アントル・ドゥ・メール、余り聞き覚えのない地名と思われる方が多いのではないでしょうか?
フランスの銘醸地ボルドー地方の一つの地区に当たるのが、このアントル・ドゥー・メール。お手頃で質の良いワインが多数醸造されています。
今回はそんなアントル・ドゥー・メールの赤ワインの特徴や選び方、おすすめの赤ワイン10選をご紹介していきます。
目次
アントル・ドゥー・メールとは
アントル・ドゥー・メールとは2つの海の間という意味。ボルドー地区に流れる「ガロンヌ川」と「ドルドーニュ川」という大河に挟まれた土地であることからこの地名になったとされています。
川に挟まれた肥沃な土地の森林と草原の間には広大なブドウ畑が広がっており、その面積はボルドーワインを生産する5つの地区の中で最大規模をほこります。
ワインの作付けは、赤と白両方植えられており、近年は白ワインが人気でフレッシュでトロピカルな香りの質の高い辛口ワインを数多く輩出しています。
アントル・ドゥー・メールの赤ワインの特徴
アントル・ドゥー・メールで産出される赤ワインは、基本的にはAOCボルドーの名前で出荷されることが多いですが、「グラーヴ・ド・ヴェール」、「サント・フォワ・ボルドー」という赤ワインを生産するAOCも存在しています。
赤ワインで主に使用される品種はメルロー種で、その他にカベルネソーヴィニヨンやカベルネフランが作付けされています。
ルビー色の若々しくフレッシュでありながら骨格のある力強い味わいが特徴の辛口ワインが多く生産されています。
アントル・ドゥー・メールの赤ワインの選び方
味わいで選ぶ
ワインの味わいを表現するときにしばしば用いられる言葉に「ボディ」というものがあります。
濃厚で奥行きのある味わいを「フルボディー」と呼び、その逆に、軽くフレッシュな生き生きとした味わいのワインを「ライトボディー」と表現します。
フルボディ
アントル・ドゥ・メールのフルボディスタイルの赤ワインは、メルローの特徴を反映したものが多くみられます。
同じボルドー地方メドック地区のような重厚なタイプではなく、スパイスの香りや完熟したブルーベリーやブラックベリーのアロマが豊かに広がるようなものが特徴的です。
色調は美しいルビー色やガーネット色、パワフルでありながら飲み心地はとてもクリーミーで飲み口がよいものが多く存在します。
この土地を反映したミネラル感やさわやかなタンニン、フルボディーワインでありながら飲み心地が良く、優しい味わいを感じることができます。
ライトボディ
アントル・ドゥー・メール地区には「クラレット」と呼ばれる、ルビー色に輝くライトボディーの赤ワインがあります。
サクランボやローズの香りに、紅茶やハーブのアロマが感じられます。
これらのワインは熟成させることなく、新酒やそれに近い形で出荷されます。AOCはボルドーと表記されることが多いですが、その中にも多くのアントル・ドゥー・メールのワインが存在します。
地区で選ぶ
アントル・ドゥー・メールの赤ワインは地区のAOCとして名付けられるのは「グラーブ・ド・ヴェール」と「サント・フォア・ボルドー」の2地区。その他のこの地域の赤ワインはAOCボルドーとして出荷されることが多いです。
この項目では、「グラーヴ・ド・ヴェール」と「サント・フォア・ボルドー」の2地区の特徴について、詳しく説明していきましょう。
グラーヴ・ド・ヴェール
グラーヴとは「砂利」を意味した言葉で、この土地はその名の通り砂利の多い土壌で赤ワインが多く造られています。
この土地の赤ワインのブドウ品種の主体はメルローで、色合いは鮮やかなルビー、キュートで華やかな香りと繊細な味わいです。早飲みのライトな赤ワインが多く輩出されています。
サント・フォア・ボルドー
サント・フォア・ラ・グランドという村の名前がAOC名の由来になっています。
幾たびの川の氾濫により、土壌は砂利と二酸化ケイ素の入り混じった肥沃な土地であり、主に赤ワイン品種では、メルロー・カベルネソーヴィニヨン・カベルネフランなどが作付けされています。
味わいはしっかりとした重厚なフルボディワインが多く造られ、湿ったコケや獣の香りや土、木の香りがするような、複雑性のある味わいで長期熟成タイプのワインであることが特徴です。
価格で選ぶ
アントル・ドゥー・メールの赤ワインは一万円以上する高額なプレミアワインから、2000円以下のリーズナブルなワインまで幅広く造られています。
全体の価格的にはメドック地区やグラーブ地区、サンテミリオンやポムロールなど、ほかのボルドーの銘醸地に比べても比較的良心的なものが多く、赤ワインは2000円台で十分に満足できるアイテムが多数存在します。
掘り出し物のワインに出会える可能性が高いことも、この地区のワイン選びの楽しみの一つです。
アントル・ドゥー・メールのおすすめ赤ワイン10選
それでは、実際にアントル・ドゥー・メールのおすすめ赤ワインを紹介していきます。
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5位
シャトー・ボワ・ド・ローラン キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
