コート・ド・ボーヌは高級白ワインをたくさん生産しているイメージが強いですが、美味しい赤ワインもたくさんあります。好みのワインを選びたいけど、ブルゴーニュは何かと複雑で、多少知識がないと完全にお手上げですよね。そこで今回は、コート・ド・ボーヌの美味しい赤ワインの選び方について解説します。
目次
コート・ド・ボーヌとは
ブルゴーニュ地方には、銘醸地として名高いコート・ドールという丘陵地帯があります。この丘は北部と南部に分けられ、北部をコート・ド・ニュイ地区、南部をコート・ド・ボーヌ地区といいます。
コート・ド・ボーヌはよく「シャルドネの聖地」と言われますが、実は卓越した赤ワインも充実している産地。白ワインで有名なピュリニー・モンラッシェやムルソーでも赤ワインを造っており、実は生産量の約6割は赤ワインなんです。
コート・ド・ボーヌの赤ワインの特徴
華やかで風格のあるコート・ド・ニュイと比べ、コート・ド・ボーヌの赤は線が細いと感じる人は多いようです。確かにインパクトの強いものは多くありませんが、軽くて早飲みのワインが多いかというと、そうではありません。
コート・ド・ボーヌの赤ワインは一般的に硬いものが多いです。理由のひとつは石灰質の土壌。ミネラル分が多いゆえに硬く、開くまでには長期熟成が必要です。飲み頃に達したワインは芳醇でとても素晴らしい味わいです
コート・ド・ボーヌの赤ワインの選び方
味わいで選ぶ
ブルゴーニュでは、村や畑など場所の名前がワイン名です。
これらの村や畑ごとにワインの個性が違うのがブルゴーニュの面白いところ。そして、風土や天候などにより、その土地でしか出せないワインの味わいを、「テロワール」といいます。
フルボディならこの3村を狙え!
・力強く男前なポマール
どっしり、重厚といえば、ポマール村のワイン。村名でも十分パワフルですが、中でも力強いのは一級畑リュジアンで、引き締まった強いタンニン、血を思わせるニュアンスがとても野性的。逞しく男前なワインです。
・ふくよかで官能的なヴォルネイ
風格がありながら、女性的な肉付きのよさがあり官能的なのが、ヴォルネイ村のワイン。いい造り手も多いため、村名でもそのテロワールはしっかり堪能できます。特に一級畑のカイユレはふくよかで美しいです。
・上品でエレガントなコルトン
コート・ド・ボーヌで唯一赤の特級畑であるコルトン。土壌成分やテロワールがまるでパッチワークのように違うので、共通の味わいをまとめにくいのですが、スケールの大きい上品なワインが多く造られています。
ライトボディならこれ!
ライトボディならコート・ド・ボーヌ・ヴィラージュがおすすめ。
赤い果実の溌剌とした味わいがとてもチャーミングで、同時に繊細な優美さも持ち合わせています。重い赤ワインが苦手でも十分楽しめますよ!
生産者で選ぶ
ブルゴーニュのワイン生産者に話を聞くと、必ず出てくるのが「テロワール」という言葉。彼らはみんな、ワインを造る上でほぼ同様な作業を行っているはずなのですが、出来上がるワインはその土地の持つテロワール以外、生産者ごとにそれぞれ味わいが違うのが不思議ですよね。
以下、信頼できる3つの生産者に焦点を当ててみます。
軽快でエレガント ジョゼフ・ドルーアン
ジョゼフ・ドルーアンはボーヌに本拠地を置く大手ネゴシアン(契約農家からブドウを買い付けてワインを造る業態)。ブドウとテロワールの個性を重視し、その特徴を生かしていくワイン造りは、つねに果実味がいきいきとしていて軽快でありながら、滋味深い余韻がじんわりと長く続きます。
いたずらに重厚なワインに走らず、「ドルーアンスタイル」の分かりやすいワイン造りを追求する素晴らしい生産者。安心して購入できます。
パワフルでしなやか ルイ・ジャド
ルイ・ジャドもブルゴーニュ全域で活躍する大手ネゴシアンのひとつ。そして、ドメーヌ(自社畑を持ち、栽培、醸造、瓶詰めまですべて行う生産者)としても錚々たる畑を保有し、感動的なワインを生み出しています。
ルイ・ジャドのワインが素晴らしいのは、凝縮感があり、パワフルでありながら、決してしなやかさを失わないところ。ブルゴーニュ人が大切にするテロワールも味わいにしっかり反映されており、上質なワインを飲んだ満足感を与えてくれます。
ニュートラルでノンストレス アルベール・ビショー
アルベール・ビショーはネゴシアンのほかに6つのドメーヌを持っています。ユニークなのは、各ドメーヌが独立したチーム制であること。チーム員はそれぞれその土地のテロワールを知り尽くすエキスパートたちです。
現当主の「ブドウ・人・自然環境を尊重するワイン造り」という信念のもと、ストレスのないニュートラルなワインが造られています。どのワインも、ピノ・ノワールの個性と各土地のテロワールが見事に表現され、素晴らしい味わいです。
価格で選ぶ
