

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