ボディー ミディアムボディ
原産国名 フランス
メーカー名 シャトー・ボワ・ド・ローラン
果実 % メルロー70%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%、カベルネ・フラン10%
飲みごたえのあるジューシーなワイン
1850年にアントル・ドゥー・メールに設立されたシャトーで、近年は数々のワイン賞も受賞しています。
タンニンは柔らかで果実味をふんだんに感じるジューシーなワイン、ボルドーらしい濃縮感も兼ね備えており、バランスの取れたおすすめの一本です。
ボルドーの入門書編としてもお手本のようなワインです。
チキンのトマト煮込みなどにもよく合います。
4位
シャトー・ボネ・ルージュ
原産国名 フランス
メーカー名 CH ボネ
果実 % ピノ・ノワール
フルーティーでコクのある味わいが特徴のボルドーらしいワイン
有名醸造家アンドレ・リュルトン氏が手掛ける赤ワイン。
カベルネとメルローの特徴をいかんなく発揮したコクのある味わいはさすがとしか言いようがありません。
スモーキーな香りに熟した果実味をしっかり感じられるこのワインは、レアに焼いたステーキに抜群の相性です。
3位
シャトー・トゥール・ド・ミランボー
ボディー ミディアムボディ
原産国名 フランス
果実 % メルロー 60%/カベルネ・フラン 30%/カベルネ・ソーヴィニヨン 10%
輝かしい実績を誇る右岸の実力者ワイナリー
メルローのの深い味わいと魅力的な香りを最大限に引き出しているワイン。
風味はなめらかで優しく、程よいタンニンの渋みの中にフルーティー甘みがほのかに広がります。
ボルドーにおいていち早くステンレスタンクを取り入れるなど、先駆的なアプロ―チで様々な賞を獲得している実力派のワイナリーです。
シャトー・トゥール・ド・ミランボー
ボディー ミディアムボディ
原産国名 フランス
果実 % メルロー 60%/カベルネ・フラン 30%/カベルネ・ソーヴィニヨン 10%
優しい味わいで鰹や鮪の赤身魚にもよく合います。
2位
ムートン カデ ルージュ
ボディー ミディアムボディ
原産国名 フランス
メーカー名 エノテカ
果実 % メルロ 65%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%、カベルネ・フラン15%
あのムートンが手掛けるハイコストパフォーマンスの赤ワイン
スミレやイチゴのジャムを感じさせるかわいらしい香りを持っており、余韻にはかすかに甘さを感じます。
あのムートンが手掛けるだけあって、本格派のボルドーを存分に感じることができます。
バニラや樽のニュアンスも存分に感じられますので、すき焼きや焼き肉との相性も抜群です。
1位
シャトー・ヴュー・レスタージュ・ルージュ
原産国名 フランス
ボルドーワインの良さを隅々まで感じられる極上ワイン
熟したプラムやブラックベリーの香り、切れの良い酸とタンニンが非常にバランスよく感じられます。
ワイン初心者の方にも安心のボルドーワインで、どなたにも受け入れられるこのワインは、プレゼントにも最適です。
ちょっと贅沢な家のみワインに最高です。
2,000円以下のアントル・ドゥー・メール赤ワイン比較表
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商品名 | シャトー・ヴュー・レスタージュ・ルージュ | ムートン カデ ルージュ | シャトー・トゥール・ド・ミランボー | シャトー・ボネ・ルージュ | シャトー・ボワ・ド・ローラン キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ |
詳細 | ボディー ミディアムボディ 原産国名 フランス | アルコール度数 14 % ボディー ミディアムボディ 原産国名 フランス メーカー名 エノテカ 果実 % メルロ 65%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%、カベルネ・フラン15% | アルコール度数 13 % ボディー ミディアムボディ 原産国名 フランス 果実 % メルロー 60%/カベルネ・フラン 30%/カベルネ・ソーヴィニヨン 10% | ボディー ミディアムボディ 原産国名 フランス メーカー名 CH ボネ 果実 % ピノ・ノワール | アルコール度数 13.5 % ボディー ミディアムボディ 原産国名 フランス メーカー名 シャトー・ボワ・ド・ローラン 果実 % メルロー70%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%、カベルネ・フラン10% |
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来客のある日に2,000円~5000円ベスト5
5位
カステル・ヴィエイィ・ラ・サル
原産国名 フランス
メーカー名 カステルヴィエイィ
果実 % メルロー50%、カベルネ・フラン25%、カベルネ・ソーヴィニヨン25%
無農薬・有機栽培の特別な赤ワイン
