エミリア・ロマーニャ州は、イタリアの中部にある2つの地方から成り立つ州です。
州都ボローニャにはヨーロッパ最古の大学であるボローニャ大学を有し、文化・学問の中心地として栄えている土地です。かつ、イタリアには珍しい平野部が州の役半分を占めているのも特徴のひとつでしょう。
そんなエミリア・ロマーニャ州ではワイン生産も盛んで、2つの地方からそれぞれ特色のあるワインが生み出されています。
今回は、そんなエミリア・ロマーニャ州のワインについてその特徴や選び方について紹介します。
目次
エミリア・ロマーニャのワインとは
エミリア・ロマーニャの歴史は、エミリア地方とロマーニャ地方でそれぞれ異なっています。
エミリア地方はルネサンス期のエステ家を筆頭にいくつもの公国が築かれ、華やかな宮廷文化が花開いた土地です。この土地では量産可能なランブルスコ種を使用した微発砲性の赤ワインが主流に造られるようになりました。なぜなら、大半が肥沃な平地だったため、高品質なブドウ品種を栽培するには適していなかったからです。
エミリア・ロマーニャ州のワイン製造割合を見たとき、赤ワイン生産量が大半を占めるのもエミリア地方の方になります。
一方ロマーニャ地方は、宮廷文化とは対照的な農民文化が続いてきた土地です。こちらは「ロマーニャ・アルバーナ」という白ワインが有名で、これと同格の赤ワインとしては「ロマーニャ・サンジョヴェーゼ」が挙げられます。
ロマーニャ地方におけるワイン製造の歴史はそれなりに古く、中世ではすでにアルバーナ種のブドウが栽培されていたとも言われています。
肥沃な土地と豊富な水を持つエミリア・ロマーニャはワイン生産量もイタリアワインの中ではトップクラスといえるでしょう。
2017年におけるイタリアの州別生産量を見たとき、同州は2位にランクインするほどです。
エミリア・ロマーニャの赤ワインの特徴
エミリア・ロマーニャ州で赤ワイン用品種として栽培されているブドウは、ランブルスコ、バルベーラ、ボナルダ、サンジョヴェーゼなどが挙げられます。
ちなみにサンジョヴェーゼはクローンが多い品種で、細かく分類することが可能です。ロマーニャ地方のものはサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャという種になります。
ランブルスコは、先述のとおりエミリア地方の微発砲性赤ワインに使われる品種です。現地において、ランブルスコのスパークリングワインは料理のお供として親しまれています。
バルベーラとボナルダはエミリア地方北西部にあるコッリという丘陵地帯で造られる赤ワインに使用されています。
バルベーラはイタリア土着品種のひとつで、強い酸味と柔和なタンニンを持ったワインが出来上がります。スタイルの幅は広く、軽快で酸味が前面に出たものから、力強く重厚なものまで多種多様といえるでしょう。
ボナルダはブレンド用の補助品種で、ワインに豊かな果実味と優しい口当たりを与えてくれます。
サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャは、若々しくブドウ本来の風味を存分に味わえるワインになります。
エミリア・ロマーニャの赤ワインの選び方
味わいで選ぶ
ワインにはボディというものがあります。これは味わいの濃さを測るもので、濃いものからフルボディ・ミディアムボディ・ライトボディと呼称します。
一般的に、味わいが濃いほど牛肉や羊肉を使った重厚な肉料理に合いやすいのが特徴です。逆にライトボディは鴨料理や鶏料理などのさっぱり系の料理と相性がいいとされています。
ミディアムボディはこれらの中間であるため、どちらとも比較的合いやすいマルチタイプといえるでしょう。
ボディで選ぶときは、どんな料理に合わせたいかをあらかじめ決めておき、その料理に合わせて選ぶのがベターといえます。
迷ったときはひとまずミディアムボディで試してみるのがいいかもしれません。
品種で選ぶ
エミリア地方とロマーニャ地方では、文化が全く異なっているのが特徴です。そのため栽培されている品種にも大きな差があり、それに伴ってワインの味わいも大きく変化します。
ここでは、両地方の主要な品種からそのワインの傾向について紹介します。
ランブルスコ
ランブルスコは、赤のスパークリングワインとして有名です。
全体の傾向として、タンニンが少なめで、豊潤な果実味を清々しくさらさらとした味わいに仕上げられています。
ランブルスコは甘口のワインの方が有名ではありますが、実は辛口の味わいもあり、どちらも選べるのがうれしい点です。ちなみに、現地では主に辛口の方を飲んでいるそうです。
ランブルスコは、地元の郷土料理に油っぽいものが多いため、食事のときに口のなかに残る油分を微発砲の泡ですすぎ、料理を食べやすくするという役割を持ったワインでもあります。
そのため、油の多い料理と相性がよいのが特徴です。
サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ
サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャのワインは、ブドウ本来の甘味や風味を存分に引き出した味わいになっています。
サンジョヴェーゼ種はイタリアのトスカーナ地方原産のブドウで、酸味が強いのが特徴です。また赤ワイン特有の渋みもやや強く出ている一方、香りはそれほど強くはありません。
この品種のワインでアロマを楽しむ場合は、ある程度熟成させる必要があります。熟成させるとフルーティな香りが漂うコクのあるワインになります。
カニーナ・ディ・ロマーニャ
カニーナ・ディ・ロマーニャのワインは、デザートワインとして楽しめる甘口のものがあります。
チェリー系の赤い果実のアロマと、まろやかな口当たりになる傾向があり、若々しく果実味にあふれた味わいです。
タンニンもおだやかなため、比較的飲みやすいのもうれしい点といえるでしょう。
デザートワインを探している場合はこちらがおすすめといえます。
価格で選ぶ
エミリア・ロマーニャ州の赤ワインは比較的お手軽な価格帯のものが多いため、価格で選ぶときは選択肢が多くなることが考えられます。
これにより、価格だけで選ぼうとすると選択肢を絞り切れず悩んでしまう可能性がでてきてしまいます。
そのため、価格のほかにも品種・D.O.Cなどの希望を見つけておくのがいいでしょう。
ほかの基準である程度選択肢を絞った上でなら、価格は絶対的な数値ですからいい指標になります。
エミリア・ロマーニャのおすすめ赤ワイン10選
ここからは、厳選したエミリア・ロマーニャ州の赤ワインを紹介していきます。
- ・高い
- ・飲み切るのが大変
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という悩みがありますよね。
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日常使いにおすすめ!予算2,000円ベスト5
5位
コンテッサ・マチルデ ランブルスコ・ディ・ソルバーラ セッコ
ボディー ミディアムボディ
原産国名 イタリア
メーカー名 明治屋
果実 % ランブルスコ・ソルバーラ、ランブルスコ・サラミノ
ランブルスコ種のソルバーラとサラミノから造られたスパークリングワインです。
若々しく果実味にあふれたアロマと、酸味が残るフィニッシュが味わいをより楽しませてくれます。
また、ミディアムボディで料理に合わせやすいのもうれしいところでしょう。
4位
カステッリ・デル・ドゥーカ ロッソ
ボディー ライトボディ
原産国名 イタリア
メーカー名 カステッリ・デル・ドゥーカ
果実 % ボナルダ 100%
ボナルダだけで造られた単一品種のワインです。
母のようなあたたかくなつかしい香りと、角のないボディがまろやかな口当たりと純粋な果実味を引き立たせてくれます。
3位
タヴェルネッロ ランブルスコ ロッソ
原産国名 イタリア
軽快ですがしがしい味わいで、飲みやすい味わいを持ったワインです。
やや甘口で、単体でも食事と合わせても楽しむことができるでしょう。
2位
ガヴィオリ・ランブルスコ・ グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ・アマービレ
原産国名 イタリア
メーカー名 ガヴィオリ
果実 % ランブルスコ100%
半甘口で、バラの花びらを思わせる甘味を持ったワインです。
高級感漂う濃厚な発泡で、果実味の溢れた味わいのなかには酸味と渋味がバランスよく含まれています。
1位
メディチ・エルメーテ・アッソーロ・フリッツァンテ・ロッソ・レッジアーノ・セッコ
原産国名 イタリア
メーカー名 メディチ・エルメテ
果実 % ランブルスコ・サラミーノ85%、アンチェロッタ15%
栄えある1位は、ランブルスコ・サラミーノ85%、アンチェロッタ15%のセパージュです。
ちなみに、ガンベロ・ロッソ誌のランブルスコ特集でコンチェルトに次いで2位を獲得したアッソーロでもあります。
2,000円以下のエミリア・ロマーニャ赤ワイン比較表
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
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商品名 | メディチ・エルメーテ・アッソーロ・フリッツァンテ・ロッソ・レッジアーノ・セッコ | ガヴィオリ・ランブルスコ・ グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ・アマービレ | タヴェルネッロ ランブルスコ ロッソ | カステッリ・デル・ドゥーカ ロッソ | コンテッサ・マチルデ ランブルスコ・ディ・ソルバーラ セッコ |