コート・ド・ボーヌのワインを価格で選ぶ場合、上記で説明をした格付けが大きく係わってきます。低格付けのものは価格が安く、高格付けのものは高くなります。
以下にそれぞれの格付けの価格帯を表にまとめました。どのランクのものが、どの程度の価格帯で購入できるかの目安になると思いますので、参考にしてください。
格付け(A.O.C) | 具体的なA.O.C | 価格帯 |
ブルゴーニュ全域 | ブルゴーニュ・ルージュなど | 2,000~5,000円 |
コート・ド・ボーヌ地区 | オート・コート・ド・ボーヌなど | 2,000~5,000円 |
村名 | ポマール、ヴァルネイなど | 3,500~10,000円 |
一級畑(プルミエ・クリュ) | ヴァルネイ・1er1・カイユレなど | 4,000~20,000円 |
特級畑(グラン・クリュ) | コルトン | 10,000~50,000円 |
※ブルゴーニュ・ルージュはコート・ド・ボーヌ地区の格付けではありませんが、ブルゴーニュのすべての格付けを記載するために、表に含めています。
コート・ド・ボーヌのおすすめ赤ワイン10選
「ワインを何から飲めばいいのかわからない」
「ワインが美味しいのかわからない」
そんなあなたにおすすめです。
※ 販売数には限りがございますので、売り切れの際は何卒ご容赦ください。
来客用やちょとしたご褒美に!予算5,000円ベスト5
5位
ジョゼフ・ドルーアン コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュ
A.O.C.:コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュ
品 種:ピノ・ノワール
家庭料理にも合わせやすいお手頃ブルゴーニュ
コート・ド・ボーヌ内の数村のブドウをブレンドして造った、飲み口のいい赤ワイン。果実味が生き生きとしていて、とてもチャーミングです。軽快でバランスがよく、食中酒としても最適。難しいことを考えずに、気楽に楽しめます。
合うお料理:ハムとパセリのゼリー寄せなど。
4位
ラペ ショレイ・レ・ボーヌ
A.O.C.:ショレイ・レ・ボーヌ
品 種:ピノ・ノワール
名門ドメーヌが手掛ける優美な赤
ペルナン・ベルジュレスの名門ドメーヌ、ラペの手掛けるショレイ・レ・ボーヌです。赤いベリー系の果実味が心地よく、タンニンが柔らか。繊細で優美なワインです。比較的軽快なので、赤ワインが苦手でも美味しくいただけます。
合うお料理:ピッツア・マルゲリータなど。
3位
フィリップ・コラン マランジュ・1er・ラ・フュシエール
A.O.C.:マランジュ・プルミエ・クリュ
品 種:ピノ・ノワール
あまり知られていない村の一級畑を賢くゲット!
マランジュは、約30年前に新設された比較的新しいA.O.C.で、知名度があまり高くないため、一級畑でもこの価格で購入できます。フィリップ・コランのマランジュは、骨太でありながら果実味が柔らかく、飲みやすいワインに仕上がっています。
合うお料理:ウフ・アン・ムーレットなど。
2位
ルー・デュモン レア・セレクション サントネイ・1er・ラ・コム
A.O.C.:サントネイ・プルミエ・クリュ
品 種:ピノ・ノワール
大人気のルー・デュモンが買い付ける絶品古酒
サントネイはコート・ド・ボーヌ南部に位置する村。一級畑ラ・コムからは力強さと繊細さを併せ持つ、素晴らしい赤ワインが造られます。このワインは2002年と最高のヴィンテージで、まだまだ果実味は力強く、きれいな酸も健在です。
合うお料理:トマトソースパスタなど。
1位
ルモワスネ ボーヌ・1er・ヴィーニュ・フランシュ
A.O.C.:ボーヌ・プルミエ・クリュ
品 種:ピノ・ノワール
素晴らしいポテンシャルを秘めた赤
ボーヌ村の中でも人気のあるヴィーニュ・フランシュ。その理由は、この畑が濃厚なワインを生み出すことにあります。ルモワスネのヴィーニュ・フランシュは、力強くしっかりしたポテンシャルを持ち、果実味が凝縮しためりはりのある味わい。
合うお料理:パテ・ド・カンパーニュなど。
5,000円以下のコート・ド・ボーヌ赤ワイン比較表
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商品名 | ルモワスネ ボーヌ・1er・ヴィーニュ・フランシュ | ルー・デュモン レア・セレクション サントネイ・1er・ラ・コム | フィリップ・コラン マランジュ・1er・ラ・フュシエール | ラペ ショレイ・レ・ボーヌ | ジョゼフ・ドルーアン コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュ |
詳細 | 生産国:フランス A.O.C.:ボーヌ・プルミエ・クリュ 品 種:ピノ・ノワール | 生産国:フランス A.O.C.:サントネイ・プルミエ・クリュ 品 種:ピノ・ノワール | 生産国:フランス A.O.C.:マランジュ・プルミエ・クリュ 品 種:ピノ・ノワール | 生産国:フランス A.O.C.:ショレイ・レ・ボーヌ 品 種:ピノ・ノワール | 生産国:フランス A.O.C.:コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュ 品 種:ピノ・ノワール |
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特別な日に!5,000円~10,000円ベスト5
5位
ジョゼフ・ドルーアン ヴォルネイ
A.O.C.:ヴォルネイ
品 種:ピノ・ノワール
エレガントで華やか!ヴォルネイのお手本
ピノ・ノワールのエレガントさと、ヴォルネイの女性らしいしなやかさが、見事に表現されたヴォルネイです。しっかりとした芯を持ちつつ、華やかで、飲み心地はとても滑らか。心地よいタンニンが全体をきれいに引き締めます。
合うお料理:フルム・ダンベール(青カビチーズ)など。
4位
アルベール・ビショー アロース・コルトン
A.O.C.:アロース・コルトン
品 種:ピノ・ノワール
果実味豊かでウマいアロース・コルトン
アルベール・ビショーのアロース・コルトンは、果実味が豊か。きめの細かいタンニンがスムーズで飲み心地がよく、ついおかわりしたくなる美味しさです。この村のものは村名でも味わいのしっかりしたものが多く、改めてテロワールの偉大さを感じます。
合うお料理:ローストビーフなど。
3位
ルイ・ジャド ボーヌ・1er・クロ・デ・ズルシュール
A.O.C.:ボーヌ・プルミエ・クリュ
品 種:ピノ・ノワール
ルイ・ジャドの懐刀(ふところがたな)的ワイン
クロ・デ・ズルシュールは、ルイ・ジャドが古くから単独所有する、歴史ある畑です。その味わいは、ボーヌ一級畑の中でも最も優れたもののひとつ。しっかりした骨格を持ちながら果実味もタンニンも柔らかい、バランスの取れたワインです。
合うお料理:少し熟成の進んだブリ・ド・モー(白カビチーズ)など。
2位
フランソワ・ミクルスキ ポマール
A.O.C.:ポマール
品 種:ピノ・ノワール
ムルソーの造り手が放つ絶品ポマール!
フランソワ・ミクルスキは白の造り手ですが、侮るなかれ。赤ワインの味わいも絶品です。このポマールは凝縮した果実味、湿った土のニュアンスがあり、とても男性的。タンニンもしっかりしており、余韻が長く続きます。一度は試すべきワインです。
合うお料理:仔羊のローストなど。
1位
シャンドン・ド・ブリアーユ コルトン・クロ・デュ・ロワ
A.O.C.:コルトン
品 種:ピノ・ノワール
これは絶対買い!この価格のコルトンは驚き!
コルトンの中でもクロ・デュ・ロワという最高峰の畑。造り手はシャンドン・ド・ブリアーユです。ピノ・ノワールの旨味がたっぷり詰まった、古典的な造りのブルゴーニュ。しっかりした味わいがありながらも、柔らかく、上品でエレガントです。
合うお料理:雄鶏の赤ワイン煮など。
5,000円~10,000円のコート・ド・ボーヌ赤ワイン比較表
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
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商品名 | シャンドン・ド・ブリアーユ コルトン・クロ・デュ・ロワ | フランソワ・ミクルスキ ポマール | ルイ・ジャド ボーヌ・1er・クロ・デ・ズルシュール | アルベール・ビショー アロース・コルトン | ジョゼフ・ドルーアン ヴォルネイ |
詳細 | 生産国:フランス A.O.C.:コルトン 品 種:ピノ・ノワール | 生産国:フランス A.O.C.:ポマール 品 種:ピノ・ノワール | 生産国:フランス A.O.C.:ボーヌ・プルミエ・クリュ 品 種:ピノ・ノワール | 生産国:フランス A.O.C.:アロース・コルトン 品 種:ピノ・ノワール | 生産国:フランス A.O.C.:ヴォルネイ 品 種:ピノ・ノワール |
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多様なテロワールを楽しむのが醍醐味
白ワイン銘醸地と思われがちなコート・ド・ボーヌから、力強いもの、ふくよかなもの、エレガントなもの、軽快なものなど、さまざまなタイプの赤ワインが造られることが分かっていただけたと思います。
そして、その味わいを造るのはテロワール。ブルゴーニュの魅力を語る上で不可欠なものです。ぜひ、この記事を参考に、コート・ド・ボーヌのいろいろなテロワールを飲み比べてみてくださいね!
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