アントル・ドゥ・メールで半世紀前から無農薬栽培を続ける4代目ミカエルが手がける「海岸の大増水」という名のキュヴェです。
ボルドー3品種をデキュヴェ後、圧搾し発酵、セメントタンクで24 ヶ月熟成しました。
ややオレンジを帯びたガーネットの外観に黒蜜、プラムのアロマを感じます。
冷涼感がやさしく包む果実に際立つ酸の伴奏と細やかなタンニンがリズミカルな味わいを演出します。
特別な日のディナーにぜひどうぞ。
4位
シャトー サントマリー ヴィエイユヴィーニュ ルージュ
ボディー ミディアムボディ
原産国名 フランス
メーカー名 ボンド商会
果実 % メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン
丁寧な手摘みから生まれる高樹齢の貴重ワイン
アントル・ドゥ・メールに可能性をかけた当主、ジル・ドウプッシュは、この土地のテロワールの表現に最大限努力をした作り手の一人であることは間違いありません。
メルローのとカベルネソーヴィニヨンから生まれるアンサンブルは、力強さと柔らかさを兼ね備えたワインです。
長期熟成にも耐えうるワインですので、少し寝かせてから飲むのもおすすめの飲み方です。
ハード系のチーズなどに合わせてみてください。
3位
シャトー ラグラーヴ パラン
原産国名 フランス
最高のブドウから生み出される最高のワイン
最高のワインは最高のブドウからできると語る当主ピエールラフォン。
徹底的な畑の管理によってもたらされる彼のブドウの質はアントル・ドゥ・メールでも群を抜いているといわれています。
孤高の作り手が造る極上ワインは特別なディナータイムにとって決して高い買い物ではありません。
子羊のローストなど、肉の香りと調和します。
2位
ジロラット ルージュ
メーカー名 ジロラット
果実 % メルロー100%
アントル・ドゥ・メール最強のカルトワイン。圧倒的なボリューム感
天才と称される醸造家、ミッシェル・ロランは、アントル・ドゥ・メールを名実ともに代表するワインを造るために前代未聞の醸造方法にチャレンジします。
それは、ブドウを破砕せずに新樽に放り込み、機械で潰しながらマセレーションするという画期的な方法でした。これにより生まれた奇跡のワインこそジロラットなのです。
このワインはチーズやパンをおつまみにして、ゆっくりと時間をかけて味わうのがおすすめです。
1位
シャトー・モン・ペラ ルージュ
原産国名 フランス
メーカー名 CH・モン・ペラ
果実 % メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン
アントル・ドゥ・メールを代表する紛れもないトップワイン
ラフィットやマルゴー、はたまたオーパスワンにも勝ったといわれる、アントル・ドゥ・メールの最強ワインといえば、このシャトー・モンペラを外すわけにはいきません。
特出すべきはその圧倒的な凝縮感とそれを彩る美しい酸、タンニン成分も豊富で、早飲みから長期熟成まで、あらゆるシーンで活躍します。
この価格帯で手に入るのはもはや奇跡といっても過言ではありません。
どんなお料理にも合いますが、やはり牛肉のステーキなどに合わせたいワインです。
2,000円〜5000円のアントル・ドゥー・メール赤ワイン比較表
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商品名 | シャトー・モン・ペラ ルージュ | ジロラット ルージュ | シャトー ラグラーヴ パラン | シャトー サントマリー ヴィエイユヴィーニュ ルージュ | カステル・ヴィエイィ・ラ・サル |
詳細 | ボディー フルボディ 原産国名 フランス メーカー名 CH・モン・ペラ 果実 % メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン | 原産国名 フランス メーカー名 ジロラット 果実 % メルロー100% | ボディー フルボディ 原産国名 フランス | アルコール度数 13.5 % ボディー ミディアムボディ 原産国名 フランス メーカー名 ボンド商会 果実 % メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン | ボディー ミディアムボディ 原産国名 フランス メーカー名 カステルヴィエイィ 果実 % メルロー50%、カベルネ・フラン25%、カベルネ・ソーヴィニヨン25% |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
アントル・ドゥ・メールの赤ワインまとめ
今回の記事はボルドー地方でも比較的マニアックなアントル・ドゥ・メールの赤ワインを特集してまいりました。
街のワインショップでもあまり見かけることはない地区のワインですので、もし見かけたら一度手に取っていただくのも面白いかと思います。こういうマイナーな地域のワインを語ることができたら、ワイン通問として周囲の皆様から一目置かれることになるのでは?ぜひご参考にしてください。
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