詳細 | アルコール度数 11.5 % 原産国名 イタリア メーカー名 メディチ・エルメテ 果実 % ランブルスコ・サラミーノ85%、アンチェロッタ15% | アルコール度数 11.5 % 原産国名 イタリア メーカー名 ガヴィオリ 果実 % ランブルスコ100% | アルコール度数 8 % 原産国名 イタリア | アルコール度数 13.5 % ボディー ライトボディ 原産国名 イタリア メーカー名 カステッリ・デル・ドゥーカ 果実 % ボナルダ 100% | アルコール度数 11 % ボディー ミディアムボディ 原産国名 イタリア メーカー名 明治屋 果実 % ランブルスコ・ソルバーラ、ランブルスコ・サラミノ |
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来客用や自分へのご褒美に2,000円~5,000円ベスト5
5位
イル・ヴェイ コッリ・ピアチェンティーニ ボナルダ・アマービレ
ボディー ミディアムボディ
原産国名 イタリア
メーカー名 イル ヴェイ
果実 % ボナルダ
ボナルダ単一品種で造られたワインです。
豊潤な果実味と、やわらかな風味というボナルダのおいしさを存分に楽しむことができます。
4位
カミッロ・ドナーティ ランブルスコ
原産国名 イタリア
メーカー名 カミッロ・ドナーティ
果実 % ランブルスコ・マエストリ100%
甘味のうすい味わいと赤ワインらしい渋味のなかに確かな果実味を持ったワインです。
ナチュラルを重視した製法で造られているため、安心して飲むことができるのもうれしい点です。
3位
モマ・サンジョヴェーゼ・カベルネ
ボディー ミディアムボディ
原産国名 イタリア
メーカー名 ピーロート・ジャパン
果実 % 赤ブレンド
サンジョヴェーゼ80%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%、メルロー10%のセパージュです。
熟れた甘いベリーの香りに、なめらかで重厚な果実味を楽しむことができます。
2位
イル・マイオーロ エミリア・ロッソ
ボディー ミディアムフルボディ
原産国名 イタリア
メーカー名 イル・マイオーロ
果実 % バルベーラ60%、ボナルダ20%、メルロー15%、カベルネ・ソーヴィニヨン5%
バルベーラ60%、ボナルダ20%、メルロー15%、カベルネ ソーヴィニョン5%のセパージュです。
軽快な果実味と程よい酸との調和がとれた気持ちいい熟成感を楽しむことができます。
1位
エミリア・ロッソ・マッキオーナ
原産国名 イタリア
メーカー名 エミリア・ロッソ・マッキオーナ
堂々の1位は、バルベーラとボナルダを半分ずつブレンドしたセパージュです。
濃縮された果実味と樽香を楽しむことができ、また長めの余韻が満足感を高めてくれるでしょう。
2,000円~5,000円のエミリア・ロマーニャ赤ワイン比較表
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
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商品名 | エミリア・ロッソ・マッキオーナ | イル・マイオーロ エミリア・ロッソ | モマ・サンジョヴェーゼ・カベルネ | カミッロ・ドナーティ ランブルスコ | イル・ヴェイ コッリ・ピアチェンティーニ ボナルダ・アマービレ |
詳細 | ボディー フルボディ 原産国名 イタリア メーカー名 エミリア・ロッソ・マッキオーナ | アルコール度数 14 % ボディー ミディアムフルボディ 原産国名 イタリア メーカー名 イル・マイオーロ 果実 % バルベーラ60%、ボナルダ20%、メルロー15%、カベルネ・ソーヴィニヨン5% | アルコール度数 13 % ボディー ミディアムボディ 原産国名 イタリア メーカー名 ピーロート・ジャパン 果実 % 赤ブレンド | アルコール度数 13 % 原産国名 イタリア メーカー名 カミッロ・ドナーティ 果実 % ランブルスコ・マエストリ100% | アルコール度数 13 % ボディー ミディアムボディ 原産国名 イタリア メーカー名 イル ヴェイ 果実 % ボナルダ |
商品リンク | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
エミリア・ロマーニャの赤ワインまとめ
エミリア・ロマーニャ州のワインの中でも、とても手に入りやすいランブルスコは特に日常使いに最適の特徴を持っています。
料理とも合わせやすく、微発砲の泡で口内に残る油を洗い流してくれるランブルスコは、食事と合わせても単体で飲んでもおいしいワインです。
また、ランブルスコ以外でも、D.O.Cをいくつも持つエミリア・ロマーニャ州の赤ワインは高品質かつリーズナブルというとてもうれしい品がそろっています。
日常のパートナーになるワインを探しているなら、エミリア・ロマーニャ州のものを選択肢にいれてもいいかもしれません。
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